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二次創作
微bl
main : kn
sub : nk
2458文字
いつからだったか
今となってはもう思い出すこともできないけど
自分の夢など心の奥底から消えていた
夢だけではない
将来
未来
希望
すべてがどこかに消えてしまった
俺には真剣になれるものが一つもなかった
そんなどうでもいい思考を繰り広げる俺はソファに深く腰を下ろしている
今日、とある幼馴染が家に来るらしい
別に特段散らかっているわけでもなく
かといって片付いているわけでもない
まぁ、彼なのだから無理に正しておく必要性もない
そう思ってボーっとしていた
ピーンポーン
玄関の方からチャイムが鳴る
ガチャ
事前にすぐ入っていいと伝えていたからだろう
すぐにドアが開く音が聞こえた
俺は重い体を起こして飲み物を入れにキッチンに入る
カチャ
こんにちは
きんとき
ん、いらっしゃい
え、今から朝ごはん?
もうそろ10時だよ
いやいや、誰かさんにお茶を入れてあげようかと思ったんだけどね
あ、あっ
ありがと…….w
……..w
いいえw
彼はカバンをおろしながらソファの方に向かっていく
彼と少し軽口を叩くだけで心の奥が暖かさを取り戻す
でも彼は俺と違って輝いている
彼は俺にない心の輝きを持っている
俺のように進路をこじらせているようなやつではない
”みんなもうほとんど決まっているぞ。お前もいい加減に決めないと。自分の将来のことだろう。”
俺の進路担当の先生はそう言った
周りの友達が簡単に決めすぎている気もしたし、自分が深刻すぎるようにも感じた
きんとき〜?
大丈夫?
そう声をかけてくる彼もきっと
とっくのとうに希望を持っているに違いない
……きんとき?
あ、ごめん
どうした?
……いや?
………今日もゲームするかな〜って
彼だけだった
この受験期に差し掛かる時期に遊びに誘ってくるやつなんて
みんな勉強で忙しくて
遊ぼうなんて茶々を入れられる雰囲気でもない
ほら
やろうよ
……..どうかしたのかなんて聞かないから
そう彼は言ってこちらから目をそらした
なんだ、彼は本当に俺が持っていないものをたくさん持っている
俺は何ができるのだろう
こんな無能が誰かのお金を使って進学することを願っている人はいるだろうか
無理だ
俺には目指すところもそれを探す資格もない
………きんとき
……だめ
いきなり耳元で聞こえた声に体をピクリと震わせる
なぜか彼は俺を後ろから抱きしめていて
身長が変わらないからかぴったりとくっつかれている
…….ごめん
なんでもないから
……大丈夫だから
俺に全部吐き出してみない……?
彼は俺の言葉を聞くこともなく出した空のコップをキッチンにおいたまま俺をソファの方にひっぱていく
はい
きんとき
流石にそこまで溜め込まれてると無視できない
ソファに座らされた俺は目の前に立つ彼にそう言われる
……なんにもないって
…….
眼の前の彼は俺のことを無言で見る
どうせ俺に何もかもまさる彼に俺の思いを伝えたところでバカにされるだけだろう
ばかきんとき
俺に言えよ……
彼は少し語尾を荒らげてそういった
……
それでも俺が彼の方を見ずに口を開かずにいれば
はぁ……..
トサ
彼は静かに俺の隣に腰を下ろした
きんときが元気ないと心配になるのってしょうがないよね……..
独り言のようにそう漏らした彼
突然俺の背中に暖かいものがあたり
背中を上下するように動いていく
ぁ……、?
するりと暖かいものが頬を伝った気がした
……..大丈夫
……….大丈夫だからね……?
どこにも何も確証がないのに彼はそう言い続けながら俺の背中を撫でている
……..ッ..
頬に伝ったそれを拭い取ろうと腕を持ち上げる
…….だめ
そう言われて彼が俺の腕を優しく握る
彼は
俺の何よりもまさるはずなのに
俺と同じ目線で隣に座っている
……..珍しいね〜….
…..やっぱりきんときも悩むんだね
隣りに座った彼は俺の頭をくしゃくしゃと撫で回す
…..んッ….
きんとき……
本当に言いたくないなら言わなくたっていいけど….
幼馴染として、パートナーとして、心配だから…….
言いたくなったらいつでも言ってね……?
俺はいくらでも聞いてあげられるから
そう言った俺の彼氏である彼は少し寂しそうに笑って俺のことを正面から抱きしめる
あ、ねぇ
俺とゲーム実況してみない?
いきなりそう言った彼に俺はなんと答えるだろう
一作目
本当にこういうのが好きすぎるんです()
hnakでこういう作品を上げる気には一生なれない気がしますが
ここではこそこそちょこちょこあげますよん
では
色々程々によろしくお願いいたします
muremn