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第78話「神々の咆哮、悪魔の咬牙」
七柱の神々が、七柱の悪魔に向き合う。
戦場は空――星の光すら消え入りそうな、黒き雲の渦巻く高空。
誰もが一言も発せず、ただ睨み合っていた。
突如――その沈黙を破ったのは、ポセイドンだった。
ポセイドン「レヴィアタンよ……海の怒り、受けてみろッ!」
神槍トリアイナを構えると同時に、空を覆う水の渦が出現。
雷鳴とともに突進する水の竜――!
だが、それを切り裂いたのは、黒き鞭の一閃。
レヴィアタン「嫉妬とは深海のごとし……底なしの感情よ、呑み込め!」
紫の鱗を持つ魔獣が背後から現れ、ポセイドンの渦と衝突。
水と毒が交錯する、海神と海獣の激突が始まった!
――そのすぐ横では、
アレス「怠惰? くだらん……ならば目を覚ませ!」
炎を纏った大剣を振り下ろすアレス。
だが相手のベルフェゴールは、重力を操る術で宙に寝転がったまま避ける。
ベルフェゴール「戦うことすら億劫だなあ……でも、あんたの怒り、うるさすぎて眠れないよ」
重力魔法《虚無の圧》が空間ごとアレスを押し潰す!
アレス「甘えるなッ!!」
烈火の如き怒りでその重圧を切り裂くアレス。怠惰と憤怒、正反対の魂が空で激突!
――一方、天頂では、
アポロン「君の舞台? 光の下ではその薄汚れた色気も、裸に見えるぞ」
アスモデウス「フフッ、それは楽しみね。あなたの悲鳴、どんな旋律かしら?」
黄金の弓を引き、神の旋律を放つアポロン。
アスモデウスは艶やかな踊りでその矢をいなし、魅惑の波動を撒き散らす。
色と音の戦場が繰り広げられた。
――下層では、戦女神アテナが、強欲の悪魔・マモンと剣を交えていた。
アテナ「知恵は富より価値がある。私の剣で証明してみせよう!」
マモン「無駄だ。すべては金に還る……お前の誇りもな!」
金貨の雨が空から降り注ぎ、触れたもの全てを黄金に変える。
アテナは瞬時に盾で弾き、一本の剣に集中する――《聖剣アレートス》。
互いの信念がぶつかり合い、天地をも揺るがす激闘!
――同じ頃、別の戦線では。
オーディン「貴様がアザゼルか……この槍に名を刻め」
アザゼル「俺の怒りでお前の名など燃え尽きる」
グングニルと黒炎の拳が交錯し、世界が震える。
理性と怒りのぶつかり合いが、戦場を灼熱の嵐へと変えていく。
――さらに、
アフロディーテ「ねえ……暴食って、何でも食べちゃうの?」
ベルゼブブ「もちろんだ。お前の内臓からでも、な」
一見軽い会話。しかし、次の瞬間には大地を喰らう黒虫の群れが出現!
アフロディーテは美と風の魔法でその群れを包み込み、花に変える。
アフロディーテ「美しさは、何よりも強いわよ」
――最後に、月神アルテミスが天を駆ける。
アルテミス「アザトース……その傲慢、許さない!」
アザトース「許しなど求めていない……この世界すべてが、我の足元に跪くのみ!」
月光を纏った双剣と、空間を歪める黒の鎌が交差する。
神の理想と悪魔の傲慢がぶつかる中、空の裂け目から落ちた光が地上に届いた。
見守るゲズたちは、それぞれの戦いを見つめながら拳を握っていた。
ゲズ「……これが、神々の戦いか」
リオン「いつか……いや、きっと俺たちもあの中に立つ時が来る」
セレナ「その時は、兄さんたちに負けないようにしないとね」
ウカビル「……今は見届けよう。神と闇の真の力を」