子供の頃からずっと一緒に生きてきた幼なじみのオリバーと私が恋人になったのは、16歳でした。
彼から告白をされたのは、森の奥にある美しい泉の畔。
美しい花々が咲き誇っておりまして、私がとても大好きな場所でした。
「僕と、ずっといっしょにいて欲しい。家族を作りたい」
ただ、好きと言われるより、オリバーの素直な気持ちがずっと嬉しかったのです。
でも、家族を作るということは……。
「オリバー……私……赤ちゃんを産むことはできないかもしれないけど、本当にいいの?」
この時には、すでに医者からは長く生きたければ赤ちゃんは諦めろ、言われておりました。
ですから、オリバーがもし自分の赤ちゃんを望んでいるのだとしたら、私ではなく別の女性の方が良いとも思ったのです。
「シャルロット。僕は、君との赤ちゃん以外はいらないよ」
「だとしても私は……」
「互いに命尽きる時まで、僕の側にいて欲しいんだ」
「オリバー……」
「シャルロット、愛している」
オリバーはそう言うと、私を抱き寄せました。
それから……。
「んっ……」
唇に触れるだけの軽いキスを、くれました。
それから、オリバーの舌が、私の唇を優しく開いていきます。
「んんっ……」
私の舌とオリバーの舌が絡み合い、それから互いの唇を貪るような激しいキスになっていきます。
「オリバー……愛しているわ……んっ……」
「シャルロット……僕も……君を愛しているよ……」
まるで、泉の女神様に愛を誓うような神聖な儀式のように、私たちは愛を確かめ合いました。
異変が起きたのは、その直後でした。
それから、オリバーが私の左胸に手を伸ばしました。
きっと彼にとって、無意識だったのでしょう。
彼の手のひらが、激しく私の左胸を掴んだその時でした。
「うっ……!」
急に心臓に激しい痛みが走りました。
私の体は膝から崩れ落ち、花の上に倒れていきました。
「シャルロット!シャルロット!!しっかりしてくれ!!」
意識を失っていく中で、つい先ほど愛を誓ったばかりの愛しい人の声だけが最後まで聞こえていました。
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