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『この気持ちに名前をつけるなら』
そして、次の日がやってくる。
世界が、ふたりの“恋”で色づく日。
2人は、何でもない帰り道を並んで歩いていた。
夕ごはんはラーメン。服にちょっとスープの香りが残ってる。
「次はおしゃれな店にしようよ〜」 って、あなたが笑って言うと、
「うん…そうだね」って、大森さんは少し笑うけど、目はどこか真剣だった。
風が少しだけ強く吹いて、あなたの髪が揺れる。
それをそっと押さえてくれた手が、優しかった。
「…あのさ」
いつもより少し低い声。あなたは思わず足を止めた。
「ずっと、伝えようか迷ってて。
でも、君と過ごしてる時間がどんどん愛しくなってって、
“友達”って言葉に収められなくなってきた」
…鼓動が、一気に速くなる。
「君といると、安心して、自然体でいられて、
たまに拗ねたり、笑ったり、そういう全部が嬉しくなるんだよね。
これが“恋”じゃないなら、もう他に何て呼べばいいか分からない」
一瞬、世界が静かになった気がした。
「——君のことが、好きです。
もしよかったら、俺と…付き合ってくれませんか?」
言葉が、うまく出てこなかった。
だって、嬉しくて、夢みたいで。
やっと絞り出した一言は、
「……ずっと、同じこと思ってた」
「私も…好きです」
その夜、月はまんまるだった。
2人の影が、ひとつに重なって、
世界でいちばんあたたかい夜になった。
『君といる、何でもない日の記録』
晴れた休日。ライブの合間で、久しぶりの完全オフ。
「今日どこ行くー?」
そう言いながら、あなたはキッチンでホットケーキを焼いている。
リビングからは、ゆるくMrs. GREEN APPLEのインストが流れていて、どこか音楽室みたいな空気。
「んー、てか出かけなくていいなぁ」
大森さんはソファでゴロゴロしながら、うたた寝寸前。
「え、ダメ!せっかくのオフなんだから動こうよ!カフェとか…服とか…」
「いや、君の作るホットケーキが一番だし、隣に君がいればどこでも天国だし」
…またそういうことをさらっと言う。ずるい。
「もぉ…口うまくなった?」
「いや、口が勝手に言ってる」
ふたりで食べたホットケーキのあとは、ベランダでアイスを食べる。
「溶ける前に撮って!ほら、夏っぽくていい感じ!」
アイスを掲げたあなたのスマホに、大森さんがピースして入ってくる。
「アイスより、君のほうが夏に似合ってるけどね」
「ずるいっ!//////」
夕方、ちょっと散歩に出かけると、商店街の古着屋でふたりしておそろいの帽子をかぶって大笑い。
「これさ、MVの衣装にしてもいいんじゃない?」
「いやいや、バケモノ感すごいから笑」
「でも…君がかぶってると何でもよく見えるから怖いわ」
そんな何気ない一日。
でも、彼は夜、寝る前に言ってくれる。
「君と過ごした今日が、俺の中で一番“好き”な日だよ」
「明日になったらまた更新されちゃうけどね」って、にやっと笑って。
そして、あなたが先に寝ちゃったあと。
こっそりスマホにメモを残す彼。
【Song Title(仮):「君と夏」】
詞:大森元貴
今日という日が、ただのカレンダーの1日でも
君が笑っていたら、それは奇跡の記録
何もない日が、僕にとって一番尊い
だから、明日も君と
ーー君と、何でもない日を、何度でも。