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この物語はフィクションです。
実在する人物、出来事、土地などは一切関係ありません。
一部性行為、血を連想させる表現があります。
苦手な方は閲覧をお控えください。
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女は教祖に聞いた。
「どうすれば幸せになれますか?」
教祖は微笑みながら女の手を引く。
そして、ゆっくりと扉を閉めた。
しばらくして1人の女の子が産まれた。 少女の誕生日は、信者らが信仰する神と同じ。 穢れを知らぬ、純粋な少女。
教祖は誰の目にも付かない場所に少女を隠した。
少女が外の世界に触れぬように。
少女が穢れぬように。
「この子は神の子である。」
教祖は信者たちにそう告げた。
少女の生活は、恵まれたものだ。 1日3回の整った食事。 毎日の入浴。 暖かな布団。 全て信者たちが世話をしてくれる。 少女からどんな扱いを受けようとも、信者たちは嫌な顔1つしない。
「ああ、私は特別な子なんだ。」
少女は、幼いながらにそう感じていた。
そんな少女に与えられている1つの仕事。 夜の8時から9時までの1時間、1人の信者の相手をする。 といってもそんなに難しいことではない。 ただ信者の話を聞くだけ。 最近不幸なことが起こりそう、だとか 私はいつ救われますか、だとか。 少女が適当に答えると、信者たちは満足気な表情を浮かべる。
そんな生活が何年も続いた。
少女が12歳になった頃、頭痛や腹痛が少女を襲った。 悪いことが起こる前兆かもしれない。 信者たちは慌てふためき、神に祈りを捧げた。
少女の様子を見るために、教祖が部屋へと入る。
教祖は目を疑った。
少女の純白のスカートは真っ赤に染まっている。 いや、スカートだけではない。 部屋のあちこちが赤く染まり、異臭を放っていた。 苦しみながら横たわる少女を見て、教祖はようやく理解した。
「この子は神の子なんかじゃなかった。」
神の子じゃない。
穢れた人間。
人間を騙した悪魔。
信者たちは今までの不幸を少女のせいにし、罵声を浴びせ続けた。 まだ幼い少女に到底耐えられるものではない。
少女は教祖に聞いた。
「私の罪は、どう償えばいいのですか?」
教祖は微笑みながら少女の手を引く。
そして、ゆっくりと扉を閉めた。