〘 🎮seed 〙
☂️が彼奴に守られてから数日が経った。
☂️は今。彼奴を、🍵を悪い人だと判断がつきづらくなっていた。
自分を守ってくれた相手を、信じてしまうような単純さ。それが、☂️らしさもあったが………それをさせないのが俺らだ。
☂️だけは守るために、今まで以上に、彼奴にも、義母にも警戒心を持ち始めた。
特に義母は。
只、数ヶ月前、予想していた事が起こり始める___
☂️👑が寝鎮まり、俺がソファーに腰をかけながら漫画を読んでいた時、ドアがガチャリと開いた。
そこに立っていたのは、痣が増えたように思える、🌸兄と📢兄だった。
🎮「は、、え?大丈夫か!!? 」
🌸「ぁ……🎮、。大丈夫だよ、?」(ニコっ
📢「そうだわ、」(ニコっ
あまり、偽りの笑顔をしたことない俺でもわかる程に、🌸兄と📢兄は無理して笑っている。
🎮「ッ……せめて、手当だけでもさせろッ」
🌸📢「……っ!!」
🌸「…、ありがとう、🎮。」
🎮「ん、」
腕やお腹、背中。至る所に痣や傷ができている。
あまり受けていない俺からしても、分かる程に酷かった。
きっと、” 虐待 “ってやつだろうな。
助けたい。助けたいけど___
俺には何も出来ない。
そんな腐食感が俺の心を蝕み、こんな自分に嫌気がさす。
もし、もし、、
🌸兄達や👑や☂️を守る事が、救う事ができたら……俺は、俺らは………
🎮「幸せになれるんだろうかッ……」(小声
🌸📢「ッ……」
隣にいる二人が顔を顰めて、俺の方を哀れんでいるかのように見つめている。
その理由を俺は知らなかった…、
でも何となくわかったような気がした。
さっきの言葉。
それが🌸兄達には聞こえてたんじゃないか。
🎮「できた、 」
🌸「ありがとね、🎮」(ニコっ
🎮「これくらい、」
📢「もう🎮は寝ときな」(ニコっ
🎮「ん、おやすみ。」
🌸📢「うん。おやすみ。」
その会話だけをして、俺は布団の中に潜った。
〘 📢seed 〙
手当をしてくれた🎮は布団に入って寝た。
そして🌸の方の顔を見つめる。🌸は半目にして、今でも泣きそうな目で🎮に言った。
🌸「ごめん、。ごめんね🎮」(涙目
📢「🌸ッ、」
分かっていたことだった。だって、そういう事だったから。
普通に過ごせず、普通の生活を送れやしない。
親に虐待され、兄達が苦しんでいる姿を昔から見ていた🎮には___どれ程の負担がかかっただろう。
きっと🎮は。自分の無力さに悔しがっていたりするんだろう。
俺だってそうだ。🌸に頼ってばかりで何の役にも立てやしない。
📢(🌸ッ、🌸ッ……ごめん、ッごめんなッ)
只々心の中でしか謝る事が出来ない俺。
どんなに歯を食いしばったって、世の中は必ず、叶うものと叶わぬものに別れる。
俺たちの願いは叶わないだろう。
だって誰も、叶えようとしてくれる人が居ないから。
いや、、細かく言えば、居るかもしれない。
ただ、俺たちは今子供、という立場。
大人にはどう抵抗し、足掻こうと届きやしない。
何より俺は、🌸にこれ以上負担をかけたくない。
🌸は精一杯で心も体もボロボロで限界なはずだ。
そんな🌸に俺は、本音を打ち明かすなんて出来るはずもない。せめて、これだけは自分で耐え切ろう。
そう心に決心したのは、もう数年前の話。確か大体、保育園の中年ぐらいだった覚えがある。
夜の月光が閉めたカーテンの隙間から優しく俺達を照らし、包み込む。
🌸の瞳からは涙が静かに流れていて、🎮の頭には🌸の手が乗っていた。
そして俺はそれを見つめる。
☂️や👑は静かに寝息を立てながら寝ていて、俺らが起きているのに気づいていない。
誰も何も言わなし、動かない。
ただ、その場に立っているだけだった。
薄暗く静かな部屋の中に、隣から聞こえる綺麗な歌声だけが、俺らの心を少し、暖かくしたように思えた。
〘 🍵seed 〙
俺は現在、1階のキッチンに居る。
今日も今日とて誰も食べられて貰えなかったご飯を生ゴミへと捨て、食器洗剤を使いながら洗う。
水が流れる音と、その水が食器に当たり出る水特有の音。
その音を只々聞き流しながら、食器を次々と洗っていく。
そして、ようやく食器洗いが終わり気づく。
とても鈍く、不快な音に。
リビングから聞こえる。誰かが殴られ、蹴られる音。
そして微かにあげている唸り声。
🍵「ッ……」
«助けに行こう»そう思っても咄嗟に足がすくんで動けなくなる。
助けに行けない自分に不甲斐なさを感じながら、ただ耳に響く不快な音を聞いていた。
そして数分経って、不快な音はしなくなり、怒りの顔をした義父がキッチンの横を通り過ぎて玄関のドアを勢いよく押して外へ出て行った。
遠くから、1歩1歩遅くゆっくりと階段を上がる足音が聞こえてくる。
相当痛くても声を荒げずに自室へ向かう彼らは本当に凄いと思う。
🍵(俺も上行こ、)
2階へ上がる足音がしなくなったのを確認し、静かに足音を立てないように俺も自室へと向かった。
そして自室のドアを開けるとあるのは、散々ちらばった参考書に、ノート諸々。
俺はそれを押しのけて、部屋の片隅にあるマイクをセットし、録画の準備をする。
準備が終われば、息を思いっ切りに吸い込み、それを声へと変換する。
声帯の周りにある筋肉は細かく震え、振動しているのが今にでも体に染み渡る。
本気で歌うのはとても楽しい。
自分の心につっかえている何かを吐き出せるような。
そう思えるようで仕方がなかった。
歌い終わると少し、気持ちが楽になったようにも思えた。
暗くモヤがかかった謎の感情に少し、糸口を見つけたような。そんな感じが俺の中には残っていた。
🍵(やっぱり歌うのって楽しいなぁ……)
録画したものは保存しといて、散々散らかった参考書を数十秒見つめ、それの片付けに入った。
まぁ片付けは簡単に終わるので、数分あれば元通りだ。
今の時間帯は22:30。
本来の人ならば既に寝ているかもしれない時間帯。
俺はそれを無視して、勉強に取り掛かる。
今日の数学は案外難しくて戸惑ってしまった。
そういう所を直さなければ。感じ慣れた思考に少し嫌気がさしながらも俺は只々シャーペンを走らせた。
分からなければ参考書や携帯を使って調べ、その問題をまた、いちから解く。
それを何度か繰り返す。
そうすれば、段々と脳はそれを覚え、違う問題で活用できる。
実際に違う問題で試してみる。
先程まで思い悩んでいた問題はスラスラと解けるようになった。
ただそんな自分になんだが苦しさが湧いてきたような気もした。が、これは気のせいだと____思っていよう。
気づけば時刻は0:00をまわっていて、もうすぐ1:00にもなろうとしていた。
🍵(……そろそろ寝よう)
寝る気がしないまま布団に潜り、瞼を下ろす。
ここ数十年。
早くて数十分、長くて数時間程度布団の中で目をつぶらなければ、寝れない日が続いていた。
そのせいなのか、目の下には隈が出来ているようにも見えた。
でもまあ、、2、3時間程度の睡眠時間でも数年は平気で動けている。
ので、大丈夫だろう。と、勝手に思っているが正解は分からない。
そんなことを考えながら、布団の中で体を動かしていると、ふと、眠気がうっすらとする。
🍵(今日は早く寝れそうだ…、)
少し半目に開けていた目は段々と下がり、いつしか全て閉じる。
そして、俺の意識は夢の中へ入っていった。
9話 予想してた事_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
6件
わぁ .ᐟ✨️ 今回も良かったです🥹 つづき楽しみにしてます .ᐟ.ᐟ