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ふ、と瞼を持ち上げる。
同期を切る直前に聞いた、「父さんと母さんのこと、よろしくね」という言葉はあの子《フリスク》に任せて。
「俺は俺で、やらなきゃな」
呟きながら身体を起こす。
軽く身支度を整えて、部屋を出た。
バリアが消えた影響で外は賑やかだけれど、俺には関係ない。
少し歩いて、裏山の花畑が見えてきて。
金色の花が1輪、項垂れているのが見えて。
「フラウィー」
『…誰?』
気怠げな、じとりとした表情で花は振り返った。
「やぁ、御機嫌よう。キミにちょっとしたプレゼントをあげたくてね 」
『初対面の相手にプレゼント?バカなの?』
「『この世界は、殺すか殺されるか、なのに?』…ふはっ、すごい顔になってる」
重ねた言葉にものすっっっっっごく嫌そうに歪むカオ。
軽く笑いながら俺は、胸の前に寄せた手で自らの魂を割って。
欠片を花の…フラウィーの口へ放り込んだ。