※この物語はフィクションであり、
実在の人物及び団体とは関係が御座いません。
また、この物語における法の適用は、
物語内の設定・条件・その他の微細な諸状況にあわせたものとなります。
作中に過激な描写が含まれますが、
犯罪行為や差別的な行為を助長し扇動する意図は一切ありません。
「ねぇ、知ってる?今年も更生プログラムやるんだって!」
「更生プログラムってなぁに?」
「あんた知らないの?少年死刑法よ!死刑法!」
「あぁ、私しってる!奥多摩の山ん中にできた少年刑務所で、死刑囚になった子達がなんかやるんでしょ?」
「なんかって…なに?」
「知らないわよ!だって、ほとんどの子が少年刑務所から出てこないんだもん!」
「えーっ!なにそれ!都市伝説みたいじゃん!」
「あははっ!たしかにそーかも!」
「もう、そんなことよりはやく渋谷いこーよ!ぶっちゃけ、わたしらには関係ないじゃん?刑務所とか…死刑囚とか、遠い世界の話でしょ?」
「だよねー!少年法とか少年犯罪とか、マジ意味わかんないし!」
――XX年、某市某区。
ハンマーや小刀で近隣の住民を
次々と襲った少年は、
十代男性の首を糸ノコギリで切断する際に、
言い知れぬ興奮を抑えきれなくなり
絶頂を迎えた。
――XX年、某都某区。
十代の女性を自宅に監禁し
不良仲間十数人で辱めた少年達は
女性の体全身にライターの火を押し付けるなどの
暴行を加えたあと殺害し、空き地に遺体を遺棄(いき)した。
――XX年、某県某市。
成人女性を殺害し、辱めた少年は、
女性の傍らにいた娘を殺意をもって床に叩きつけたあと、
首にひもを巻きつけて窒息死させた。
これらの少年は、
全員逮捕されることとなるが――。
ある少年は医療少年院を退院し
社会復帰を果たした。また、ある少年は刑期を終え社会復帰を果たした。
だが、ある少年には死刑判決が下された。
死刑となった少年と、なっていない少年の差はいったいなんなのだろうか?
人を殺した者が生きながらえ、被害者家族は今も苦しみ続けている。
そんな疑問や不満がうず高く堆積され、
少年法の適用年齢が引き下げされた。
同時に、更生プログラムも大幅に改善されることとなった。
それが――。
少年“死刑法”である。
黒い憎しみに縁取られた目的を果たすため、
自ら犯罪者となった少年と、彼を取り巻く受刑者達の物語が今、始まる――。
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