テラーノベル
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👨🌾×🐱
成立済み
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🐱side
ふみくんはいつも選択肢をくれる人だった。
fm「どっちでもいいよ」
「ゆうまの好きな方で」
そう言われるたび大切にされてる気がしてた。
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付き合い始めたばかりの頃は特に。
ご飯に行く店も、
帰る時間も、
連絡の頻度も。
fm「無理しなくていいからね」
その言葉がやさしくて、あたたかくて。
ym(俺、ちゃんと尊重されてる)
そう思ってた。
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最初に気づいた違和感は本当に些細なことだった。
ym「今日はメンバーとご飯行ってくるね」
そう言うとふみくんは笑って頷いた。
fm「いってらっしゃい」
でも声が少しだけ低かった。
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次の日。
fm「昨日楽しかった?」
ym「うん、まあまあ」
fm「そっか」
それだけ。
責められもしないし束縛もされない。
なのに胸の奥に小さな棘が残った。
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それから選択肢は増えた。
fm「今日会う?」
「それとも家でゆっくりする?」
「今度の休み俺と過ごす?」
「予定あるならそっちでもいいけど」
どれも自由に選んでいいはずなのに。
なぜか一つだけ選ぶと安心する答えがあった。
ふみくんが少し笑う方。
声が柔らかくなる方。
ym(たまたまだよね)
そう思いながらその答えを選ぶ。
すると空気がなめらかになる。
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逆を選んだ日は何も起きない。
本当に何も。
ふみくんは変わらず優しい。
でも目が合う時間が減る。
触れる距離がほんの少し遠くなる。
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ym(あれ?)
気づいたときにはもう遅かった。
選択肢を見た瞬間に考えてしまう。
ym(どれがふみくんの正解だろう)
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ある夜、
ぽろっと聞いてしまった。
ym「ねえ、俺さ」
「重くない?」
ふみくんは一瞬だけ目を丸くしてすぐに笑った。
fm「なんで?」
ym「だって、俺ばっかり選んでる気がして」
fm「……それ、ゆうまが決めてることでしょ?」
やさしい声。
責める気配はどこにもない。
fm「俺はね」
「ゆうまが自分で選んでくれるのが嬉しいだけ」
そう言われて胸がきゅっとなった。
ym(俺が、選んでる)
その言葉が 救いみたいに響いた。
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それからは もう迷わなくなった。
自然にふみくんを優先する。
スケジュールも、気持ちも。
だってそれが“自分の選択”だから。
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ある日せいやに言われた。
sy「ゆうまさ」
「それ、本当に自分で決めてる?」
笑って誤魔化した。
何を言ってるんだろう、って。
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その夜、
ふみくんの隣でふと思う。
最初に選んだのは確かに俺だ。
でも。
選び続ける方向は最初から決まってた気がする。
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ふみくんが静かに言う。
fm「ゆうまはさ」
「俺のそばが一番落ち着くでしょ」
問いかけみたいで答えを知っている声。
俺はうなずくしかなかった。
だってそれ以外を選ぶ理由をもう持っていなかったから。
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