もしかしたらあった世界線
おんりーへ
送ってきてくれた手紙、読んだよ
伝えてくれてありがとう!
僕としては、おんりーには
ドズル社から離れてほしくなかった
でも、逃げてもいいと思うで?
おんりーの気持ちを
優先することの方がきっと大切やから
それと、僕もおんりーが大好き
おんりーと話してると、嬉しくなる
今も楽しいけど、やっぱりおんりーがいないと
いつもと違う撮影で、寂しいと思うんよ
もし、もう一回来る気になったら、
ドズル社に戻っておいで
僕らは待っとるよ
おらふくんより
おらふくんからは、こんな手紙が返ってきた
手紙の裏にこっそり書いた住所に
送ってきてくれた
とても嬉しかった……けど
「来てくれないんだなぁ、」
自分で何も言わず、勝手に逃げといて
図々しいのは分かってる
でもやっぱり好きな人に来てほしいし…
もう一度、送ってきた手紙を見返した
“僕もおんりーが大好き”
これは、俺と同じ意味では無いんだろうな
おらふくんは、分かってるの?
俺の気持ち
あぁあ、やっぱり直接会って伝えるべきだった
こんなふうになるなら
気持ちを伝えたら、すっきりするもんだと
思ったのに…なんでだろう
ずっとどこか寂しい感じだ
心がなくなったみたいな
これが失恋、か
「ははっ…だめだなぁ…俺」
目の前に見えてるものがぼやけてく
これも俺の今みたい…なんてw
もう、やることも何もない
そう思ったら、
自然に足がどこかに向かっていった
雨が降っている中、
山奥の 橋の上から、下の川を見下した
ここは、誰も人がいないから、
あまり迷惑はかからないだろう
橋の手すりに足を掛けようとしたとき、
「おんりー!!」
…おらふくんっ、
「おんりー!なにしてん!?」
「…なにって、? 」
「それ落ちようと!?」
「おらふくんには、もう関係ないよ」
「なんでや!目の前で死のうとしてん人、
放っとけんやろ!」
やっぱりおらふくんだな…
「おらふくんは、俺のこと好き?」
「もちろん好きよ!!」
……ほらね
「そっか……じゃあやめる」
「ほんまに!?」
「うん、ほんとw俺、何やってたんだろうw」
「よかった…!!ほんとにびっくりしたんよ」
「ごめんごめん、」
「じゃあ…おんりー、帰ろう?」
「うん、…あ、俺この奥の家に用があるんだ」
「そうなんや…だったら僕も…」
「ごめん、その人は他の人が苦手なんだ」
「……分かった、ふもとで待っとるよ」
「…うん、……じゃあね 」
「またね!」
おらふくんには悪いけど、嘘をついた
来てくれたのは嬉しかったよ、でも
しょうがないじゃん?
心配かけたくないし、言ったら止められるし
俺はやめるつもりなんてないよ
去っていくおらふくんの背を眺めながら呟いた
「また、帰るね」
俺は川に身を投げ出した
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