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ーーーーー10月16日 博麗神社ーーーーー
確かに私は了承した。確かに私はにとりに大会に参加してもいいといった。しかしこれはないだろう。今日の朝刊の一面には大きく、「博麗の巫女、霧雨氏と大会出場決定!」と書いてあった。更に、にとりへの取材の中には「優勝候補」、「幻想郷一」、「最強巫女」などと書かれてあった。何が優勝候補だ。私は銃を一度も使ったことすらない。天狗ももっといいネタを見つけたらどうだ。こんなことばかり書いていたら読者が一人減るぞ。
これにはさすがの魔理沙も妬いていた。彼女曰く「私の方が強」くて、「霊夢なんてぼこぼこにしてやる」らしい。一応チームらしいので、そういうことはやめてほしい。そんなことを考えていると、ちっこい河童が飛んできた。
「霊夢さん、早く来てください、遅刻しますよ。」
「何に遅刻するのよ。」
「開会式ですよ、聞いてないんですか。」
「聞いてないわ。」
「昨日来ていただいたところです、早く来てください。」
開会式ってなんだ。全く聞いていないぞ。しかし、今は文句を言ってても仕方ないので急ぐことにした。後ろで河童が何か言っていたが、よく聞こえなかった。
ーーーーー妖怪の山サバゲ―大会本部ーーーーー
「おお、優勝候補さん、遅れずにやってこれたようだな。」
「魔理沙、開会式って何よ。」
「あれ、言ってなかったけ。」
「あんた殴るわよ。」
「すまんすまん。」
本当に殴ってやろうとした時、にとりが高い椅子の上に立ちあがった。
「諸君、今日は妖怪の山サバゲ―大会の開会式に集まってくれてありがとう。
我々河童がこの大会の開催するためにたくさんの労力をかけてきた、その分皆には楽しんでもらいたい。
私が言いたいことは一つだけ、みんな、楽しんでくれ!」
その言葉の後、周りの人たちが一斉に叫んだ。
「さて、この後参加者の皆はテントの裏、スポーツ賭博をしたい奴は左のテント、資料を見たい人は右のテントにいってくれ。」
なんて簡素な説明だろう。昨日の話を聞いた後だと涙が出てくる。
「さっ、霊夢行こうぜ。」
「ええ。」
ーーーーー本部テント裏ーーーーー
テントの裏に行くと、顔見知りしかいなかった。
「さっきの人たちはどうしたのよ。」
「里の人たちのことか。あいつらはただの観戦者だよ。」
困った。みんなで仲良くワイワイ、そして隙があれば逃げようと思っていたのに。
「あら、あなたもやるのね、霊夢。」
「何よ。レミリア。」
「こういうのには興味がなさそうだと思ってたわ。」
「その認識であってるわよ。」
レミリアはまだ何か言おうとしていたが、にとりの声がそれを遮った。こいつ毎回タイミング良すぎるだろ。
「みんないつものメンバーだな。なら挨拶とかはいらないか。机の上の適当な銃を選んでくれ。そのあと三日間みっちり練習して、そのあと本番、知ってる通だろう。」
そんなことはない。困ったものだ。しかし、この日のために私は少し香霖堂や阿求邸で勉強をしてきた。問題はないだろう。
ダダダーっと弾をいっぱい出す奴が自動小銃、遠距離からパーンとやるのが狙撃銃、近距離から同時に大量に弾を出すのが散弾銃。この顔見知り集団で一番知識を持っているだろう。戦いはもう始まっているのだ、ここでほかのやつに圧力をかけれれば、もはや勝ったも同然。そのため私は案内役の河童に声をかけた。
「失礼お嬢ちゃん、狙撃銃ってのはどこら辺にあるのかね。」
「霊夢さん、気持ち悪いですよ。狙撃銃はあっちの机です。」
なんてことだ。もっと「霊夢さんかっこいい…」「惚れちゃうわ。」などの反応を期待していたのだが。仕方がない、切り替えよう。そうして私は狙撃銃の机に向かった。
「説明しましょうか。」
「気が利く河童だな、頼むわ。」
「分かりました。狙撃銃は主に長距離用の銃器ですが、その中でも有効射程の長短があります。長いもので言いますと、ヘカート IIが1800m、レミントンMSRが1500mという風になっております。しかし、照準機の焦点が遠いので近距離には当たり辛いです。更に、今回のフィールドは山、当然木があるので視界がふさがれて狙いにくいです。なのでおすすめは射程800m当たりのスプリングフィールドM14とか、M24とかです。更に一回一回レバーを引く必要があるボルトアクション式と、一発ずつ撃てるセミオート式があります。ほかにも沢山あるので良いのがあったら気軽にお声がけください。」
全くわからない。感性に任せてかっこいいのを選ぼう。それが一番。
十数分後、ビビッとくるのを見つけた。黄味がかった灰色の銃身に、二本のかわいい脚。これしかない。河童に聞いてみた。
「河童、こんなんとかどうよ。」
「いいですね。M110ですか。有効射程は800m命中精度が高くて近距離でもそこそこ戦えます。セミオートなので使い勝手もよいです。いいのを選びましたね。」
「ならばこれにするわ。」
「ではにとりさんのところに行ってください。」
行ってみるとにとりに銃の型番を書き留められ、銃弾をもらい、三日後に来いといわれた。銃のずっしりとした重さが心地よい。外に出ると魔理沙が待っていた。どうやら、守矢神社の訓練場というところで練習ができるらしい。魔理沙は今から行ってみるらしい。しかし、私はもう疲れたので家に帰ることにした。明日からこいつを試すことにするか。