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【🌕🐣企画】となりの火星人【パラレル】

第4話 - 第4話

2025年08月11日

#SnowMan

#BL

#ゆり組

#だてなべ

#SnowManBL

#めめあべ

まきぴよ

社長秘書の渡辺さんは、この自らを宇宙人と名乗るミヤダテの唯一にして最大の目的だった。ミヤダテはもともと火星に住んでいた火星人で、渡辺さんに片想いをしているのだという。

🖤「ええと…、それはつまり？」

❤️「俺は生まれながらの火星人。そして、翔太のことがずっと好きでした」

地球人が火星へと移住し始めたのはそう歴史があることではない。ほんの、ここ10何年くらいの話だ。ミヤダテが言うには、火星にももともと人間たちが住んでいた。ミヤダテ一家もそんな火星人の一家で、子供の頃一度だけ観光で地球に遊びに行ったことがあったという。地球の日本という国の東京という都市で、ミヤダテは小さい頃の渡辺さんに出逢った。

❤️「翔太は可愛かった」

夢見るように語る渡辺さんの子ども時代の話は、俄には信じがたい命を懸けたラブストーリーだった。

ある満月の夜。

ミヤダテは、火星から見える月と地球から見える月との違いに言葉を忘れて見惚れていた。家族はホテルにもう帰っていて、彼はひとり、夜空を飽きずに眺めていたそうだ。大気汚染で星はほとんど見えなかったけれど、月は変わらず美しく空に浮かんでいた。

💙「お月様にはね、うさぎさんがいるんだよ」

ぼんやりと夜空を見上げていたミヤダテに、一人の可愛らしい子どもが声を掛けた。物怖じしない性格のようで、にっこりとミヤダテに笑いかけてきた。身長は同じくらい。話してみると、年齢もまったく同じだった。彼は月と同じうさぎ柄の可愛らしいパジャマを着ていた。ミヤダテは彼を初めは女の子だと思ったという。渡辺さんとミヤダテはそれからいろんな話をした。話をして、お互いに意気投合して渡辺さんは聞いた。

💙「お前、名前、なんていうの」

❤️「リョウタ…」

人懐こいタイプの子どもだった渡辺さんと違って、初めて来た他の星で、しかもこんなに可愛らしい子どもに話しかけられてどぎまぎしたけど、ミヤダテは何とか答えた。

💙「俺はショウタ。ちょっと来て」

渡辺さんはミヤダテの手を握り、夜道を迷うことなくぐんぐんと歩いて行く。彼がミヤダテを連れてきた場所は、大きな総合病院だった。建物のニ階から唯一光が漏れている部屋がある。彼はそれを指差すと、あそこ、俺の部屋と言った。

💙「やべぇ。そろそろ戻らないと。昼間はあそこにいるから、良かったら遊びに来て」

そう言うと、繋いだ手を離し、渡辺さんは建物へと戻った。

それから毎日。

ミヤダテは地球に滞在している数ヶ月の間、子ども時代の渡辺さんと毎日毎日話をした。昼は彼の病室で。夜はこっそり抜け出した病院の庭で。

❤️「そして、翔太はその夏に死んだんだ」

不思議な感覚だった。

子供のころ。