「三上!」
神社には思った通り三上がいた。
「来たか、瞬」
「お前ふざけんなよ! 心配したんだからな!!」
近づこうとした俺に、三上が待ったをかけた。
「今、神社の神様に聞いてみた! お前が近づくと大変なことになる!!!」
「何が?」
勢いが勝ってしまった俺の右足が地面についてしまった瞬間、手が見えた。無数の手が。その手が俺の首を一斉に締めた! 悲鳴を上げる前に、俺は気を失ってしまっていた……
次に目を覚ましたとき俺は境内の木に寄りかかっていた。
「気がついた?」
「俺……」
「バカだなお前は」
「ごめん、三上。あんなに言ったのに……」
「いいよ。これが理解できるひとなんて、限られてるから」
起き……上がれない。? あれ?
「無理だよ。しばらくは。だって幽霊の手に殺されかけたんだもん」
「幽霊」
信じられない。俺はそういうのからっきしだし……そういうのは、三上だろ。
「それが、恋人縁切り事件の凶器になるかな」
三上は俺の口に水のペットボトルを押し当てて言った。
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