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12 謝罪
「わぁ__美味しそう___」
私・べるはしぇいどさんとの約束に遅れないように30分くらい前に家を出ていた。
もう神社の周りは賑わっていて、夕方なのにすごく明るい。
確かしぇいどさんとの待ち合わせはこっちで___
「ななっしー?」
私は思わず目の前を通りかかった少女を引き留めた。
桃色の髪、ビイドロのような目、花柄の浴衣を着た少女、ななっしーだった。
「あ、ななっしーあのね_____」
勢いで止めたからしゃべることを考えていなくて、繋ぎ合わせで喋る。
「その___ななっしーが死んでるとか__その思ってなくて__それで____」
「別にいいよ。」
私がしどろもどろにしているとななっしーはあっさり答えた。
あまりの答えにちょっと驚いた。
「べるもわざとじゃないんでしょ。」
「え、いや、でも___」
私がオドオドしてるうちにまたななっしーは歩き出してしまった。
ふと、何かを思い出したようにななっしーが立ち止まって振り返った。
「好きな子と約束、してるんでしょ?早く行きな。」
ななっしーがいつも急かしてくるのはきっと___
私に手遅れになってほしくないんだな。
ななっしーなりの気遣いなんだ。
「うん、行ってくるよ!」
ななっしーがポツリと口にした別れの言葉は私の耳には届かなかった。