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❀視点
アニメの最終回1個前のアフレコが終わった日。
♧「なあ、お前さ」
収録スタジオを出たところで、不意に黒崎が私を呼び止めた。
❀「ん?」
♧「……アニメ終わっても、また会う?」
❀「……は?」
え、今何て言った、?
♧「いや、だから。お前とこうしてるの、意外と楽しかったし」
❀「……」
♧「ていうか、お前の方こそ、俺がいないと寂しいんじゃない?」
❀「はぁ!? 何言ってるんですか!? 別に寂しくなんか――」
♧「ふーん? じゃあ、俺から誘わなくても平気なんだ?」
❀「……」
♧「……お前、わかりやすっ」
❀「~~っ!! もう!! 黒崎なんて知らない!!」
♧「あ、おい!ちょっと待てよーー」
❀「ーうち時間だからまた明日!」
逃げるようにその場を後にした。
別にまた違うアニメで会えるでしょ。絶対。
その日の夜は心臓がバクバクしてるのを、どうしても抑えられなかった。
さすがにもう自分の気持ちを認めるしかないね。
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♧視点
最終回目前のアフレコが終わったあと。
桐崎が一人でスタジオを出ようとしていたから、思わず声をかけた。
♧「なあ、お前さ……アニメ終わっても、また会う?」
突然すぎたかもしれない。
でも、このまま終わらせたくなかった。
❀「は?」
♧「いや、だから。お前とこうしてるの、意外と楽しかったし」
必死に隠してきた想いが、つい零れてしまった。
♧「俺から誘わなくても平気なんだ?」
桐崎からのいつもの否定の言葉がない。
やっぱり。言い返せる言葉ねーじゃん。
♧「……お前、わかりやすっ」
でも彼女は、笑って誤魔化すように言った。
❀「うち時間だからまた明日!」
……バカかよ。何誤魔化してんだ。
そんな桐崎の姿が、余計に切なくて。
けど、その姿がとてつもなく速すぎて追えない。何でそんなに速いんだよ。
俺は諦める気ないから覚悟しとけよ、咲良
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長くしよーと思たけど諦めた。
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