テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

傷だらけの身体に大雨が打ち付ける。血がじんわり滲むのが分かる。アイツが承太郎にやられているのが、少しわかった。その合間に、また意識は遠のいていた。



『花京院……。1人にさせて悪かった。花京院…目を…………開けてくれ。』


花京院からの応答はない。


推測だが、奴の事だ。きっと、花京院は自分を犠牲にした。俺が来た頃には全身ズタボロで地面に投げ捨てられていた。奴が鈍器でもう一振した瞬間に星の白金を出した。その後の事はよく覚えていない。体が先に動いていた。

見た時、花京院が2人いたが、目を見た時。

どっちが本物かは一目瞭然だった。


傷だらけの花京院を胸に抱きしめ抱えた。暗い大雨の中、家へと足を向けた。





『おかえりなさい承太郎~?一体急にどうしー』


ずぶ濡れ血だらけの状態で玄関を跨いだ。


『きゃあッ!?典くん!?血が…!承太郎すぐ運んでちょうだい!!!!』


『頼むぜ………。』


花京院を部屋まで運び、アマが応急処置をしている。今は邪魔しちゃあいけねえな。

そういえば、ジジイに連絡しておくか…。


電話のコール音が2回なったところで、ジジイが出た。spw財団に報告との事だった。


『ねえ、承太郎…。応急処置はしたのだけれど、傷が…。一応財団の方を呼んでくれないかしら?』


『ああ。分かった。』



十何分かして、財団が到着した。流石と言ったところだろうか。久しぶりにみる財団員は少し懐かしさも感じる。


『おい。こいつは大丈夫なのか。』


『ええ…。身体の傷が深く、そしてかなり多いです。ですが、命に別状はありません。2、3週間もすれば治りますよ。殴られた跡や切り傷が多いので安静に。……えっと、あの。とりあえずその手、離してもらえます?』

思わず掴んだ財団員の胸ぐらを離した。

『……。』 

出したい怒りを懸命に抑えた。アマも心配そうな表情で見つめている。


『はあ…。高校生にして、お強いお方だ。

ああ、それと敵スタンド使いはもう連行されましたので、ご安心を。まだ他の仲間がいるかもしれないので用心してください。花京院さんは絶対安静でお願いします。ではそろそろ我々はこれで。』


『ああ…。………助かった。』


財団員がぞろぞろと家を出ていった。本当に奴が許せない。同時に自分にも腹が立って仕方がなかった。早くに花京院を信じていれば…。クソ…殴り足りねえぜ……。


『承太郎。典くんのこと…見ていてあげてくれる?親御さんには何とか連絡しておくから。』


『…言われなくてもそのつもりだぜ。』


『お願いね…。』全てを見透かすように、アマが優しく微笑んだ。



横たわる自分の体を起こした。

時計を見ると数時間が立っている。自分も寝てしまっていたのだろう。


花京院はまだ意識が戻っていないようだ。

自分の手で、花京院の額を優しく撫でた。


その瞬間、紫色の優しい瞳がゆっくりと開いた。


『じょ……た…ろう。』

承花小説 『偽りと僕と君と。』

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

266

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚