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※影山・月島・日向が合宿の所からです

(ついに40話。この流れだと200話くらいでやっと完結ぐらいになりそうだと震えてます。)


夢主side

日向、影山、月島くんがそれぞれ合宿でいない2日目。私自身元々行くつもりは無かったのだが、黄金くんに負けて今日も日向のお迎えに白鳥沢高校へお邪魔していた。

まだ緊張が抜けないまま体育館を覗く。

「!  にしかわー!!✨」 『日向ー!』

どうやら丁度片付けが終わった所みたい。

バチッと目が合う度に目を輝かせ駆けてくる日向が可愛くて口元が緩む。

「ほんとに来てくれた!!”お迎え”!!!」

『えへへ、月島くんは元気そう?』

「嫌なくらい元気!いつも通りウザイ!!」

手でメガネを作り嫌そうな顔をする日向。

ほぼ悪口だなぁと微笑んでいると、奥にいた五色さんとバチッと目が合った。

(!  ぱっつんの面白い人だ!)

恐る恐る手を振ると、真っ赤になって固まる五色さん。相変わらず不思議な人だ。

昨日のようにみんなとも話したいが、これは選抜合宿。模擬ユース。片付けも邪魔をしないよう黙って日向と校門へ向かう。

『日向選手どうですか合宿は!』

「ぼ、ボール拾いずっとやってる・・・」

『それでもまだ良いほう!』

『まったく・・・もうしちゃダメだからね!』

「すみません・・・もうしません・・・」

顔をしおしおにする日向。笑い声を口に出そうと開いた瞬間携帯が通知を鳴らした。

『ん?』  「ドウゾ!」 『どうも!』

開いてみるとまさかの五色さんからメール。【さっき、目、あった。】とだけ。

短い文を読み終わって、ふと振り返る。

そこには携帯を持った五色さんが立っていて、小さく、ほんの一瞬手を振ってくれた。

『ふふ、面白い人だなぁ』

思わず笑みが溢れて、小さく手を振り返す。

〖今も合いましたね!また明日!〗

前を向き返して日向と歩きながらそう返信すると、【また明日】と文が返ってきた。

不思議な人だけど、分かってきた気がする。

『ふへへ』 「西川サン上機嫌だ!」

明日はどういう反応をしてくれるかな、と楽しみで気の抜けた笑みがこぼれた。


五色side

──俺、好きな子が出来たかもしれない。

それは選抜合宿の初日。夕暮れ時水場から体育館に戻ってる途中、体育館前に違う高校の小柄な女の子が立っていた。

「・・・どなたですか?」

最初は無視しようと思ったけど、なんとなく気になって話しかけた。同世代っぽい人と話す癖で、顔を顰めてしまったけどあの子は全然引く様子もこっちに顔を向ける。

多分、その時だったと思う。

その子の顔を見た瞬間、頭が固まった。目がクリクリしてて大きくて、整った鼻と口・・・単にすごく可愛くてびっくりしたのもあるけど、それだけじゃなかった。

心臓がうるさくて痛い。声が上手く出ない。

その子が要件を言って数秒後、内容が頭に入ってきて無愛想な返事をしてしまった。

初めてなのに。さっき会ったのに。

その時も今もおかしいと思うけど、普通なら無視したりするのにどうしてもその子の役に立ちたくてアイツを呼んだ。

「おいお前!ちっこいやつ・・・日向翔陽!」

後ろからあの子の視線を感じて、小っ恥ずかしくて体育館の中に逃げる。それでもまだ心臓はバクバクうるさいし、顔が熱い。

おかしい。変な感じする。なんだこれ。

─その後、男たちに囲まれてるあの子を見て意味わからないけど嫌だった。

嫌だったというか、苦しくて悔しかった。

前に天童さんが言っていた気になる子ができた時どうするか。本当に活用するとは思ってなかったけど、勇気を振り絞った。

「お・・・、おいお前・・・っ、!」

『はい!烏野1年西川ゆりと申します!』

「・・・俺は、白鳥沢1年、五色・・・工・・・」

名前、教えてくれた。”西川ゆり”。西川。

自分の顔がどんどん熱くなってきて、見られないよう顔を逸らし携帯を出した。

「・・・・れ、連絡、先、交換して、ホシインダケド、」

『連絡先・・・、あ、ああ!いいですよ!』

混乱したように聞き返してから携帯を出すその子。交換してくれる、優しい。

交換が完了してその子は俺を見上げて笑う。

『・・・はい!気軽に送ってください!』

「ん・・・、ありがと、・・・じゃあ、」

俺は顔を腕で隠しつつその子の事を考える。

クソ、可愛い。・・・え?今、俺可愛いって言った?─俺にその子が何か返事した気がしたけど、自分の心臓の音にかき消された。

✳✳✳

あの子・・・に、西川。西川がチビのやつと帰った後俺は天童さんと瀬見さんに相談した。

「五色おま、それって・・・」

「ついに工にも春が来たんだネ〜^^」

二人に聞いた結果、俺は西川に一目惚れしたらしい。ヒトメボレって、一目惚れだよな?俺が?─頭が追いつかない。

でも真っ白な頭の中とは反対に、俺の顔は次第に熱くなって。きっと真っ赤だと思う。

「アラララ、工真っ赤だヨ?」

「お前好きな子とか出来るんだなー・・・」

“好きな子”。好きな──

俺は西川と話した時みたいに声が出なくなって、ただ赤い顔を誤魔化すために俯くことしか出来なくなる。それを見た瀬見さんが間を置いて俺の頭を雑に一回撫でた。

「まあ、頑張れよ。俺は行けると思う。」

「お前顔良いし、身長あるしな。」

行ける・・・振り向いてもらえるということだろうか。どうしよう。行ける、のかな、

瀬見さんの言葉のせいでもっと顔は熱くなったけれど、少し勇気を貰った。西川と仲良くなりたい、出来れば・・・振り向いて欲しい。

✳✳✳

1年生選抜合宿2日目。今日は西川、来るのかな。来てくれたら話したいな。そんな事ばかり考えて今日はあまり集中できなかった。

そして数時間後、昨日より少し遅れて西川が扉から顔を覗かせる。

(! 西川・・・!来てくれた、見れた、!)

(話しかけ、たいけど・・・また声出なくなる、)

ああダメだ。昨日のうちに話しかけるプランは考え込んだのに、あの子を前にすると頭が真っ白になって心臓がうるさい。

─またあのチビのやつと話してる、

“仲良いのかな。もしかして好きとか。”そんな嫌な事を考えながら西川を眺めていると、顔を上げた西川と目が合ってしまった。

「!!」

やばい。静かにしろ俺の心臓。苦しい。

目が合っただけでもこんなになってしまうなんて、恋ってこんななのか。別に初恋じゃないのに。どうしよう。顔動かせない。

おまけに笑顔で手を振られて、もう限界。強く汗が吹き出て固まってしまった。

─手、振り替えせなかった、

そんな俺を見てまた少し微笑んでからまたチビと帰っていく西川。もう、分かった。先輩たちの言う通り俺は一目惚れしたんだ。

可愛い。好き。笑って欲しい。俺の隣で。

そう自覚した瞬間頭が一気に西川でいっぱいになって、勢いのまま携帯を開いた。

【さっき、目、あった。】

意味もわからないし気持ち悪いかもしれないけど、今の気持ちを抑えるのはこれが限界。

やり残した事をやる為外に飛び出た。

タイミング良く振り返る西川に向かって、ほんの一瞬、手を振った。ダサいかな。

俺の不安とは裏腹に振り返してくれる西川。

(可愛い、どうしよう、好きだ、)

地面が揺れてるように感じるほど心臓が激しくなっていると、手に持っていた携帯が通知を鳴らした。西川からの初メールだ、!

〖今も合いましたね!また明日!〗

メールだけでもあの可愛い声と笑顔が見えるようで、熱いおでこを手でグッと抑えながら【また明日】と打ち込んだ。

─明日。また、明日も会える。やった。

” 明日は絶対に話しかける”そう覚悟を決めて閉じた携帯に力を入れた。


続く.

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