「うつせんぱぁい、一緒に行きましょうよ〜」
「鬱先輩は私と行くのよ。」
「困ったなぁ、」
女子生徒達に絡まれているのは、鬱先輩と呼ばれるヘラゞと笑う男。
彼の元に近付く目付きの悪い一人の女子生徒が居た
「大ちゃん、はよ帰ろ」
「…今日のご飯は?」
「ふっ、昨日から仕込んでたカレー。」
「今直ぐ帰らせて頂きます」
カレーと聞けば涎を垂らすのではないかという勢いでそう言う鬱。
尻尾と耳が着いている様に見える程目をキラゞと輝かせていた
「誰、あの子。」
「鬱先輩の幼馴染っていう転校生」
「一寸馴れゞしくない」
「しょうが無いでしょ。」
勝ち目が一個も無いんだし、そう一人が言えば皆頷く。
格好良いと評判で生徒会の
ウツシマ ダイ
′鬱島 大′ 。
その隣を歩くのは鬱の幼馴染と名乗る
ミヤノ シズキ
′宮野 翠月′ と云う風紀委員だった
「大ちゃんは気にしなくて良いからね。」
「どしたん、翠月」
翠月の蚊の鳴く様な声は鬱の耳には届かなかったのだろう。
きょとん、とした表情で翠月の顔を覗き込む鬱
「……何でも無いよ、大ちゃん。」
先程鬱に声を掛けた時よりも柔らかい、へにゃりとした笑みを鬱に向けた
コメント
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表現の仕方が好き…🤦♀️ 天才すぎる((