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マキ
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#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
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ねこさん⛄️
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ヤカと九さんの食器の打ち合わせが終わって、化け狐勢3人が帰って行ってから。ヤカに、お菓子でお腹いっぱいだから夕飯はなしにしてほしいと伝えたら、難色を示された。
{お菓子ばかりはよくない、熱量はとれるかもしれないが、人間にはタンパク質やビタミンやミネラルが必要だ}
「そうは言っても、お腹いっぱいなのよ……」
{では、卵と軽い野菜スープだけならどうだろうか?}
「じゃあ、それだけなら頑張る」
{では用意する}
で、ヤカが用意してくれたのは温玉乗せトマトポタージュ。塩気を含んだ旨味と、トマトのフレッシュな甘酸っぱさがおいしい。
「あー、しょっぱいものが沁みる! 甘いものばっかり食べてたから……」
{それはよかった}
ヤカは普通の食事を食べている。トマトポタージュと、バゲットまるまる1本と、かぼちゃサラダ山盛りと、ポークソテー2枚。多分、私用に用意してたやつも食べることにしたんだな、食べなくてごめんね。
私はトマトポタージュを一口飲んで、それから思いついたことがあってヤカに聞いた。
「ヤカはさあ、人間とは違う味覚みたいだけど、どんなものが好きなの?」
{そうだな、味というか、熱量が高いものだと嬉しくはあるが……}
ヤカは首を傾げて少し考えたが、やがて言った。
{調理されたものが好みと言えば好みだ。食べやすい}
「じゃあ、生野菜とか生の果物はあんまり好きじゃないんだ?」
{そういうわけでもない。人間が消化できる程度のものなら、基本的に食べやすく感じる}
「へえー、逆に嫌いなものは何?」
{食べたことはないが、おそらくパクチーは苦手だと思う}
「え、食べたことないのに?」
{似たものが嫌いなんだ。庭にいろいろ虫が来るので、あまり多いと食べてしまうのだが}
「食べちゃうんだ……」
まあ、ホコリとかネズミの死骸とかも食べる人だからな……。
{だが、カメムシだけはいけない。揮発成分が強力すぎて、初めて食べたとき命の危険を感じた}
「そんなに」
{パクチーのにおいはカメムシのにおいに似ていると伝え聞く。揮発成分が似ているようだから、おそらくパクチーは苦手だろう}
「なーるほど」
私は半熟卵を潰して黄身を食べ、そしてヤカに笑いかけた。
「なら、好きなもの、これからたくさん食べてね。お金だけはあるからさ」
ヤカは、少しびっくりしたように私を見た。
{……ありがたい}
食べ物くらい、何でも食べてほしい。たくさんすぎるお金は持て余すし、正直嬉しくないけど、命の恩人に「何でも食べていいよ」って言えるお金があることは、嬉しいなと思う。
コメント
1件
ああ、この話、すごく好きです。ヤカの「カメムシは命の危険を感じた」が意外すぎて笑ったけど、その流れでパクチーが苦手かもって推測する思考回路、すごくヤカらしいなって思いました。それと、主人公の「好きなもの、これからたくさん食べてね」って言葉、さらっと言ってるけどものすごく温かい。お金の使い道として“誰かに何でも食べさせてあげられる”って発想、なんだかじんわりきますね。