テラーノベル
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「~~♪」
「あれ、太智なんか機嫌よくない?」
「あ、勇斗おはよー。そんなに??」
「そんなに。お前朝弱いじゃん」
翌朝、俺は鼻歌を歌いながら事務所を訪れていた。昨日は仁人の歌を寝る直前まで聞いていたからかすっきりと起きることができて仁人の歌は安眠効果もあるんだな~今度子守歌でも歌ってもらおうかな、なんて馬鹿なことを考えていた。
「うーん、まあ確かに気分はいいね。今日もしっかり8時間睡眠!」
「なんだよ、ただよく寝ただけじゃねえか!」
「あ、ほら柔太朗と舜太もきたよ。準備始めないと!衣装は早いもの勝ち~」
「あっ、おい!早いもん勝ちんなワケねえだろ!!」
後で勇斗が何か言ってたけど俺は無視してその場を離れる。なんでかやっぱり仁人のことを言いたくなかったから。
「ねえ隼ちゃん、気づいてる?」
「…太智の事?」
「うん、最近の太ちゃんずっとイヤホンで何か聞いてるやん?俺たちが何聴いてるのーって聞いても誤魔化されるし。いつもならすぐに教えてくれるのに…」
「あそこまで隠されると余計気になるよねーって舜太と話してたんだよ」
「あ、柔太朗」
「それでね!隼ちゃんなら何か知ってるかなーって!それか太ちゃんの聞いてるもの暴く手伝いしてほしいなって!」
純真無垢なような笑顔で怖いことを言う末っ子にうすら寒さを覚えながら、俺も太智の最近の行動は気になっていたためそれに二つ返事で答える。
「まあ、俺も気になってたし手伝うのは良いけど太智が嫌がるようなことはしないって約束な。まずは直接話してみること」
「「はーい!」」
「じゃあこの後太智が合流したら早速聞いてみるか」
そうして太智がやってくる。その瞬間、舜太たちは太智の両脇を固め俺と太智が向き合うように座らせる。
「え!?なになに!?なんかあった!?」
「太智~最近俺たちに隠してることあるだろ~?今話してくれたら乱暴なことはしないからな」
「…え!?隠してることなんてなんもないって!!俺、なんでも話すやん!!」
「いけ!柔太朗!!」
「ほいさ」
「わっ、あっちょっ!じゅうたろ…!あっはははは!!!こちょこちょはやめて~~!!」
「さあ、まだ話す気にならないか~?それじゃあしょうがない、いけ舜太!!」
「あいさー!」
「わ”--!!話す!話すからやめて~~!!」
太智から言質が取れたところで柔太朗と舜太が離れ、太智は肩で息をしながらスマホを俺の目の前に置く。そこにはギターを抱えた男性が一人映っていた。
「俺が最近ずっと聞いてたのは仁…この子の歌」
「……わっ、すごっ…」
「これ路上ライブ?」
「うん。こんなにすごいのに俺が誰も足止めてくれなくて俺すっごいムカついちゃってさー!思わず話しかけちゃったんだよね」
楽しそうにその時の話をする太智。太智にこんな顔させるスマホの中の青年に興味がわいてきた俺はニコリと笑う。
「ねえ、今度のライブの時俺も一緒に行っていい?」
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