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注意注意注意
Thomasと夢主(アメリア)
半年ぶりくらいだろうか。
従兄の家にやってきた。
家の扉をノックするが、返事はない。寝ているのかな、と思い二階の窓を見ていると、
「スカイボックス!^_^」
突然後ろから声をかけられた。
びくっと肩を跳ねさせ、振り返ると、そこには従兄が、トーマスがいた。
「にいさん…びっくりさせないでよ…」
ごめんごめんと笑って、彼は私を家に入れてくれた。
家の中は埃が目立つが、散らかっていなかった。強いて言うなら、やはりあの薬の容器が目立つ。にいさんを狂わせたあの薬の。
彼は私を居間へ連れて行き、紅茶を淹れてくれた。
砂糖を入れまくったのか、変に甘ったるい。一口飲んで少しだけ顔をしかめてしまった。
「元気だった?」
にこにこしながらそう言われた。
「僕の方は悪くないよ。にいさんは?」
「毎日楽しいよ!^_^」
話していると、やはりじわじわと察してしまう。
彼はもうどうしようもないと。
戦争に行く前はこんな感じじゃなかった。
もっと落ち着いていて、明るくて。今も明るいけど、こんな頓狂な明るさじゃなかった。
「ところで、フレイムガイを見なかった?そろそろお薬も残り少ないから、彼から貰おうと思って!」
彼はアンドレアスさんから薬をもらっているのか…
「…いや、見てないかな…」
「そっかあ。」
残念そうにそう呟くが、すぐにぱっと明るくなる。
「まあ、あとでお散歩行くし、その時に見つけるよ!」
散歩だと家を飛び出すまで、彼はずっと喋っていた。私に会えたのが嬉しかったから、と考えるのは少し自意識過剰だろうか。
くつろいでいていいと言われたから、彼の家の探索をした。どこも、前に来た時とは大きな違いはない。
二階に上がる。
廊下の壁には写真が飾られていた。アンドレアスさんとのツーショット、それにたくさんの猫の写真。
にいさん、猫が好きなんだろうな。一階にも何枚か飾ってあった。
一枚だけ額縁ごと落ちている割れた写真があった。にいさんとその友達の集合写真だ。
バスルームを覗くと、浴槽にアヒルが浮かんでいた。
寝室にはテレビ、ラグ、ソファ。引き出しの上にラジオ。
ベッドの頭の方の壁に掛けてある写真を見たとき、私の足は止まった。戦地で撮られた写真だ。にいさんが彼の親友、ソーレンさんと一緒に写った、他の写真よりも大きな写真は目を引くものだった。
「…」
ソーレンさんは戦地で死んだ。それしかわからないが、にいさんを壊すには十分な理由だと思った。
玄関を開く音が聞こえた。
彼を迎えるために私は部屋を後にし、階段を降りた。
家を出た時の明るさとは大違いだった。顔を手でぎゅっと覆って俯いている。肩が震えている。
「にいさん…!?」
家に入るや否や崩れ落ちるように膝をつく彼のもとに駆け寄り、肩を支える。
「何、何があったの…!」
「…ソーレン…」
消え入りそうな震える音をなんとか拾う。
「ソーレンさんがどうかした…?」
「ソーレンは…来てる…?」
「っ…にいさん…ソーレンさんは」
死んだ、と言おうとしたところで突き飛ばされ、尻餅をついてしまった。
トーマスは涙ぐんだ声で呻きながら立ち上がると、ふらつく足取りでダイニングへ向かっていった。
起き上がって追いかけ、彼の姿を見た頃にはもう薬を開けて飲み干したところだった。
一息つくと、彼は太陽のように眩しい笑顔をこちらに向け、
「ごめんごめん!ちょっと取り乱しちゃった!;^_^」
と言い放った。
トーマスさんの苦しむ姿が見たぁい!!!!!!!