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休み時間。
さっきまでのざわざわが少し落ち着いて、教室にはゆるい空気が流れている。
「はぁ……」
💙は机に突っ伏して、ぐったりしていた。
「なんか今日めっちゃ疲れるんやけど……」
2時間目が終わったばかりなのに、すでに限界みたいな顔。
ノートも開いたまま、シャーペンも転がっている。
「ちゃんとやってた?」
上から、やわらかい声が落ちてきた。
「……ん?」
顔だけ少し上げると、💛が立っていた。
「やってたけど……むずかった」
「でしょ」
💛は軽く笑いながら、💙の机に手をつく。
自然と距離が近くなる。
「見せて」
「え、なにを?」
「ノート」
「えぇ……やだ、汚いし」
「いいから」
さらっと言いながら、勝手にノートを覗き込む。
「あー……ここ、違う」
「うそやん」
「ほんと」
💛はシャーペンを取って、すらすらと書き直していく。
「こうでしょ」
「……あ、ほんまや」
「ほら」
ノートを軽く押し戻される。
そのまま、ぽんっと頭に手が乗る。
「ちゃんとやっててえらい」
「え、なに急に……」
「疲れてるんでしょ」
優しく撫でられる。
その手つきは、落ち着くのに、どこか逃げられない感じもある。
「……まあ、ちょっとは」
「ちょっとじゃないでしょ」
くすっと笑う。
「顔に出てる」
「出てへんし……」
「出てる」
即答。
「だからこうやって甘やかしてるの」
「……それ、自分で言う?」
「言うよ」
当たり前みたいに返されて、言葉に詰まる。
💙は少しだけ目をそらす。
でも、そのまま手首を軽くつかまれた。
「どこ見てるの」
「え、いや別に……」
「こっち」
ぐっと引かれて、視線を戻される。
「ちゃんと見て」
「……なんでよ」
「逃げるから」
「逃げてへんって」
「じゃあそのままで」
距離が少しだけ近づく。
他の人から見れば普通の距離かもしれない。
でも、💙にとっては十分近い。
「ねえ」
💛の声が少しだけ低くなる。
「さっき、はやとと話してたよね」
「……え?」
思わず目を見開く。
「なんで知ってんの」
「見てたから」
さらっと言われる。
「ずっとじゃないけど」
少しだけ目を細める。
「結構近かったよね」
「いや、あれは向こうが……」
「ふーん」
軽く流される。
でも、その「ふーん」がなんか怖い。
「別にいいけど」
そう言いながら、手首を離さない。
「俺もやるし」
「え?」
次の瞬間。
ぐっと距離を詰められる。
「ちょ、ちか……!」
「同じでしょ?」
余裕のある顔。
でも、さっきより少しだけ圧が強い。
「こういうの」
💙の前髪に触れる。
「他のやつにもされてるの?」
「されてへんって!」
思わず強めに言う。
すると、💛は少しだけ満足そうに笑った。
「そっか」
「なんなんさっきから……」
「確認」
「確認って……」
「大事でしょ」
そのまま、今度は頬に軽く触れる。
「俺だけかどうか」
「……っ」
心臓がまたうるさくなる。
「顔赤いよ」
「うるさい……」
「ほんと分かりやすい」
楽しそうに言われて、余計に悔しい。
「でもさ」
少しだけ声のトーンが落ちる。
「他のやつにも同じ顔してたら、やだな」
「……」
言葉に詰まる。
「しないでしょ?」
優しい言い方なのに、逃げ道がない。
「……せぇへんよ」
小さく答える。
すると、💛は満足そうに笑った。
「いい子」
また頭を撫でられる。
さっきより少しだけ強く。
「ちゃんと分かってるじゃん」
「……なんか納得いかん」
「いいの」
さらっと流される。
「そのままでいて」
「え?」
「俺が見るから」
一瞬、意味が分からなくて固まる。
その間に、💛は距離を戻す。
「ほら、もうすぐチャイム」
何事もなかったみたいに言う。
でも。
「ちゃんとこっち来てね、また」
軽く笑って付け足される。
「……なんでやねん」
小さくつぶやくと、
「来るでしょ?」
すぐに返される。
💙は少しだけ悩んでから。
「……まあ、行くけど」
そう答えた。
その瞬間。
💛は、すごく満足そうに笑った。
(ほんまにっ、なんなん……)
そう思いながらも。
嫌じゃない自分がいることに、💙はまだ気づいていなかった。
.⋆𝜗𝜚☆
は - と
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