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『星の英雄 ゲズとリオン』
第3章:雷の訓練、闇の気配
ゲズの中に目覚めた“雷の力”は、まだ不安定だった。
リオンと共に逃げ込んだ山間の遺跡――そこには、かつて星の守護者たちが力を修行した“訓練の地”が眠っていた。
「この遺跡、まるで……俺の体が共鳴してるような感じがする」
「ここで力を制御できるようにしろ。君が扱う雷は、星の意思と直結している。暴走すれば……世界をも壊す」
訓練の日々の中、ゲズは夢を見るようになる。
夜ごと現れる、漆黒の影。
レル=ザイオスとは違う、もっと深く、もっと冷たい“存在”。
「リオン……あいつが、ラスボスじゃない気がする。なんか、夢に……見えない“誰か”がいる気がして……」
リオンはしばらく黙っていたが、やがて、重く口を開いた。
「……そうか。お前も感じているのか。“あの声”を」
「声?」
「レル=ザイオスは確かに強大だ。だが、ヤツもまた“何か”に操られていたと、かつての戦いで気づいた。
真の黒幕――それは俺も、まだ正体を掴めていない」
「じゃあ、レル=ザイオスを倒しても……終わらない?」
「終わらない。むしろ、そこからが“本当の戦い”になるだろう」
⸻
リオンの過去も、少しずつ明かされていく。
彼がなぜ不老不死のように生きているのか。
なぜ地球を守ることに執着するのか。
そして彼もまた、遥か昔に「仲間を失った」ことを、ゲズは知る。
⸻
一方、侵略軍の本拠地ではレル=ザイオスがつぶやく。
「……あの力が、目覚め始めたか。星の器よ……だが、貴様らなど所詮“最初の駒”にすぎん」
レル=ザイオスの背後に、禍々しい闇の球体が脈動していた。
「この星の意思も、宇宙の意志も……“彼”には逆らえない」