今回はあおかぶです
それではどうぞ
「い”‘った…!」
腰をあげようとしたが痛みが走り、できなかった
(く”‘っ……立てねぇ…)
なんとか立とうとしたが結局無理だった
「はぁ…どうすれば…」
そう思っていたら誰かが来る気配がした
俺は一瞬焦ったがそれは杞憂だった
「大丈夫か!?」
「兄貴…」
気配の方を見ると青山の兄貴が走ってこっちに来ていた
「どうした?立てないのか?」
「はい…」
そう言うと兄貴は俺の足を見た
俺は申し訳ない気持ちでいっぱいだった
「少し赤くなってるな。闇医者に行こう」
「すみません…ヘマをしてしまって」
「謝ることじゃないぞ。だから、そんな顔するな」
こう言ってくれて感謝しかなかった
「でも、どうしましょうか…立てないですし…」
「う〜ん、そうだなぁ…」
兄貴は少し考え、思いついたような顔をした
「俺がちゃんかぶ運べばいいんだ」
「そ、それは兄貴に負担が…」
「俺は全然大丈夫だぞ。それにそれ以外ないだろ」
「そうですけど…」
「失礼じゃありませんか…?」
「俺はなんも思わねぇよ。お前の足が心配だしな」
「じゃ、じゃあ…お願いします」
俺がそう言うと優しい顔をして頭を撫でてくれた
「それでいいぞ」
そして兄貴は俺に背を向けておぶる姿勢を見せた
「失礼します…」
俺はそう言いながら近づいた
俺をおぶると兄貴は腰をあげた
「よし、それじゃあ行くか」
兄貴はそう言い、歩きだした
すれ違う人達が見てきて正直恥ずかしかった
俺は恥ずかしくて兄貴の背に顔をうめてしまった
「どうした?」
「すいません…恥ずかしくて…」
「そうか。そのままでもいいぞ」
「ありがとうございます」
兄貴の背中は落ち着いて恥ずかしさも和らぐ
「青山の兄貴の背中は心地よくて安心できます」
「ちゃんかぶにそんなこと言われたら嬉しいなぁ」
「俺もそう言ってもらえて嬉しいです」
顔を見たら兄貴は優しい笑みだった
本当にこの人は優しい顔しかないなと俺は思った
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