テラーノベル
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スタートーーーー!
巨大な観測ドームに、赤いレーザーサイトが走る。
赤井秀一の狙撃銃は、ジンの胸元を正確に捉えていた。
静寂。
誰も動かない。
その沈黙を破ったのは、ジンだった。
「……また、お前か。」
赤井は静かに答える。
「その証拠は渡さない。」
ウォッカが銃を構えようとするが、
パンッ!
赤井の二発目の銃弾が床をかすめる。
「動くな。」
低い声が、観測室に響いた。
⸻
公安突入
その瞬間。
外からタイヤの音が響く。
キキィーーッ!
「公安だ!」
風見裕也を先頭に、公安の捜査員たちが観測所へ突入した。
「建物を包囲しろ!」
無線が飛び交う。
安室は小さく息をついた。
「ようやく来たか。」
ジンは周囲を見回す。
逃げ道は少ない。
しかし、その口元には冷たい笑みが浮かんでいた。
「予定どおりだ。」
⸻
起動
ウォッカがリモコンを取り出す。
「兄貴。」
ジンは短く命じた。
「押せ。」
ピッ。
一秒後。
観測所全体に警報が鳴り響く。
ウーーーッ! ウーーーッ!
赤い非常灯が点滅する。
博士が驚く。
「何じゃ!?」
安室が天井を見上げる。
「自爆装置……!」
「そんな!」
美月は息をのむ。
ジンは静かに帽子をかぶり直した。
「証拠ごと消す。」
⸻
DVD
その混乱の中。
コナンは耐火ケースからDVDを取り出した。
「博士!」
「これを!」
博士は携帯型プレーヤーへ入れる。
画面が映る。
ノイズ。
そして、一人の男性が現れた。
白衣姿。
少し疲れた表情。
倉橋俊介だった。
「もし、この映像を見ている人がいるなら……。」
部屋が静まり返る。
「私はもう、生きてはいないだろう。」
美月は思わず画面へ近づく。
⸻
倉橋の真実
倉橋は静かに語り始める。
「私は十五年前、この観測所で偶然、ある取引を撮影してしまった。」
画面が切り替わる。
夜。
観測所の駐車場。
黒い高級車。
銀色の髪の男。
ジンの姿がはっきり映っている。
さらに、複数の人物がケースを受け渡していた。
「彼らは違法な取引だけでなく、その場にいた証人も消そうとしていた。」
コナンは画面を見つめる。
(これが決定的証拠……。)
倉橋は続ける。
「だが、それ以上に重要なのは――。」
映像がまた切り替わる。
そこには、一冊の研究ノート。
表紙には、
『人工衛星観測システム計画』
と書かれている。
「この計画を悪用すれば、世界中の衛星観測データを犯罪に利用できる。」
「私は、それだけは止めたかった。」
⸻
崩壊
突然。
ドゴォォン!!
大きな爆発。
天井の一部が崩れ落ちる。
「危ない!」
蘭が美月の腕を引き寄せる。
「こっち!」
コンクリート片が床へ落ちる。
望遠鏡が激しく揺れる。
警報音はさらに大きくなる。
「あと五分で施設が崩壊します。」
機械音声が響く。
⸻
ベルモット
混乱の中。
崩れた柱の下敷きになりそうになった美月。
その瞬間。
ベルモットが飛び込んだ。
「伏せて!」
ドンッ!
柱が落ちる。
ベルモットは美月を突き飛ばし、自分が瓦礫を受け止める形になる。
「ベルモットさん!」
美月が叫ぶ。
ベルモットは少し苦しそうに笑う。
「大丈夫よ……。」
ジンは振り返る。
「何をしている。」
ベルモットはゆっくり立ち上がる。
「……気まぐれよ。」
ジンは鋭い視線を向けるが、追及はしなかった。
崩壊が始まり、それどころではないからだ。
⸻
追撃
「ウォッカ!」
「はい!」
二人はDVDケースを奪おうと走る。
その前へコナンが立つ。
「させるか!」
キック力増強シューズ。
ボール射出ベルト。
ドンッ!!
サッカーボールがウォッカの足元へ命中。
床が崩れ、ウォッカは体勢を崩す。
「うわっ!」
その隙にコナンはケースを拾う。
しかし。
パン!
ジンの銃弾がケースをかすめる。
DVDが宙へ舞った。
「しまった!」
美月はとっさに飛び込む。
「届いて!」
指先がケースをつかむ。
そのまま床へ転がる。
コナンが駆け寄る。
「美月さん!」
「大丈夫……。」
ケースは無事だった。
⸻
赤井と安室
ジンが逃走経路へ向かう。
赤井が狙撃しようとする。
その時。
崩れた鉄骨が間に落ちる。
「チッ。」
安室が叫ぶ。
「赤井!」
「今は追うな!」
「脱出が先だ!」
赤井は一瞬だけ考え、小さくうなずいた。
「……了解。」
⸻
最後の扉
一行は非常口へ向かって走る。
しかし。
出口の直前で巨大な鉄扉が閉まり始める。
ゴゴゴゴ……。
「間に合わない!」
博士が叫ぶ。
コナンはボールを構える。
「いや!」
「まだだ!」
キック力増強シューズの出力を最大にする。
ドォォン!!
サッカーボールが鉄扉の制御装置へ直撃。
火花が散る。
扉が途中で止まった。
「今だ!」
全員が外へ飛び出す。
その直後――。
ズガァァァン!!
巨大な爆発。
観測ドームの一部が崩れ落ち、夜空へ火花が舞い上がった。
炎に照らされながら、黒いポルシェ356Aが山道を走り去っていく。
ジンたちは取り逃がしてしまった。
だが、コナンの手には、倉橋が命を懸けて守り抜いたDVDと研究ノートが残っていた。
⸻
炎に包まれた観測所を見つめながら、美月は静かにつぶやく。
「倉橋さん……。」
「あなたの想いは、ちゃんと届きました。」
コナンも夜空を見上げる。
燃え上がる煙の向こうには、変わらず星が輝いていた。
十五年前と同じように。
しかし、その静かな夜空の下で、まだ終わっていない戦いがあった。
ジンは逃げた。
そして、DVDにはまだ見られていない最後の映像が残されていた――。
⸻
――第9章 終――
次回予告
第10章「最後のメッセージ」
倉橋俊介がDVDに遺した本当のメッセージが明らかになる。その内容は、15年前の事件だけでなく、未来へ託した希望そのものだった。一方、ジンは最後の証拠を消すため、山中でコナンたちへ最後の襲撃を仕掛ける。物語は、いよいよ最終決戦へ向かう――。
#ハイキュー
유키에
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コメント
3件
いぬ🐶さん、第11話読みました! ベルモットが美月さんをかばうシーン、めちゃくちゃ胸にきましたね…「気まぐれよ」って言いながら確実に何かが彼女の中で変わってる。あの瞬間、組織の女じゃなくて一人の人間としての彼女が見えた気がしました。 倉橋さんの遺したメッセージも、15年前の映像と研究ノートの重みがひしひしと伝わってきました。コナンと美月がそれぞれの想いを背負って走り抜けた終盤の追跡劇、本当に手に汗握りました。 次回「最後のメッセージ」、ジンとの最終決戦に向けてどう畳みかけるのか…続きが楽しみです!