僕はカリモト…探偵だ。
君はクイズは好きかい?
探偵なら、クイズが得意じゃなくてはならない。と思っている。
問題文から、答えを導く、それがクイズの醍醐味。
しかし、問題文が意味不明だったら……
今日は家で掃除している。
本棚の置き場所で困っている時、インターホンが鳴った。
僕は戸を開けると、そこには男が立っている。
その男は気さくに話しかけてきた。
「あんたがカリモト探偵か!」
「…君は誰だ? 依頼人か?」
依頼人と思ったが違うみたいだ。
「違う違う! オレ、『サザン ガク』あんたと同じ探偵さ!」
「……で、探偵が何しにきたんだ?」
彼の返答は…
「1つ聞きたい事があってな、オレに来た依頼なんだが…このクイズがよく分からなくてよぉ〜」
そんなに難しいクイズなのか…
「どんなクイズなんだ?」
こう言うと、男は丸めた紙を広げる。
そこには確かに問題文が書かれていた。
『青い世界で青い人が青い人を殺すと、どうなる?』
なるほど…本当に分からない。
青い世界とは? 青い人とは?
謎だらけすぎる……
「全く分からない…」
「そうだよな〜〜」
男は広げた紙をまとめる。
「じゃあオレ1人で解くしかないな〜」
そして事務所を去っていった。
次の日、僕は散歩していた。
「ふう……やっと1万歩…糖尿病だけには気をつけないと」
こう見えても健康意識はある。
目的の歩数を終えて事務所に帰ろうとしたその時。
「ん……?」
いつも通る一本道にあいつがいた。
「左山 岳……あんなところで何してるんだ?」
そいつは左右に揺れながら歩いている。
後ろ姿しか見えないが、あいつは昨日の男だ。
僕がヤツを観察していると、奇妙な行動を取り始める。
突然地面にかがみ込んだと思ったら、地面に何かを書いていた。
その姿に、僕は狂気を感じてしまう。
だけど、ヤツに近づくしか無い。
僕はあの男に話しかける。
「昨日のクイズは理解できたか?」
すると、男はこちらを向いて、叫ぶ。
「オマエには言わねえよ!!」
なんだ……昨日とは明らかに性格が変わっている。
やがてその狂気に耐えられなくなった僕は、事務所に帰ってしまった。
事務所に着くと、僕はパソコンであのクイズについて調べる。
だが…
「無い……」
インターネットで出るのなら探偵なんて要らないか……
1週間後、推理小説を買おうと僕は本屋へ向かった
僕は外に居たのだが、本屋の中から口論が聞こえてくる。
ホントは行きたくないのだが、ここしか買うところがないので行くしかない。
僕は戸を開けた、だがそこで衝撃の光景を見ることとなる。
「『青い』って知ってるか!?」
「知らないですって!」
2人の男が言い合っているようだが、その中の1人に見覚えがあった。
「もしかして……左山 岳か!」
左山はもう1人の男の胸ぐらを掴む。
もう見てられない、僕は喧嘩を止めて、左山を外に連れ出した。
どうやらまだ青いクイズについて追ってるらしい。
「正直に言わせてもらう…もうあのクイズを調べるのはやめろ…」
流石にこれ以上、左山をほったらかしにしていれば死人が出る。
すると、左山は頭を抱えだした。
「そんなの…………分かってる! だけど『青い』が頭の中でいっぱいなんだ!!」
どうやら、この男は何かに操られているみたいだ。
それは人とかじゃなく、現象に…
「君も探偵なんだろ?……他の依頼も待っている、そのクイズは後にしてくれないか?」
こう提案するも、男はまた性格を変化させる。
「黙れよッ!! この××野郎!!」(←とてもここには書けない言葉だった)
暴言の後、また彼の性格が変わる。
「ああ…まただよ…《青い》」
ん…? こいつ最後に『青い』と言った……操られていないときにも『青い』という言葉を使っている……
「なんでオレは《青い》んだ…《青い》のに…」
もしかして…無意識か?
こいつ無意識に『青い』という言葉を使っているのか…
だとしたら…あいつはこのまま何かに完全に操られてしまうことになってしまう。
そんなこと、このカリモトの前ではやらせない!
僕はポケットから虫眼鏡を取り出した。
彼を覗く。
記憶が見えた…
その記憶さえも青色だった。
僕は青色の記憶を手で振り払う。
よし…これでいいはず。
彼の『青い』の記憶を完全に消させてもらった。
『青い』の記憶を消した時、彼の性格は元通りとなる。
「あれ…オレ何してたんだっけ?」
元通りとなった左山は自分の事務所へと帰っていった。
どうだったかい?
彼は『青い』という言葉に操られた、とても可哀想な男だった。
なぜ操られたのか?
僕はゲシュタルト崩壊が起きたから操られたと僕は思っている。
ゲシュタルト崩壊とは、簡単に言うと、同じような文字を長時間見続けると起きる現象だ。
身近に起きる現象なので皆も気をつけよう……
《青い》…………あっ……
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