~注意事項~
・一話参照
───────────────
「tnからの情報やと、この建物で違いないな??」
「せやね~、zm、暴れよーぜ!!」
「おう!!tn達を捕まえた奴をボコボコにしてやろうぜぇ!?」
「ええ~!!程々にしてくださいよ!?」
zm、sho、rpは仕事にキリがついたので、tnの情報を頼りに雪山を登っていた。
zmはナイフをくるくる、と指で回していた。
shoはシャベルを地面に刺して、建物を睨んだ。
rpはあわあわと2人の先輩の背中に隠れていた。
zmが大きく手を動かして門を叩く。
暫くすると、扉が開いて顔をひょこりと出した。
tn、もしくはshpではない。
ということは、2人を捕まえた奴だろう。
zmは素早く動いて男を突き飛ばした。
「よわっちーな!!」
shoもrpも後ろを着いて建物に入る。
暗い。ひとつの言葉で言えば暗い建物だった。
こんなに大きな建物なのにライトも片手で数えるには収まる程しかないのでは?
というほどに暗かった。
「…!?」
「ヒャハッ。ビックリしてんなぁ!!おい、rp~!!紐くれ!!」
「え、は、はい!!」
zmは男を縛って床に転がす。
「はーい、tn達はどこですか~??言わないとこれやで??」
shoがシャベルを男の頭に乗せる。
「…ッ、」
男は震えていた。なのに、喋る気配はない。
zmが口元を隠している服を下ろす。
「…、!!」
酷い怪我の跡だった。
口を刃物で横に切られたような傷。
今はもう治っているが。
何があったのだろうか、とzmが困惑する。
「…はよ言わんと、これより痛いことなんで??」
口元の傷を人差し指でなぞる。
「…!!この声!!tnさんの声ですよ!!」
rpが階段を駆け上がっていく。
zmはrpを追いかけて階段を登る。
shoは男を睨みつけたまま。
─────────────
「tnさん!!…って、tnさん!?」
tnが廊下で倒れていたのだ。
階段から落ちたのか、または何かをされたのか。
「tn!!…、shp!!」
奥の部屋から、ぐったりと横たわっているshpが目に入りzmはカッと目を見開いた。
「rp、2人を安全地帯まで頼む。怪我もあるか、確認してくれ。」
「はい!!」
zmはナイフを口に加えて、階段を飛び降りた。
rpはtnを担ぎ、shpの元へ歩いた。
「1番年下が2人も担げるわけないやろーッ!!!!」
そんな嘆きも、どこかへ消えた。
─────────────
「話さんともっかい殴るぞ~??」
「…ッ、ッ。」
shoがシャベルをぶんぶんと振っていると、zmがすごい勢いで走ってきた。
「おーzm……ッ、!!」
「…tn達に何をした。言え。」
zmはナイフを男の目に突き刺す寸前まで構えた。
男は驚きながらも、パニックにはなっていたなかった。
「…。」
「…、なるほどな。言わへんねや。」
zmは男の首をナイフで切った。
スパッとなり、血がぴゅぴゅっと出てくる。
致命傷ではないほどだ。
「言え。痛いことは嫌やろぉ??」
「…。」
それでも、男は黙っていた。
shoがシャベルで足を叩く。
それでも、男は黙っていた。
「…こいつッ。なぁ、sho。腹くらい切っても怒られんよなぁ」
「ええやろ。やろーぜ!!」
と、服を脱がす。
そして、2人は口をあんぐりと開けた。
「…え、??え、これ、おまえ、」
有り得ないほどに大量の傷。
腹を切ったような傷、胸から腰まで続く切り傷、腹を打たれた銃痕、首を飛ばされたような切り傷、囲う火傷。
その他、大量に。
こんな傷を作って、今まで生きてこれるはずがない。
男はzmの頬を撫でた。
「…!!」
ビクッと肩が跳ねる。
咄嗟に避けることができなかった。
「…。」
zmの瞳を眺めたあと、shoの瞳を眺めた。
その瞳が、どこか懐かしくて、2人は動くことができずにいた。
「…、」
ボタボタボタッ。
「わっ、あ、血が…。」
1度shoが殴った頭から血が垂れてくる。
わあわあ、とshoが慌てるが、男はずっとshoとzmを交互に見ていた。
まるで敵意がない。
なんなら、仲間かのようだ。
「…お前、俺らに着いてこいよ。怪我も、手当した方がええぞ。」
そう、zmが誘う。
だが男は首を横に振った。
それから自分のタオルを頭に巻いて、立ち上がった。
zmとshoの背中を押して、門の外へ出す。
静かに、手を振る。
「…、邪魔したわ。」
「…。」
こくん。
男の髪の毛に少なからず目立つ水色が、目に焼き付いたのは気のせいではない。
─────────────
静まり返った部屋に1人。
pp、いや。
ciはナイフを握りしめた。
先程shpが寝ていたベットをナイフで切りつける。ズタズタに切って、ボロボロに裂く。
綿や埃が舞うが、別にどうでも良い。
ciはナイフを持ったまま頭を搔いた。
ナイフが髪に当たり、ハラハラと髪の毛が落ちていく。
顕になる傷だって、もうどうでもいい。
ciはナイフを壁に投げた。
壁にビンッと突き刺さるナイフを見て、息を着く。
嫌だった。
あいつらと絡めば、あいつらを死に巻き込む。
それを学んだんだ。
何回もの仲間の死と自分の死を繰り返して。
ciは限界だった。
あいつらを忘れることさえできれば。
そのために、今回は1人で生きてきたのに。
生まれた故郷も幼くして抜け出した。
tnとの絡みを無くすために。
雪山にひとつ建物を買い、そこに住んだ。
なのに、まさか散歩の時に倒れている仲間を見てしまうとは。
ciは嫌な予感がして助けてしまった。
結局、また絡みを増やした。
ciはそんな自分が嫌で嫌で。
耳に残るあいつらの声が怖くて怖くて。
ciはナイフを壁から抜いて片耳に当てた。
もう怖くない。
何度痛いことをしてきたと思っている。
今から死ぬことだって可能だぞ。
ciは容赦なく片耳を切り落とした。
─────────────
「…うーん、」
「tnさん!!!!」
tnはゆっくりと目を開き、瞬きを繰り返しながら意識を戻して行った。
隣に座るemが水をコップに注ぐ。
「…、ん"ぁ。ぁれっ、ここは、」
「W国の医務室やで。tnさん、倒れてたんやから。」
emから水を貰い、1口喉を潤す。
emを挟んだ隣のベッドにはshpが寝ており、傍でknが座ったまま寝ていた。
「怪我もしとるし、オマケに発熱まで。」
emはtnの額にあるタオルを取り替えた。
tnは自身にも熱があるとは気づいておらず、ぽかんとタオルを見つめていた。
「救助が遅れたんはほんますまん。」
「んいや、大丈夫やで。」
「怪我、少しの手当はされとったから、後遺症とかにはならんらしいわ。」
emは濡らしたタオルをtnの額に乗せた。
ヒヤッとなり、tnは思わず目を瞑る。
「shpくんは、さっき起きてたけど…。また寝とるね。」
「起きたんや。」
「tnさんは、頭ぶつけてたからそれで少し脳がパニックになってたんかも、ってsnさんが言うてたで。」
「はえー…。」
emが真剣な目付きでせっせと準備をしていた。
地図に、書類に…。ん?
「…em、何をしとるんや。」
「ん??ああ、彼について調べたんよ。」
写真を1枚、ベッドの上に置いた。
その写真は古臭く、少し破れていた。
写真に映る男は綺麗な水色髪で橙色の瞳をしていた。
口元には赤黒い傷跡がある。
先程の男、ppだとtnが気づくまで時間はかからなかった。
「…ふん、水色髪に染めた直後の写真か。」
「ああ、今はちゃうんやね。」
「黒髪やったわ。少し水色が混じってて。」
「なるほど。」
emが胸ポケットから出したメモ帳に書く。
書類を取り文を眺めていると、出身地はtnと同じだということが書かれていた。
「なんやこいつ、俺と同じ国生まれやん。」
「あ、そーなん!?ほえー。」
「ふうん。…って、あれ?なんか名前ちゃうぞ。」
書類には、ppではなく、c…なんとかと書かれてあった。
古すぎてなんと書いてあるか解読不可能である。
「…まあ普通本名言わんよな。」
emが納得したように頷く。
「というか、なんでzmさんとshoさんが彼を生かしたのが1番分からんわ。」
「…それは、どういうことや?」
「彼を見たことがある気がする言うてさ。」
tnは、理解したように頷く。
自分も、あの雰囲気をどこかで感じたような気がして。
emは不思議そうに首を傾げた。
────────────
「こんな感じの…男やねん!!」
「…zm、これはー…。バケモノか??」
会議室では、zmとshoが紙に絵を描き、見覚えのある男を皆に伝えようとしていた。
だが、どうにも伝わらず、rbはバケモノ呼びをしてしまうほどだった。
「だーかーらー!!!男言っとるやん!!」
「いやでもなんやこれ、腕と足同じ位置やん。」
「それは俺の芸術やんか!!!!!!」
バンッ!とzmは机を叩く。
knとgrはケラケラ笑いながら絵を見た。
「確かになァ!!zm、こいつ口どうなってんの!?!?これも芸術か!」
knが輪郭まで続く口を指さす。
「口がな、裂けててん!!赤い線でビーッ!って。」
shoが両人差し指を口に当てて頬へと引っ張る。
zmが服をめくり、腹を指差して続ける。
「腹もな、刺し傷とか、火傷跡とか!!あいつ絶対只者ちゃうで!」
それを聞いたgrがにやりと微笑んで絵を手に取る。
「ほう…。気になってくるではないか。」
「あ。grが興味持ったわ。ソイツおわったやん。」
、とrbが笑い出す。
それを見ながらutは1人だけ不安そうな顔をしていた。
「shpくんとtn襲ったやつやろ、そんなんええの、??」
「でも、俺とshoに敵対心を見せなかった。」
「それに、見覚えもあんねんで!!」
「元々、ここの軍におったとか…??だとしたら、スパイちゃうん、」
utは納得いかないようだ。
「見覚えのあるっちゅーのも、なんかこう…ワーッ!!!!みたいな感じやねん。」
shoのデタラメな説明に、ut以外の皆も頭の上にはてなマークを浮かべた。
「ん"あああッ!とにかく!!お前らも会ってみぃや!!!!!!!!!」
短いけど切ります
遅れてすみません🙇♀️
コメント
11件
更新あざっす😭 いつも楽しみにしてます!!
もしかしてciくんが声だしてないのって.....声帯?とか潰したから.....?’