《登場人物》
東ドイツ(東独)、ソ連、ポーランド(波)、ウクライナ(宇)、ベラルーシ(白)
補足…ウクライナ・ベラルーシはソ連と血の繋がる兄弟だが、ポーランド・東ドイツなどの国々は思想での繋がりであり、本当の兄弟ではない。ただ、みんな同じ家に住んでいる。
東ドイツは大きな館に1人、彷徨っていた。
東独「(無駄に広いし…ソ連様はいないし).. ついてないな」
波「なにがついていないんだ?」
東独「ッッ!?ぽ、ポーランド君!!急に現れないでよ…」
波「ふっ、君のそんな顔が見れて嬉しいよ♡」
東独「…やな冗談です….僕のこと嫌いなくせに」
波「そうピリつくなよ、仮にも同じ家に住む家族だろ?嫌いでも関わりは断ち切れないさ」
東独「家族…ですか…」
ふと東ドイツは、自分の片割れに思い馳せる。名前は、西ドイツ。ソ連に引き取られてからは、ずっと会っていない。東ドイツはソ連を心から尊敬していたが、アメリカの腕の中にいる西ドイツのことも、同じくらい想っていた。この複雑な関係は東ドイツをいつも悩ませていた。
波「なにボーとしてんのさ?」
東独「!!すまない、考え事だ」
波「…..そ。というか質問の答えは?💢」
東独「質問…?あっ、何がついていないか、ということか?」
波「そうだよっ!?僕の善意、無視しないでよね」
東独「はは、すまない…ソ連様の行方を探していてだな….ずっと見つからないんだ」
波「あーーね、うーーん…この時間だと庭にいると思うよ?」
東独「そうなのかっ!?ありがとう!ポーランド」
東ドイツは目を輝かせて、ポーランドの手を握った。
波「なっ、なんだよ///」
東独「感謝することは当たり前のことだ!助かったぞ、ポーランド!」
波「……ん///し、、仕方ないやつ」
東ドイツはポーランドの顔を不思議そうに見つめた後、微笑んだ。そして、長い廊下を走らない程度に、素早く歩いた。
波「ほんっと、昔からアイツといると調子狂う…/////」
そう言いながら、ポーランドは、小さくなっていく背中を見つめた。
しかし、ポーランドの 背中をまた、見つめる影が2つ。
宇「なんだ〜?♡ポーラン君たら〜〜ドギマギしちゃって〜〜〜♡♡」
波「ッッッッいつかは見てたんだ!?!?」
白「『君のそんな顔が見れて嬉しいよ』…あたりです!!♡♡」
波「はぁぁぁ!?!////めちゃくちゃ序盤じゃねーかよッッ!!///」
白「というか、最初から見てました。ソワソワしながら東ちゃんに近づいてるところから..」
宇「本当、ガキだよね〜〜♡ww好きな子に意地悪しちゃいたくなるとこ..」
波「はぁあ!?!?俺が??アイツのこと好きなわけネーだろっ!!///大っ嫌いだ!!」
白・宇「「ふふふふ♡♡」」
波「あ゛??」
3人が仲良く大喧嘩して、ソ連お兄さんに粛清されるのは、また別のお話…
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ポーランドの言った通り、ソ連は庭にいた。椅子に腰掛けて、遠くを眺めている。その姿は、まるで、彫刻のように美しかった。
ガタッ…庭のドアを開ける。乾燥した冷たい風が、東ドイツの頬を刺した。
東独「ッそ、ソ連様っ」
急いで来たからだろう。息が上がり、上手く喋れていない。ソ連は声に反応して、ゆっくりと東ドイツの方を向いた。
ててて…東ドイツは彼の目の前にやってくると、ソ連の顔に優しく手を伸ばした。
東独「こんなところにいたら、お身体を壊しますよ?頬のヒビ割れに響くでしょう?(汗」
東ドイツは心配のあまり、昨夜のことを謝罪するの忘れてしまっていた。ソ連の頬に寄せた東ドイツの手は、彼の顔には小さかったが、温かかった。ソ連の顔には、ヒビが入っていた。まだ浅かったが、東ドイツには気がかりで仕方がなかった。
ソ連「ドイツ…ドイツ…愛しているぞ」
ぼそぼそと低い声で囁く。
東独「っへ??」
ソ連は東ドイツの小さな手に、手袋をしても冷たさが伝う手を重ねた。そして、撫でろと言わんばかりに、顔を擦り付けた。
東独「….やはり、お身体の調子が優れませんか?寝室でおやすみになりましょう?」
ソ連「….ドイツは…ついてきてくれるのか?」
じっと、ソ連は東ドイツの灰色の目を見つめた。しかし、なぜだか、東ドイツにはその視線も愛の言葉も、自分ではない誰かに向けられたものだと思えた。
東独「….えぇ、貴方がそれを望むなら」
東ドイツには、視線が誰に向けられたかなど、つくづくどうでも良かった。ソ連が良ければ、全てどうでも良かった。
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薄暗い部屋。大きなベッド。それに横たわるソ連と腰掛ける東ドイツ。ただ静か時間が流れた。東ドイツは、うなだれるソ連を心配そうに見つめた。そして、聞こえるか怪しいくらいの小さな声で話しかける。
東独「ソ連様、ソ連様、、、昨夜は申し訳ございませんでした…膝の上で寝るだなんて愚行…許されるようなことではございません」
少し間をあけて、ボソボソと低く呆れた声がきこえた。
ソ連「…….そんなことを気にしていたか、、」
元気のないソ連と会話を続けるのは極めて困難であった。ひとつひとつの会話の間隔が長く、東ドイツの心臓は、その度に鼓動を速くした。
東独「….それと、このマフラーなのですが、、こんな私めのために、掛けていただき感謝します。机に置いておきますね」
ソ連「…違う、くれてやったのだ。マフラーの1つ、2つ、気にすると思ったのか?この私が」
東独「ま゛、、全くその通りですッッ…お恥ずかしい!何なりと処分を命じてください…」
言葉選びの過ちに、東ドイツはこの世の終わりを感じていた。すると、 ソ連は大きな体を起こした。その手を伸ばし、東ドイツの小さな唇に触れた。柔らかくて、小さい。そして、肌の黄金とは違い少し赤みがかっている唇。
東独「へぁ..む..??//////」
ソ連「….キスを…したい」
東独「っ!?!?!////な、何を仰いますか!??ソ連様??////私にはそんなこと…」
ソ連「それで許すと言っているのだ、これ以上言わせるな」
東独「っ////ぅ….」
東ドイツがドギマギしている間、ソ連の顔はどんどん迫ってくる…雪の妖精のように美しい容姿に、東ドイツは既にキャパオーバーだった。
10㎝、5㎝、3㎝、2㎝、1㎝……
気づけば唇は触れていた。ほんの一瞬だった。 その後、ソ連は何事もなかったように再び横になった。東ドイツだけの時が止まってた。思考も呼吸も….鼓動さえも止まったようだった。
ソ連「ドイツ…東ドイツ。」
その自分呼ぶ低い声で、東ドイツは我に帰った。
ソ連「気分が落ち着いた、もう行っていいぞ」
東独「….はい」
すとん…東ドイツは高いベットから降りると、スタスタと扉に向かった。
東独「失礼します」
ソ連「東、、、」
東独「はい」
ソ連「……….すまない、なんでもない」
パタム…東ドイツは部屋を出て、長い廊下を歩き始めた。止まった思考を動かし始める。
東独「(…きす…きす..ソ連様と…きす….ソ連様とキス、、キス…………..?ッッッはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!?!?!?!?!?」
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波・宇・白「…なんだ?」
さてさて、ソ連と東ドイツの関係は次第に崩れ始めてきました。ポーランドは気持ちの整理がつくのでしょうか?♡
コメント
7件
ポーラン、まだ子供やな 3国(波、宇、白)のやり取りも可愛い
おっふ…マヂで尊い♡ちぬ… こういうのんびり系もとってもだいすこです😭💕
うわぁぁぁぁッッッッッ😭😭😭可愛い…尊…尊…🫶ガキなポー愛おしい…🥹💕