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アメリカ「……逃げないの?」
夕焼けに染まる教室。
窓から射し込む赤い光が、教室を真っ赤に染めていた。
アメリカの声が、静かに響いた。
日本は黙ってうつむいていた。
足元には、破られたプリント。
机の上には、落書きされた教科書。
誰かに踏まれた弁当箱が、床に転がっている。
——でも、もう驚きもしない。
アメリカ「全部、知ったくせに。俺がいじめの主犯だって。アイツらに金を払ってたって。……それでも、ここにいるのか?」
日本「…………コクッ」
アメリカ「なんで?」
優しく問いかける声に、日本は小さく笑った。
日本「たぶん……私、壊れちゃったんです」
そう言いながら、ふらふらと歩いてアメリカの前に立つ。
日本「貴方がいないと、もう立っていられない」
アメリカ「ッッッ…………♡」
日本「誰も私を必要としてくれなかった。でも、貴方だけは私を“壊すほど”に求めてくれた」
アメリカ「……愛してるよ、日本」
日本「知ってます」
アメリカがゆっくりと、日本の腕を引いた。
そのまま抱きしめる。
強く、深く、まるで「所有物」のように。
日本は何も抵抗しなかった。
息をするたびに、アメリカの体温と匂いに包まれていく。
脳が、じわじわと甘く痺れていく。
——ああ、もう戻れない。
でも、戻る気もない。
アメリカ「お前はもう、俺のものだよ」
日本「……♡」
日本は、静かにアメリカの愛を受け取った。
それは、誓いのような呪い。
⸻
その日から、日本の世界は変わった。
いじめは続いた。
でも、苦しみは薄れていった。
それは、心が完全に麻痺してしまったからか。
それとも——
アメリカ「おーい、今日も元気か?」
教室に入ってきたアメリカが、頭を撫でる。
その笑顔は、もう“仮面”じゃなかった。
日本「はいっ…すっごく元気です!」
嘘でもなく、本当でもない。
ただ、アメリカの言葉に反応する“人形”のような声だった。
周囲のクラスメイトたちは、もう何も言わなかった。
日本を見て見ぬふりをし、アメリカに逆らうことはなかった。
——誰も助けなかった。
でも、それで良かった。
日本自身が、望んだ結末だったから。
⸻
放課後。
屋上で風に吹かれながら、アメリカが呟いた。
アメリカ「もし、あのときお前が逃げてたら……俺、壊してたかもしれないな」
日本「えぇ。たぶん、私も壊れてました」
アメリカ「でも今は?」
日本は空を見上げて、微笑んだ。
日本「ちゃんと、貴方の“物”になれてます」
アメリカ「……そっか♡」
アメリカが静かに笑った。
その顔は、どこまでも満たされていた。
そして、日本の顔もまた、同じように微笑んでいた。
共依存ってなんかいいよね。でも、虐めはダメだからね?(^言^)ゴゴゴゴ(圧)
ではまた!