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第二の人生は美人さんでした白朮先生から外出許可を貰ったのでウッキウキで家に帰っています。
「真縁、体の方は大丈夫か?」
「え、へ?!大丈夫です!」
「着いたぞ」
え、もう?結構綺麗!
ガチャリと扉を開けて中へ入る。
リビングらしき場所に来て、先生がクルリと振り返る。
「どうしたんですか?」
「……すまない。真縁」
「え?」
「亡き妻と重ねているつもりはなかったのだが、お前をここまで追い詰めてしまった俺に も責任がある。」
すまなかった、と頭を下げる先生。
え、へ?どういう状況?!
「そ、そんな頭をあげてください!せ、父様!それに!そんなに、怒ってないです!」
「いや、ずっとお前に辛い思いをさせて まった。これは俺が背負うべき物だ。」
「この…」
私は痺れを切らして、先生の頭をガッと掴んであげさせた。
「ッ…?、?!」
先生はこの状況を飲み込めていないようだ。
「よ〜〜〜く聞いてくださいね。私は!別に貴方に頭を下げてもらいたいわけではないです!」
「し、しかしっ」
「はい!お話終わり!!」
あぁ、先生のご尊顔叩いちゃった…
ごめんよ、先生…
「…分かった。お前がそう思っているのならお前の意見に従おう。」
「せ、父様…」
これで仲直り!よし!!
「今日は何か食べに行こうか。」
「えぇ、いいですね!」
モラは持っていくのだろうか。
「!」
そう言えば、此方に来てから鏡を見ていなかったな。
「えーと…」
家の中をぺたぺたと歩いて、洗面所らしき所に到着する。そして、鏡を見る。
なんだこの超絶美少女は!!
ぱっちりとした目、長い黒髪ロング、一見可愛い系かと思われて、先生譲りであろう何処かキリッとした顔立ち!!
前の私とは似ても似つかない、可愛らしい顔を前に私は数秒その御尊顔を眺めていると、突然ザザザッと前の様なノイズが流れた。
――――――――――――――――――――
「父様……」
前に見た少女の声がする。
また、私は三人称視点だ。
「私、苦手なんです。父様と母様の事。」
……?
父様?誰のことだ。
「真縁!!」
先生の声がする。今、私《真縁》 名前を呼んだ?
ザザザッとまたもやノイズが走る。
―――――――――――――――――――
気がつくと、洗面所に私は立っていた。
鏡に映る自分。よく考えてみると、今さっきの少女は、鏡に映っている子にそっくりだ。
「じゃあ…あの記憶は…」
その瞬間、脳内に記憶が流れ込んでくる。
「ぐっ…あ゛ッ」
頭が痛い。私じゃない、誰かの記憶が入ってくる。
「ぎっ……はぁッぐっ」
ばちりと言う音が聞こえて、私の視界は再び暗転した。
――――――――――――――――――
「ん、ん?」
暗闇で目が覚めた。
「起きましたか?」
「え、誰」
「誰、私が誰かと言うことですか?」
「いや、待って、私が当てる」
「ふふ…」
「うーーーーーーーーん」
「…」
「あ、分かった」
「どうぞ」
「この体の持ち主!」
「ぶぶー」
「えぇ?!それ以外わかんないよ!え、もしかして先生?だとしても女の人だもんね.」
「いえ、私は鍾離さんではありませんよ。」
私は、と目の前の女性は口を開く。
「真縁の母です。」
「え、えぇぇええ!!」
「びっくりしますよね」
「あたりまえです!」
どうりでそっくりなわけだ。
ん?と言うことは
「え、勝手に娘さんの体使ってますけど大丈夫ですか?」
「多分?」
「多分て…」
「それに、真縁の魂はここにいませんから」
トン、と私の胸に指を置く。
「……どういうことですか」
「もともと、真縁の魂はあの日でもう尽きてた筈だったの」
「……」
「けれども、そこに何かの拍子に貴方の消えかけの魂と、同じく消えかけてる真縁の魂が混ざって、抜け殻になる筈だった体に入ったのよ」
「あの日って?」
「あら、貴方も見たでしょう?あの雨の日、崖崩れに巻き込まれる真縁を」
「うん…うーん…あぁ、あれか」
「それで、混ざり合った魂が体に入って、一命を取り留めたのよ」
「それで?傷の治りが早いのは何故ですか?」
「それは私も知らない」
「知らんのかーい」
「だって知らないんだもの」
「そうですか…」
「まさか、あの子が私と鍾離さんの事苦手だと思っていたとはびっくりしたわ。」
「何故?」
「昔は、『父様好きー!』とか『母様?父様が選んだ人だから、きっと綺麗な人だよ!』って言ってくれてたのに…」
「それは昔の話でしょう。」
「うぅ…」
「あの、記憶がたまにふっと脳裏に浮かんでくるのはもしかして、真縁と魂が混ざってか
ら記憶も混濁したから?」
「えぇ、恐らく」
「やったね」
「ふぅ…そろそろ戻った方がいいかも」
「え?」
「彼が、死ぬほど焦ってるからね」
「彼って?」
「戻ってから分かるわ」
じゃあね、とウィンクする彼女を最後に再び視界は閉ざされた。
――――――――――――――――
「し……ろ……」
「お…………し」
「お……き…し…え」
「おき……しん」
「起きろ!真縁!」
「う…あれ?先生?」
「あぁ、よかった…やっと起きた」
「あれ、私何を」
「突然気を失ったから驚いたぞ。タルタリヤ殿が見つけてくれたからよかった。」
「え?」
「やぁ!お邪魔してるよ」
「あぁ、あの時の…」
「遊びに来た時に倒れてたからびっくりしたよ」
「恩にきる公子殿」
「このくらい朝飯前さ」
もう昼頃じゃね?
てか、なんで遊びに来たの?モラか?モラが欲しいのか
「ところでさ先生」
「?」
なにか先生と財布が耳打ちで話している。
なんだ。とても絵になるじゃないか!(怒)
「……承知した」
「流石先生♪」
何の話なんだほんとに
あれ、少し先生の耳が赤いような…気のせいか
「何の話をしていたんですか?」
「あぁ、いや、少しな」
「君は気にしなくてもいいからね」
「そうだ、真縁」
「はい」
「夜に少し予定が入ってな。不朴盧まで送れそうにないんだ。途中までなら行けるのだが」
「いえ、構いませんよ。」
「そうか。すまない公子殿、少し送ってくる」
「あぁ」
――――――――――――――――
あの後、先生と別れて不扑盧に帰っている時ふと、ポケットに違和感を感じて探ってみると、岩の神の目が入っていた。
「?!???!」
バッと反射的にポケットへ隠し、そそくさと不扑盧へ帰り、病室へ戻った。
(え、なんで神の目が?そこまで強い願い考えてないよね?なぜ?)
「……寝るか」
ダラダラと考えるよりそっちの方がいいや!!!!おやすみ!!!
――――――――――――――――――
ーー…………。
――――――――――――――――――
「ん…ふぁ」
目覚めが何故かすっきりしている。
何故だ。取り敢えず準備を済まそう。
そそくさといつもより長い髪を慣れない手つきで束ねる。この髪なら三つ編みとか似合いそうだな。綺麗だし。
コンコン
「失礼します。包帯を変えに来ました!」
「今日もお願いします」
もう、そんな時間か
「はい!……あれ?」
「どうしました?」
「傷が昨日より塞がってますね。しかも大分」
「え?」
「先生に確認してきますね」
しばらくすると白朮先生がやって来た。
「これは…もうほぼ治りかけてますね」
「えぇ…?」
「原因はわかりませんが、この調子なら家に帰って安静にしておけば治りますよ」
「じゃあ」
「えぇ、家に帰っても構いませんよ。ですが、傷が開かない程度にしてください。」
「いってきまーーーーす」
「あぁ…言ったそばから…」
やったやったやったー!
家(?)に帰れるぜ!前は自分の部屋らしき所行けなかったから、色々探索してやろっと!
ウキウキしながらドアノブに手をかける。
「ん?」
なにやら奥で音が聞こえる。
選択肢
▶︎行く
▷行かない
――――――――――――――――――――
お疲れ様でーす!!
はい、ここに来て、急展開ですね。許してね
次、少しBL入るかも注意だよ。
真縁(仮)
・混ざってた子。この度傷が塞がりかけてる。
???(母)
・真鍾の母。本名は⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎。結構明るい
鍾離
・娘に謝った。よかったね!
タルタル
・倒れてる真縁見て起こした人。