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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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和泉の退院を祝ってくれる人が絶えない。今日は、南さんが退院祝いを持ってきてくれた。
「お二人がまた一緒に暮らせて本当によかったです、こちらどうぞ」
渡されたのは、帝国ホテルのスープ詰め合わせ。やった! 焼きたてパンと一緒に食べよっと!
『いつもありがとう!』
和泉も南さんにお礼を言った。
「いつも本当にお世話になっています、ありがとうございます」
「いえいえ」
「そうだ、去年錦くんの件の時に、南さんに千歳への気持ちをご相談しましたけども、一応の決着を見たのでご報告しますね」
『ちょ! おい!』
ワシは慌てた。ていうか南さんにも相談してたのか!?
南さんは「え!? どうなったんですか!?」と身を乗り出してきた。和泉は苦笑しつつ言った。
「えー、千歳にはフラれたんですけど、千歳がなんで振ったかというと、私が他の人とと子供作るより千歳のことが大事だってことを信じてくれなかったからなんですよね。じゃあ私が一生独身だったら信じてくれるかって言って、今それを実行中なんです」
南さんは目をまん丸にし、口に両手を当てた。
「な、なんと…なんと……」
その南さんの鼻から、つーっと鼻血が出てきたのでワシらは慌てた。
「大丈夫ですか!?」
『ティッ、ティッシュティッシュ!』
「す、すみません興奮すると鼻血出やすくて……すぐ止まりますから」
今の話にそんなに興奮したのか!? なんで!?
ティッシュ箱を玄関先に持って来て渡すと、南さんは慌ててティッシュを取って鼻に当てた。和泉はびっくりしたままだ。
「えっえっ、私が独身だと何かあるとか!?」
「い、いえ何もないです、本当に何もないです、大丈夫です」
南さんはしばらく鼻を押さえ、血が止まらなかったらしくて鼻にティッシュをねじ込みながら言った。
「つ、つまり、その……お二人はこれからもずっと一緒ということでよろしいですか?」
「は、はい、一生一緒にいるつもりですが」
『おい! 誤解を招く発言だろそれは!』
ワシは和泉を小突いた。
「だってさ、ずっと一緒にいてくれるんだろ?」
『それはそのつもりだけど! 語弊があるだろ! ワシはお前にいい女と結婚して子供作ってほしいんだよ!』
「俺は千歳が好きなの!」
『もー!!』
南さんは、なぜかワシらに頭を下げた。
「ありがとうございます、お二人の結びつきが強くてとても助かります」
何が助かるのか全然わからなかったけど、南さんはワシらに何度もお礼を言って、鼻にティッシュを詰めたまま帰っていった。
午後。ワシは星野さんとの約束があって、一緒に車で遠くの業務スーパーまで買い出しに行ったんだけど、助手席でワシは星野さんに愚痴った。
『星野さん聞いてよお、和泉がどんどん外堀を埋めてくるんだよおー!』
「どうしたの、いったい」
ワシはかくかくしかじかを話した。ワシが和泉にした返事。和泉がそれを聞いて宣言したこと。和泉、知り合いにどんどんワシが好き宣言と独身宣言しまくるんだもん!
星野さんは「あらまあ……」と聞いてくれ、それから言った。
「でも、和泉さん別に、千歳ちゃんに手を出したりはしてこないんでしょ?」
『そういうのは全然ない、好きとは言われるけど』
「まあ、千歳ちゃんが和泉さんを振るのは千歳ちゃんの自由だけど、和泉さんが千歳ちゃんを好きでいるのは和泉さんの自由だからねえ」
『和泉も同じこと言ってた、ワシを好きでいるのは自由だって』
「千歳ちゃんも、和泉さんと一緒にはいたいんでしょ? 和泉さん基本的に紳士なんだし、好きって言われても適当にあしらっておけば?」
『うーん……』
そう、和泉は基本的に紳士なんだよな……だからワシに手を出さないし、でも多分ワシ以外とやる気ないんだよな。
そう、和泉は多分ワシとやりたい気持ちはあるんだよな、我慢してるだけでさ。
和泉の童貞、ワシの一存なんだよな。本当にどうしよう。
コメント
1件
みぅです、読みました🥀 南さん、鼻血出しちゃうほど興奮するところが可愛かったです(笑)「お二人の結びつきが強くて助かります」って意味深…何か裏があるのか気になります。 でも一番心に刺さったのは「和泉の童貞、ワシの一存なんだよな」って千歳の気づき。重い…でもそこにちゃんと向き合ってる感じが切なくて、複雑な気持ちになりました。二人の関係性、めっちゃ好きです。