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#極東兄弟
よいよい
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コメント
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あ、これ…すごい。国同士の擬人化でここまで重く繊細な感情を描けるんだね。日本の"兄だと思えなくなった"って冒頭からもう胸がぎゅっとなる。蒸し暑い夏の夜の記憶、中国さんの明るさとの対比、そして最後に自分から手首を握り返すところ…切なくてどきどきした。続き、読みたいよ。
いつからだろう。貴方の事を、兄だと思えなくなったのは。
東アジアに生まれた小さな島国の私に、貴方は優しくしてくれた。大きくなるまで面倒を見てくれて。私に言葉と文字を教えてくれた。
その内に私も、日本としての文化を発展させていき、やがて自然と、貴方との関わりも、少なくなっていった。
私は可愛い弟ではなかっただろうに、それでも貴方は、私のことを、今も昔もずっと可愛がってくれる。気恥ずかしくて口にすることは出来なかったが、私も貴方を、兄だと思っていた。
それから成長していく事に、他の国々と関わっていく事に。貴方のことを思い出していた。しかし思い出すのは、貴方とのきらきらとした思い出ではなく、貴方の隣で眠らせて貰った日の夜。蒸し暑い夏、日光で照らされた貴方の首筋で光る汗。抱きしめてくれた時の貴方の胸の中の匂い。そんな事ばかりを思い出してしまうのだ。
その記憶がはっきりと思い出せるということは、その頃から、私は…
「にほーん!」
はっと顔を上げる。後ろを振り向くと、スーツ姿で大きく手を振り、こちらに駆け寄ってくる中国さん。
会議終わりで他の国々が帰っていく中、中国さんはその流れに逆らい、こちらへ来てくれた。
「日本!そんなうかねぇ顔してどうしたあるか!」
「…いえ、別に何も。」
「少し考え事をしていただけです。」
中国さんの明るい声とは対照的に、私の声は低くて、如何にも楽しくなさそうな声。他の人の前では、もっと上手く笑えるのに、この人の前だと何故か、上手く言葉が出てこない。だからこんなに素っ気なくしてしまう。
「ふぅん。まぁいいある!菊、飯食いに行くあるよ!」
「久しぶりに会えたし、今日は我の奢りある!」
そう言って、私が口を開く前にがしっと手首を掴み、腕を引く。体が引っ張られて、中国さんの後を着いていく。
乱暴な人だと思う。なのになぜか、自分の心臓の音がやけにはっきりとして聞こえてきて、頬が熱くなる。
目の前には、まだ私の手首を掴んだまま、明るい笑顔で話す貴方。変わらない。何年経っても変わらない、貴方の笑顔。そんな笑顔に、私は。
中国さんにとって私は、手のかかる弟なのだろう。そして私にとって貴方は、面倒を見てくれる兄。
私だけなのだろうか。貴方を、兄として見れなくなってしまったのは。
掴まれたままの手を動かし、自ら、中国さんの手首をそっと、握ってみた。