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ーああ…愛しい我が君
「もうお姉さまなんて知らないっ!」
「ちょっと!フランっ!待ちなさい!」
ー気高く麗しい悪の華
「もうお姉ちゃんったら!もう知らないからねっ!」
「ま、待って穣子っ!」
ー貴女こそが世界で一番美しい
「うぅ…お姉さまと喧嘩しちゃった…」
ー鏡よ鏡、教えておくれ
「穣子を怒らせちゃったわ…私はどうすれば…」
ーこの世で一番…
ー汝の心の望むまま、鏡に映る者の手を取るがよい
ー明月をも灰にする焔炎
ー刹那をも封じ込める凍氷
ー蒼穹をも飲み込む大樹
ー闇の力を恐れるな
ーさあ-力を示すがよい
ガタン
…この音は…?
私、妖怪の山にいたはずじゃ…
「やべぇ、そろそろ人が来ちまうゾ」
とりあえず退かさなきゃ…
早く穣子と仲直りを…
「うーん!!!この蓋、重たいんだゾ」
「…こうなったら、奥の手だ!ふなぁぁー!!」
ブォンと音がする
「?!」
何かしらこれ…炎…?
とりあえず避けなきゃっ!
「あっははは!貴方、とても面白い能力を持っているのね!」
もう1人幼い女の子の声がする
「うるせぇんだゾ!」
「…!貴方って…!」
「あら?私の事をご存知かしら?」
確か…紅魔館の主の妹さんかしら?
「フランドール・スカーレットよ!」
「私は秋静葉。紅葉を司る神様よ。…聞いた事あるかしら?」
「うーん…全然!」
「こら!オレ様を無視して勝手に話をするな!」
あら…この子、迷い狸かしら…?
「少しはこの状況を驚くんだゾ!」
「ふふっ。面白い冗談を言うのね。私は神様だから炎ぐらい通用しな…」
「あははっ!静葉服燃えてる〜!」
ふ、服の事を忘れていたわ…
紅葉で出来た服だから炎に弱いものね…
「そういうフランドールさんも燃えていますよ」
「…へっ?」
「なっははは!オレ様の話を無視するからなんだゾ!」
「そういえば、貴方のお名前は?」
「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれたな!」
「オレ様はグリム様なんだぞ!」
「あら、グリムという名前なのね」
「ふわふわもっこもこ〜!」
「お前!俺を好き勝手触るんじゃねぇ!」
「とりあえず!私達は逃げさせてもらうね!」
「ぬな?!」
「このままじゃ能力も使えないでしょうし…また出会えることを楽しみにしてるわね〜」
「逃げるんじゃねぇ!待つんだゾ〜!」
「それにしても…どこなのかしら…」
「あの狸、壊しがいありそうだったのにな〜」
あの狸は秋が好きなのかしら…
「とりあえず、今の状況を整理しましょうか」
「まず、フランドールさん…フランさんは気づいたらここにいたんですか?」
「…ううん、お姉さまと喧嘩しちゃって…
「お姉さま…?」
紅魔館の主かしら…
「あいにく、私も同じだわ。実の妹と喧嘩をしてしまって…」
私が勝手に穣子の焼き芋を食べてしまったから…
「そうなのね…!なんだか貴方面白そうだし、仲良くしましょ!」
「えぇ、勿論!それじゃあフランさん、秋はお好き?」
「可もなく不可もなく!」
「待つんだゾ〜!」
フランさんとお話をしていたら迷い狸が来てしまったわ…
とりあえず逃げましょう
それにしても…何で能力が使えないのかしら…
「ここまで来れば大丈夫かしら…」
「そういえば静葉の服って可愛いわよね!」
「ふふっ。この服は全部紅葉で出来ているの…私が全て手作業でね」
「そんな所に労力を費やしているんだね〜」
「…気づいたらここに来たのだけれど…ここって…」
図書館の様なものかしら…?
「あ!パチェの大図書館に似てる!」
「パチェ…?大魔法使いパチュリー・ノーレッジさんのことかしら?」
「うん!…紅霧異変の後お姉さまに良くここでオススメの本とかを教えてもらってたんだ…」
フランさんはそう言うと少し顔を曇らせた
そうよね…私と同じく姉妹と喧嘩したままここに来てしまったものね…
唯一一緒にいる私が寄り添ってあげないと神様失格だわ…!
「夢なら早く醒めてほしいのに〜!これじゃあお姉さまと仲直りが出来ないじゃない!」
「私もよ…穣子に早く謝らないといけないのに…」
「オレ様の鼻から逃げられると思ったか!ニンゲンめ!」
「私吸血鬼なのに〜」
「私は神様よ?」
「細かい事はいいんだゾ!」
結構重要な事だと思うのだけれど…
「さぁ、丸焼きにされたくなかったらその服をーふぎゃっ?!」
「な、何?!」
「何かしらこれ…紐…?」
迷い狸に紐が強く当たった音がした
「紐ではありません、愛の鞭です!」
暗闇から現れたのはカラスの面をしている変な男性だった
次から次へと人(?)が増えていくわね…
「貴方だ〜れ?」
「この学園の学園長です!まったくもう…」
「やっと見つけました。君達、今年の新入生ですね?」
「シンニュウセイ…?今年の…?」
うーん…訳が分からないわね…
「ダメじゃありませんか。勝手に扉から出るなんて」
「扉…?あの棺桶の事かしら?」
「そうですよ。それに、まだ手懐けられていない使い魔の同伴は校則違反ですよ」
「使い魔?違うわよ、この迷い狸は…!」
「離せ〜!オレ様はこんなヤツらの使い魔じゃねぇんだゾ!」
「そうだよ!この狸の言う通り!」
「オレ様は狸じゃねぇんだゾ!」
「はぁ…どれだけせっかちさんなんですか…」
「さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ、鏡の間へ行きましょう」
うーん…実力行使をしようにも能力が使えないから何も出来ないわね…
大人しくついて行くしか無いのかしら…
「…まぁ知らない事は歩きながら説明しますので…私、優しいので」
「…静葉、コイツぶっ壊していい?」
「あら、奇遇ですね」
「こほん。ここは『ナイトレイブンガレッジ』世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる」
「魔法士って…魔法使いの事?」
「魔法使い…よくおとぎ話で出てきますね。ですがそれとは少し違います」
「そして、ナイトレイブンガレッジはツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です」
「そして私は、理事長よりこの学園を預かる校長。ディア・クロウリーです」
それからもクロウリーさんが教えてくれたものはとても興味深かった
このナイトレイブンガレッジに入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められる事
そして、選ばれし者は『扉』を使って世界中かはこの学園へと呼び寄せられること
中にも興味深かったのは…
やっぱり、黒い馬車よねぇ…
私は心当たりがないのだけれど…
「…さ、入学式に行きますよ」