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桃赤
赤『はぁっ、はぁ…』
まだ夏と言えるか微妙な季節。
それなのに朝のニュースでは熱中症対策をと放送されている今日。
広いグラウンド5週と言われ、今にも倒れそうなのだが
体育の担当教師は本当に休ませてくれない。
全校生徒から普通に嫌われている先生だ。
赤『っ……せんせっ…』
先『早く終わった子はもう一周なー!』
…先生も暑さでおかしくなったのかな()
心の中で少し失礼なことを思う。
桃『よっ!』
赤『ふぇっ!?』
おそらく早く終わり、もう一周走らされたのだろう。
幼馴染で初恋相手の桃。
余裕そうに隣を走る姿は本当にかっこいいと思う。
桃『ちょっと避けて座っとけ』
…あれ、なんで?
赤『う、うん…』
ドキドキする。
これは…きっと走っていたから、だよね。
赤『っ、はぁ…ぅ…はぁ…っ…』
呼吸が荒くなっていく。
ほんと、まるで真夏のよう。
先『こん……時期……あつ…な…』
桃『…!こ……あつ…じゃ……!』
先『〜〜!〜〜?』
桃『〜〜!!』
だんだん周りの声が聞こえづらくなっていく。
桃くんと先生、喧嘩してる…?
桃『赤っ!立てるか? 』
赤『…む、り… 』
桃『わかった、ちょっと体動かすぞ…』
赤『え、えぇ…っ??』
桃『うわっ、先生いねーじゃん…まじかぁ〜』
『俺こういうのわかんねぇよ…』
赤『…ぁ、あそこ…』
と言ってしまうのは、熱中症だとわかっている証拠。
桃『あ!対処方法書いてあるじゃん!ありがとな!』
桃『こんなんで…いいのか…?』
赤『うんっ、できてるよ、ありがとう…』
桃『よかった、』
『どう?体調は…吐き気ある?頭痛とか…』
赤『頭痛い…』
桃『また先生来たら伝えとくな。』
『俺も授業あるから…ごめん。』
赤『ううん、全然。ほんとにありがと…』
桃『じゃ!』
赤『はぁぁ〜///』
『かっこい…』
忘れてはいけない。
初恋の相手だ。
わかんねぇ〜…とか言いながらもしっかりしてくれるなんて…
かっこいい以外ないでしょ!!
でも、
…男同士だし、色々してくれたんだよね。
馬鹿だな、俺…
赤『ん、んん…』
『…?あ、』
『桃くんっ、?』
なんで隣にいんの…?
桃『あ、おはよ』
赤『…?』
『え、もう下校時刻じゃん…』
桃『しっかり伝えといたから安心しとけ』
『…にしても爆睡だったなぁ笑』
赤『やめてよっ!?///』
ただ恥ずかしいのか、それとも寝顔を見られていたことか、顔が赤くなるのがわかる。
桃『一緒に帰ろーぜ!』
赤『うん…!』
赤『…今日はありがとね』
桃『大したことしてねぇよ笑』
『先生、どーなるかなぁ笑』
赤『え?』
桃『全部言ったったわ笑』
『校長、ご立腹でしたよ笑』
赤『…笑』
『桃くん強すぎ笑』
赤『ねぇ、』
桃『ん、?』
赤『……やっぱ、なんでもなーい…!』
桃『なんだよそれ…』
『……』
赤『…これからも、一緒にいてね。』
桃『…おう…』
この時、伝えられなかった想い。
それは、この先の未来で一つに_.💍
『片想い?両想いっ!』
𝐸𝑁𝐷𓂃𓈒𓏸🕊️
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