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夜の街は静かだった。
街灯の明かりがぽつぽつと道を照らしていて、人通りはほとんどない。
そんな夜道を、一人の少女が歩いていた。
黒髪ロングの小柄な女の子。
足取りは軽く、どこか楽しそうに鼻歌まで歌っている。
「ん〜♪ 今日も疲れたぁ…」
少女の名前は リノン。
明るくて元気で、よく喋る。
そのせいで「ちょっとうるさい」なんて言われることもあるけれど、本人は全く気にしていない。
「早く帰って甘いもの食べよ〜」
そう言って伸びをした、その時。
後ろから声がした。
「ねえ」
リノンはピタッと足を止める。
「……?」
振り向くと、そこには金髪の青年が立っていた。
穏やかな笑顔を浮かべているが、どこか普通の人とは違う雰囲気がある。
📱 シャルナーク
「こんな時間に一人?」
リノンは少し首を傾げた。
「うん。帰る途中だけど?」
シャルナークはポケットに手を入れながら、じっとリノンを観察する。
「ふーん」
そして、にこっと笑った。
「君、ちょっと怪しいから」
「え?」
「一緒に来てもらっていい?」
リノンは一瞬ぽかんとする。
「……怪しいの、そっちじゃない?」
「ひどいなぁ」
シャルナークは笑ったまま肩をすくめた。
「でもさ、こういう時間に一人で歩いてる子って普通じゃないんだよね」
「いや普通だよ!?」
リノンが言い返したその瞬間――
背後から低い声。
「逃げるナ」
リノンはびくっとして振り向く。
そこにいたのは、黒い服に身を包んだ小柄な男。
☂️ フェイタン
「……大人しくするヨ」
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
気づけば、リノンの逃げ道はふさがれていた。
シャルナークは申し訳なさそうに笑う。
「ごめんね。でも確認したいことがあって」
「だからって囲まないでよ!」
リノンはむっと頬を膨らませる。
フェイタンはじっとリノンを見下ろしていた。
「この子、本当に普通?」
シャルナークは肩をすくめる。
「さあ?」
リノンは腕を組んだ。
「ねえ、私帰りたいんだけど」
「うん、そうだね」
シャルナークはあっさり言う。
「でもその前に、ちょっと来てもらおうかな」
―――
数分後。
リノンはとある建物の中に連れてこられていた。
薄暗い部屋。
どこか不気味な静けさ。
「ここどこ!?」
すると、奥から静かな声が聞こえた。
「連れてきたか」
リノンが目を向ける。
そこにいたのは黒髪の男。
📕 クロロ=ルシルフル
落ち着いた雰囲気のその男は、本を閉じながらこちらを見た。
シャルナークが軽く手を振る。
「うん。夜道で一人だった」
クロロの視線がリノンに向く。
「名前は?」
「……リノン」
クロロは少し考えるように目を細めた。
「そうか」
その時、横から女性の声。
🪡 マチ
「一般人じゃないの?」
リノンはすぐ言い返す。
「一般人だよ!」
隣で本をパタンと閉じた少女がぽつりと言った。
💧 シズク
「かわいい」
「ありがとう?」
リノンは少し困った顔をする。
マチはため息をついた。
「緊張感ないね、この子」
さらに奥から女性が歩いてくる。
🔫 パクノダ
パクノダは優しく微笑んだ。
「怖がってないみたいね」
リノンは胸を張る。
「だって何もしてないし」
フェイタンがぼそっと言う。
「怪しいネ」
「怪しくない!」
するとクロロがゆっくり立ち上がった。
静かな足取りでリノンの前まで来る。
リノンは少しだけ後ずさった。
「……なに?」
クロロはリノンをじっと見つめる。
「君」
「うん?」
「何者だ」
「ただの女の子」
即答だった。
シャルナークが笑う。
「普通の子がこんな夜に一人で歩くかな?」
「帰る途中だったの!」
フェイタン
「嘘くさいネ」
「ほんとだよ!」
その時、部屋の隅からもう一人の男が口を開いた。
📍 イルミ=ゾルディック
「この子」
「面白いね」
リノンはびっくりしてそちらを見る。
「いつからいたの!?」
イルミは無表情のまま答えた。
「最初から」
「怖い!」
部屋の空気が少しだけ和らぐ。
しかしクロロは静かに言った。
「リノン」
「なに?」
「しばらくここにいてもらう」
「……は?」
リノンは目を丸くする。
「え、なんで!?」
シャルナークが軽く笑う。
「安全確認みたいなもの」
フェイタン
「逃げると殺すネ」
「怖いこと言わないで!」
シズクがぽつりと言う。
「大丈夫」
「たぶん」
「たぶん!?」
マチは腕を組む。
「まあ、心配しなくていいよ」
「危害は加えない」
リノンは深いため息をついた。
「はぁ…」
そしてクロロを見る。
「変な人たち」
クロロは少しだけ微笑んだ。
「そうかもしれない」
そして静かに言う。
「だが」
「君には少し興味がある」
リノンはきょとんとする。
「え?」
その瞬間――
部屋の男たちの視線がクロロに集まった。
フェイタン
「……」
シャルナーク
「……団長?」
リノンはまだ何も知らない。
ここがどこで、
目の前にいるのがどんな人間たちなのか。
そして。
この出会いが、
彼女の運命を大きく変えることになることも。
―――――
第1話
「夜道の出会い」