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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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仕事の進行が少しやばい。いや、出来なさそうという意味ではなくて。
仕事の進行的に、横浜イングリッシュガーデンに行く時間を取れそうな日にちが、十二月二十五日くらいしかないのだ。山下公園でもそうなっちゃったけど、千歳と遊び歩いてると傍から見て完全にデートの絵面なんだよ……。千歳は全然そんな気持ちないのに悪いな、と思っちゃうんだよ……。
男の姿で来てもらうか? でも千歳普段女子中学生の格好が多いし、冬休み入る時期だし、女子中学生の格好で来たがるかも……。
いや、その前にまず千歳の予定を聞かないとな、十二月二十五日出かけられる?って。
そういうわけで、お昼ご飯の時に千歳に聞いてみた。
「あのさ、千歳、横浜イングリッシュガーデン行けそうなのがクリスマスなんだけど、また付き合ってもらえる?」
『うん、大丈夫だ』
千歳はあっさりと頷いた。
『じゃ、クリスマスの夕飯はイブの午後に仕込んどくかな』
「そんで……悪いんだけど……今度は男の格好で付き合ってくれないかな?」
『ん? なんで?』
千歳は他人丼を頬張った。
「いや、あの、その……」
そんな真っ直ぐな、何も気づいてない反応されるとすごく説明しにくいな……。
『えっとさ、女の子だと、他の人から見て絵面が完全にデートになっちゃうから、千歳そんなつもり無いのに悪いなと思って……』
『へ?』
千歳は目を丸くした。
「いやあのごめん、こないだの山下公園で俺もあっやべってやっと気づいて……」
『あー、まあ、お前が彼女持ちだと思われたら女寄って来にくいかもな……』
千歳は頷いた。そういうことではないんだけど、まあいいか。
『こないだの時点でも彼女持ちだと思われたらマズいな、あ、でも、お前が女連れてきていい感じになりそうなら、ワシちゃんと自分の事説明するつもりだからな?』
「え、そうなの?」
でも、どのように説明するおつもりで?
千歳は得意げに言った。
『令和は共働きが多くて、家事も子育ても大変なんだろ? だからワシ、お前が女連れて来たら、『子々孫々まで祟るけど家事全般やるし子供産まれたら子守もする、だからあんたは楽できる』って売り込むからな、だからお前はお得な物件になるぞ』
マジ!?
「いや……確かに家事のこと気にしないでいいのは楽だけど……そういう考えだったの!?」
『ダメか?』
千歳は、じっと俺を見た。
「いや、全然ダメじゃないけど、嬉しいけど」
なんか、千歳が俺のところにい続けてくれることと、俺の結婚があんまり結びついてなかったから。そっか、俺の環境が変わっても、千歳はいてくれるのか。
千歳にずっといてほしい。世の中何が起こるかわからないから、俺の環境なんてどう変わるか全然わからないけど、それでも、できるだけのことはするから、ずっと千歳にいてほしい。
『ていうか、男の格好で行くのはいいけど、お前女に擦れてないんだから、デートの練習もしたほうがいいんじゃないのか?』
「え、確かに擦れてはないけど、練習?」
そりゃ、俺、恋愛関係の女の子と出歩いたことはゼロだけども。
『そうだ! せっかくクリスマスに出歩くんだから、お前デートの計画立てる練習しろ! ワシ、おしゃれでかわいい女になってやるから、エスコートしろ!』
「エスコート!?」
俺は割とビビった。千歳をエスコート!?
「いや、彼女持ちと思われたらマズいってのはどこに行ったの!?」
『別れたって言えばいいだろ、二十九まで童貞のくせに彼女いた経験もないって言うのは、それはそれでマズいぞ!』
「そ、それはそうなんだけど!」
『あ、やっぱり彼女ゼロ人なのか』
「カマかけたの!?」
『まあまあ』
千歳は味噌汁をすすった。
『前の山下公園くらいやれればエスコートとしては合格だ、そんな気張るな』
そんなもん? そんなにいちごパフェおいしかったの?
まあ、行くルートや喫茶店の下調べはしっかりしたけど、もう一度確認し直すか。
……しかし、千歳は、練習とは言えデートでも全然いいのか、俺と……。
コメント
1件
わあ、このエピソード、すごく温かい気持ちになりました…!「練習」って言いながらも、千歳が主人公のことをきちんと考えてくれているのが伝わってきて、特に「子々孫々まで祟るけど家事全般やる」って台詞には思わず笑っちゃいました。千歳の得意げな顔が目に浮かびますね。主人公が「ずっと千歳にいてほしい」と心の中で思うところ、すごく丁寧に描かれていて、じんわりきました。クリスマスデートの練習、どんなエスコートになるのか気になります…!