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私はしおちゃんとマンションの屋上から飛び降りた。
風圧が凄くて、目を開けるのもやっとだ。
──わたしはさとちゃんのお人形じゃない!
ふと、頭にしおちゃんの言葉がよぎる。
私は、しおちゃんの事を、しおちゃんの気持ちを…本当に考えていたのかな。
しおちゃんの事を案ずるなら、たとえ会えなくなったとしても、保護施設に連れていった方が良かったはず。
「……ぁ、そっか」
小さい子どもを大人の力で洗脳して、操縦する。
その虐待の連鎖を、知らず知らずのうちに私も起こしてしまっていたんだ。
「…やっぱ、ダメだ」
「しおちゃん」
「生まれ変わっても私のこと、好きでいてね。」
「ごめんね…ありがとう!」
私は彼女を庇うように体勢を変える。
これが私の贖罪。とても許される事ではないけれど。
でも…願わくば。
生まれ変わった私なら、きっと罪も何もない、まっさらな女の子だから。
どうか、愛してね。
彼女がもう手遅れという事を、私は知らない。