主要登場人物一覧
望月輝人(37)…3代目主人公 国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊長
片倉陵(32)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊主任
河内慶六(34)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員主任
永井大介(30)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
浦渼祐輝(44)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
海野崇(25)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
北海遼(23)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
赤木龍一(58)…国家保安庁3代目長官
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捜査会議が始まって2週間の月日が流れた。
警察庁特捜部は鬼頭一家の鬼頭勝也を重要参考人として出頭させた。
勝也は、取り調べで当初、黙秘をしていたが取り調べが始まってから2日後、急に相馬の名前を口にした。
これを受け警察庁特捜部は亜細亜連合副総長の相馬一颯の逮捕に向け準備を始めた。
その頃、亜細亜連合の動向調査を行っていた国家保安庁だったが、動向調査のためという名目で、国家保安庁総監本部により亜細亜連合に潜入していた4名の国保隊員が射殺されるという事件が起きた。
殺された隊員について事件発生から2日後、赤木は記者会見を開き潜入させた事を発表した。
その事に対し、マスコミは国保を批判した。
批判を受けた赤木は休養という名目で長官職を副長官に託した。
この時、副長官を兼務していた参謀部長の矢田は、長官職を経験していく上で赤木から正式に長官の座を奪おうという考えを持つようになっていた。
そして、矢田は自分の派閥、矢田派をつくり国保からの赤木追放に力を入れ始めた。
矢田派の多半数が学歴最高峰の東大出身者で占めており矢田派の力は一瞬にして国保内を制した。
そんな中、矢田派に反抗するという形で望月が赤木派を作り、矢田派の追放に力を入れ始めた。
11月半ば、矢田派による国保統制が強くなってきた頃、矢田は、長官になるために幕僚監部に働きかけ、赤木の解任請求を訴えた。
矢田派のメンバーが幕僚監部を仕切っていた事もあり、幕僚監部はそれを直ぐに承諾。
そして幕僚監部は、赤木に対し幕僚監部への出頭を命じた。
赤木はそれに応じる形で12月初旬、幕僚監部への出頭を決めた。
出頭当日
赤木派を代表して望月ら特例組織機動急襲捜査部隊員らが赤木の家の前に集結した。
「俺が知らん間に勝手に俺の派閥ができたらしいな。よーわからん」
赤木が呟くと望月は軽く頭を下げた。
「矢田派を一緒に倒しましょう。必ず。あんな奴に長官職を取られては国保が終わります」
「何かあったのか?」
「彼が国保に来てから除隊者が例年よりも2倍近く増えまして。総監本部内でも立ち入り禁止区域などができて、とにかくあいつを長官にすれば国保は分裂します。国保の分裂、それは日本の防衛拠点が弱体化します。それは避けなければ」
「そうか。とにかくさっさと行こう」
「はい」
望月はセダンタイプのレクサスの車のドアを開けた。
赤木が乗り込むと望月は直ぐにドアを閉めた。
「俺と片倉がこの車を担当する。他の者は、護送車の担当だ。」
望月が指示を送ると隊員らは一斉に自分の配置に着いた。
午前9時半
赤木邸から3台の車が出てきた。
午前10時20分
国家保安庁総監本部第二庁舎に着くと望月は運転席から降り車のドアを開けた。
「お疲れ様です。」
「ここからは俺だけで行く。お前らはもう解散していいぞ」
赤木が言うと望月は頭を下げた。
「幕僚監部の者です。赤木龍一長官で間違いないですね?」
「そうだ」
「では、こちらに」
赤木が連行されるのを見ながら望月が車に乗り込もうとした時、銃声のような音が周囲に鳴り響いた。
「何だ?」
片倉がすぐに車から降り望月に声をかけた。
「赤木さんが倒れてます。」
そう叫ぶと浦渼はすぐに赤木達の元に向かった。
「動くな。」
幕僚監部の隊員らは望月らに銃口を向けた。
「おいおい幕僚監部が何してんだ?」
海野が怒鳴った。
「そっちこそ銃を下ろせよ。そっちの人数は3人、こっちは7人だ」
片倉は直ぐに銃を構えた。
その時だった一人の男が第二庁舎から出てきた。
「もうこいつは死んでるぜ?笑」
「お前は……」
望月が呟いた。
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