テラーノベル
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関西で仕事を探すことにしたけれど、親や姉にも言わず、計画実行することの難しさが身に染みる。
オンライン面接が出来る企業の面接を、亜優がいない時間帯に受ける。
夏休み 冬休みもどんどん近づいてきている。
急がないと……
焦りながらも、日常は続いている。
私は珈琲大陸へエプロンを返却した帰り、たった一駅分の乗車時間にも求人サイトを見ようとスマホを持って電車に乗り込む。
「あ、風子さん…」
「こんにちは」
平日の昼間、混み合うわけでもない車両に一歩乗り込んだとき、先に電車に乗っていた風子さんと目が合った。
すぐに、隣の席に座れという風にスペースを空けてくれたので、私はスマホを見るのを諦めて彼女の隣に座った。
すぐ降りるんだけどね……
「電車、珍しいですね」
「そう…ちょっと仕事しようかなって…あ、まだ誰にも言っていないし、何も決まってもいないから内緒ね?」
「はい、内緒で。面接の帰りですか?」
偶然にも私と同じように仕事を探しているのか。
「ううん。まだ本当に何も…出来るかな?って、下見に行ったっていうか…」
それだけの会話で電車は最寄り駅に着いてしまった。
「接客業の下見なら、お店に行けば出来ますよね」
改札を出てから話を再開した私は
「あ、風子さん…フラワーアレンジメント教室に行ってますよね?お花屋さんって、どうですか?」
と、歩きながら彼女を見た。
「アレンジメントができるからって、お花屋さんで働けるかしら…資格は取ってないし…」
「花と無縁の生活をしている私よりは、いいと思うけど」
少し前に、旦那さんに不満があると言っていた風子さん。
私には理解できなかったけど、何か少しでも生活を変えようとしているのかもしれない。
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