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🖤視点
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一緒に住み始めて2ヶ月のある昼下り
トントンとノックの音がして、返事をする前にドアが開いた
そこからひょっこりと顔を出した愛しい恋人は、顔を傾けながら
「今、時間ある?」
ベッドの上で胡座を書いて、ペン片手に次のドラマの台本を読んでいた俺
あると言えばあるし、ないと言えばない
実際、台本を頭に入れなければいけないのだから断るべきなんだろうが…
忙しい身の上で、休日がかぶる事は珍しくて、朝から何やらバタバタして全然構ってくれなかった大介の方からやってきてくれるとなると、つい甘やかしたくなる
「なんかあった?」
尋ねると、時間があると受け取っただろう大介が部屋に入ってきたが、その手には茶色の小さな紙袋が握られている
大介はベッドに上がってくると俺の向かいに座って
「やりたい事があります」
そう宣言してから、紙袋をひっくり返した
ぼとぼとぼとっとベットに転がる何種類にも渡る飴玉の数々
大きさも色もまちまちで、駄菓子屋にあるような砂糖がまぶされたような大きなあめ玉から、丸くてちっちゃくて三角な、なの有名ないちごみるくもある
色だってSnow Manカラーが揃ってるぐらいに豊富だ
因みに黒は何味なんだろう
黒糖?
コーラ?
唐突に始まった飴玉屋さんに困惑していると
「蓮はどの飴が好き?」
「えっ…ん~」
この中から選べというなら、ひょいっとあの有名な“いちごみるく”を手に取った
小さくて可愛いし
子供の頃から馴染みがあるし
何よりサクマ製菓の商品ですから
「いちごみるくかぁ」
好きを聞かれたから答えたのに、腕組みをして「う~ん」と唸る大介
「ダメなの?てか何がしたいの?」
「ん、とね」
何でか少し頬を赤くした大介は、ぼそっと呟いた
「飴が溶けきるまでちゅーしてたい」
ちょっと唇を尖らせて、目線を逸らす感じは照れてる証拠
俺は何を言われたか理解出来ず…反芻する
シーツの上に転がった無数の飴玉を見つめながら――――
飴が溶けきるまで
「……………………」
「……………………」
ちゅーしてたい
――――えっ!!!!
俺が沈黙したせいで、顔の赤みが広かった大介は何やらもじもじしている
「いちごみるくなら、さくっと噛んだら終わっちゃうなって」
確かに
あの飴を溶けきるまで嘗めた記憶がない
あの飴は、いちごの飴が薄くなった所をカリッとして中のシャキシャキしたミルクと一緒に味わうのが良いんだよね
「大介ならどれが良いの?」
なんかドキドキしてきた
大介が指で転がしたのは大玉の飴
みぞれ飴ってヤツ
「死ぬよ!!」
こんな大きいの
溶けきる前に、どっちかの喉に詰まりそう
単純に大きさで選んだだろ
てか、それだけ俺とキスしてたいってこと?
「うぅ、だよね。じゃ、普通の大きさにするとして何味が好き?」
「いちごミルク、ピーチ、ピンクグレープフルーツ」
「ん?」
共通点は、
「お前、色で選んでね?」
「うん」
大介の色
「お前、俺のこと大好きだね」
「うん」
「うっ…」
素直に答えれば、もう!!と照れかくし
好きでなければ一緒に住もうなんて思わないでしょ?
「じゃ、定番のいちご」
大介は透明の小さな袋に入ったピンクの飴を引っ掴むと、破ってぽいっと俺の口に入れた
あれ?
これって…
真実を告げる前に、ふにっと唇に唇の感触が
膝立ちになり、俺の肩に手を置いて顔を寄せた大介の腰を抱いて、俺は胡座を解くと導くように膝の上に座らせる
大介が俺の口内に舌を入れた瞬間
「!!」
ビクッとしたのが腰に回した手に伝わる
「騙されたぁ」
そう訴えられても
思わず笑ってしまう
選んだのは大介
俺の口に放り込んだのも大介
透明の袋に入っていたピンクの飴は梅味
「梅は赤じゃないの?」
「いちごも赤多いよ」
「ん、あれ?」
だから俺はピンクになるようミルクも付けたのに
「梅味のちゅーって渋すぎない?」
ちょっと涙目なのは、甘いと思っていたものが思っていた以上に酸っぱかったからかな?
まぁ、俺はどっちでもいいよ
大介とキス出来るなら
「もったいないから完食するよ」
ほらって言って
大介の首の後ろに手をやって引き寄せる
梅味の飴を大介の口に移して、続行
飴玉を意識しながら、いつも以上に舌を使って溶かしてく
味付きの唾液がジュルリと音を発てた
「…んぅ…」
漏れる声が艶かしくなっていく中で、無意識に腰が揺れる
服越しに擦れる感覚
口内で行き来する飴はまだまだ原型に近い
「これ、溶けきるまでキス以外はダメなの?」
結構キツいんだけど
「ダメ」
涙目で断られた
腰、揺れてたくせに
どういう目的で始まったかは分からないけど、仕方ない
付き合ってあげるけど、その後は知らないから
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