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良子ちゃん😳芋のお湯割り!!!佐藤家は酒豪!!!颯ちゃんは?負けちゃう?🤭 お料理が…読んでるだけで食べたいし飲みたい…🤤 美味しいお酒にお料理、たっぷり堪能してね〜♪どんどん半年間の距離も狭まっていくね☺️
すぐに、ビールと手作り鶏ハムサラダ仕立てが私と颯ちゃんのそれぞれに。
そしておでんは、大皿に盛り付けられてきた。
「主人が‘居酒屋みたいだ’と文句言ってました」
と、小料理屋さんらしからぬ大皿を見ながら笑う女将は、ごゆっくりと言って下がる。
「ひとつふたつ乗ってるおでんを出してるんだろうな、普通は。よし、リョウ…よく頑張ったな……おかえり、乾杯っ」
「ありがと……ただいま乾杯」
乾杯すると、すぐに和風ローストビーフとだし巻き玉子が来た。
ビールは一口だけ飲み、お箸を持った颯ちゃんは
「いただきます」
と、おでんの大根から食べ始める。
「リョウは昼飯どうしてんの?」
「おにぎり持って行ったり、今日は近くのベーカリーでパン買った。たまに事務所の人とランチに出る」
「一緒に食う人がいて良かった」
「事務所はみんないい人なの。颯ちゃんは三岡先生の事務所の中を知ってるんでしょ?」
彼は熱々のだし巻き玉子を口に入れ、こくこくと頷く。
「ちょうど倍の人数の事務所」
「デカいな」
私もだし巻き玉子を食べると、美味しい……
「リョウが食えてて良かった」
彼も詳しくは知らない。
でも、おばちゃんのおはぎを食べることが出来なかったことは知っているのだろう。
「最初は何度も…ダメだったの……」
「食えなかった?吐いた?」
「もーっ、食事中だから遠慮して吐いたって言わなかったのに」
「それぐらいで食えなくならないぞ、俺」
そのタイミングで天ぷらが運ばれてきた。
「ありがとうございます。どれもすごく美味しいです」
「あら、嬉しい。ありがとうございます」
「リョウ、ビール?日本酒?焼酎?」
「…芋で……熱いの」
「可愛らしいお嬢さんが芋焼酎とは、ますます可愛らしい。ふふっ…ここでご自分で割られますか?」
「それが一番いいな、リョウ。薄めのあっついのが好きだろ?」
「すぐにご用意致します」
女将がニコニコと下がると、次に芋焼酎とお湯を運んで来たのはご主人だった。
「失礼するよ」
ご主人はそう言いながら、私たちの顔を見ると
「何か祝いと聞いていたが、がっつり飯を食い、芋焼酎を注文する若者の顔を見に来てみたんだ…うん、可愛らしいお似合いの二人だ。いくつ?今さらだけど酒いいんだよね?」
いいんだよね、と言いつつ、焼酎とお湯のポットが置かれる。
「23なんで大丈夫です」
「うちの子より若いね。北川先生のところで働いてるの?」
ご主人は空いた皿を下げながら聞いてくる。
「はい、私はそうです。美味しいお料理ありがとうございます」
「そうそう、それも聞きたかったんだよ。若者の腹の具合はどうだ?あと、どんなものがいい?」
「俺、ご飯ものが欲しいです」
「煎り雲丹といくらの混ぜご飯にするか…それだけでも美味いし、酒の邪魔もしない。お嬢さんは?」
「ご飯は…もう食べられないです」
「蛸は好きかい?」
「好きっていうほど食べたことないです…酢の物かたこ焼きくらい?」
「そうか、じゃあ蛸の陶板焼き。つまみになるし、食べてみて」
ご主人は、メニューを見ないで料理をお任せしている私たちの様子を見に来てくれたようだった。
「リョウ、ん」
芋焼酎のお湯割りを私の前に置いてくれる颯ちゃんに思わず言う。
「わあっ、すごくいい匂いだね」
「出た……酒豪佐藤家の台詞」