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「うわぁ…っ/」
ひらひらと揺れるスカート。慣れるわけがない。無性に風が通って足が落ち着かない。そして何より恥ずかしい…/
死にたがりの罪人を助けてくれたドラキュラさんと急接近してお出かけなんて…いつの日か見た恋愛小説まんまじゃないか。恥ずかしいなぁ、でも外の世界でウミを見てみたい。
「どぬく、準備できた?」
なんていう俺の妄想を遮るかのようにノックもせずいきなり入ってきたもふくん。びっくりした、普通ってこうなのかな。
「ほら、行こう日が照らないうちに。」
そっと俺に向かって手を伸ばした。いわゆるエスコートというやつだな、これ。
「エスコートは女の子にしなよ、もふくん」
「どぬく、女の子でしょ。こんな可愛いもん、」
「っ…/」
妙に躰が暑い。どんどん熱が上がってくる。恥ずかしい、のか//
「平気でそんなこと言わないでよ、暑いじゃん」
「ごめん、エアコン効いてなかったかな…、」
「違うよっ、もう!」
「あ、照れてる?もしかして、」
「そうだよっ/ 可愛いとか恥ずかしいに決まってるじゃんッ/」
「ごめんごめんwじゃ行くよ、どぬく」
「そのどぬくってやめてよ、なんかこう…うーん、、」
「結構ズバズバ言うようになったね、いいことだよ。どぬとか…?」
俺、キモチを伝えられてる。嬉しい。今まで何も抵抗したり意見したりしなかったからスッキリする。もふくんなら言っていい気がする。
…って俺なんでこころ許してんだ。でもいいかな、今は…
「えごめん、嫌だった…?」
「ぁ、ごめんっ!どぬ、いいねどぬって呼んでね」
「うん、行こうかどぬ。」
そう言ってもふくんは再び手を差し出した。
「っ…/もふくんは学ばないなぁ〜!w」
俺楽しいな、嬉しいんだな。カンジョウというものが少し分かった気がする。温かいな。
色々考えながらもふくんの手にそっと手を重ねた。