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ジャラッ…
「っ…ビクッ」
俺はどうやらもふくんが怖いわけではないらしい。鎖の音が昔を思い出させるようで…
「ど、どぬ枷、外してから行こうか」
もふくんは気遣ってか提案をしてくる。何故かわからないけど外したくない。
「鎖外して」
「え、?」
「鎖、だけ外せる?」
「で、できるけどなんで…?」
「…」
わからない。俺は今どうしたいのか。何が嫌なのか。
「じゃ鎖だけ外そうか。」
優しい。俺がキモチを何も話さないのに君は優しくしてくれる。
カチャッ…
もふくんの優しい手つきで鎖が外れた。手を動かしても音がしない、安心する。
「今度こそ、行こう、どぬ」
「うん!」
「元気になったね、よかった!」
外の世界にはたくさんのものがあった。シゼンの空気はとても気持ちが良くて思わず頬が緩んだ。
「あ、どぬが笑った!」
「え、俺笑えてる?」
「うん、」
嬉しかった。もふくんと出会ってから俺はすごく変わった、いい意味でだけど。キモチというものを感じたり、人との会話がまともにできてるし何より、病気の症状が何故かでなくなってきた。
もふくんが連れてきてくれたのは俺が行きたかったウミだった。
「ここが海だよ、どぬ。」
「なんか…変な匂い、」
海は思っていたより広くて綺麗だったけど匂いが今まで嗅いだことのない不思議な変な匂いだった。
「w確かに。磯の香りは独特だから。」
「そ、そうなんだ…✨️」
「どぬ、キラキラしてる。可愛い」
「っ/ありがと!」
「どういたしまして」
あと、もふくんに可愛いって言われるとすごく嬉しい…気がする。なんか…なんだろ言葉にできない。
ぐるるるぎゅるる…
「「あ」」
二人同時にお腹が空いた音がした。
「偶然だね」
俺が言うと
「そうだねw何か食べに行こうか。
何がいいかなオムライス、ハンバーグとか、?」
「???」
俺は今まで選ばず料理名も知らず食べてきた。もちろん何を食べていたのかはわからない。
「あそっか、そっか。大丈夫、俺も料亭に行くの初めてだし…」
「う、うん…?」
もふくんがスマホを取り出して近くの料亭を調べ、連れて行ってくれた。
「どぬ、何食べるかなぁ…」
「なんだろ。」
「自分で言うなよー、俺ハンバーグの気分…」
「じゃぁ、俺もそれがいい!」
「何だよ急に元気だなwじゃそれにするか、」
「お、美味しい…✨️」
口いっぱいに広がる柔らかいお肉の感触、熱いくらい温かい食べ物、味付けが濃くてびっくりしたけどとても美味しかった。
「おー、どぬがきらきらになってる」
「ま、また!?」
「うん、可愛い可愛い…」
「ふへへっ/」
幸せだなぁ、ハンバーグという料理はとても美味しかった。もふくん…というか誰かと食べる食事が久しぶりすぎて目が熱い。
「うわぁっ、」
「ど、どぬ!?辛かった?」
「ちッちがぅっ、ぐすっ」
「どぬ、こっちおいで、」
「、? うんッヒグッ」
ぎゅっ、
「っ…!?」
もふくんの方に言われるままに行くと抱きしめられた。
「どぬ、泣いていいよ。なんでとか考えなくていいから。」
「うわぁっ、もふくっ、グスッヒグッ」
もふくんのせいで頭がふわふわする。抱きしめたら泣いちゃうじゃん…ッ
「もふくっ、グスッ」
「なに、?」
「もふくんがっ、抱きしめるからッ涙ッ止まんないじゃんっ」
「wどぬ、泣いていいよ、泣かなきゃ、ね?」
といい俺の文句も柔らかく受け止めて背中を擦ってくれる。ぎゅっと優しく、密着したからだが温かい。
「泣かせないでよッ」
「だーめ、泣かなきゃ。俺以外誰が泣かせるんだよ、」
「ッい、いないけどッ」
「どぬが安心するまで泣いていいから。止まんなくていいから。それはどぬのキモチだから。」
「ッグスう、うんッ」
暖かくて安心する。頭がふわふわして回らない。もふくんのせいだから、俺が泣いても責任取ってよ、ね?
そう言って俺はもふくんに体を預けそっと目を閉じた。