テラーノベル
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「おはよーーーーーうっ!!!」
バコーーーン!という朝に似つかわしくない音とともに、居間に誰かが飛び込んでくる。反射的に振り返るとオーストラリアだった。
全く、心臓に悪い…こんな朝っぱらからなんだっていうんだよ…。
ちらっと時計に目をやると、まだ6時。こんな時間にどこからそんな元気がでるのか。呆れ返ってオズを見直すと、もう歯を磨き始めている。早すぎやしないか?
「はあ、忙しないな!これだから_________」
俺はオズへの愚痴を漏らした…のだが、それはすぐに止まってしまった。
それはなぜかって、あるものを見たからだ。
いや、信じられない、本当に信じられないのだが………
「け、ケモっ………!?!?」
あいつの頭に、ウサギの耳が生えていた!!
オズの肌と同じ、深い青のふわふわそうな耳が。
もちろん目を擦ったよ!寝ぼけてるんじゃないっかって。だけどそうじゃなかった。どれだけ目を擦ろうが耳はついているし、頬をつねっても痛いばかりだ。
………正直疑問しかない。
だってその姿は幼馴染の僕でさえもみたことのないものだったし、オズにそういう趣味があるとは思えない。
…、いや、本当はこういうのが好きなのか…?
「……………。」
………………。
…いや、あいつの趣味どうこうは一旦置いておくとして、どうしてみんな何も言わないんだ?どうしてこんな、こんな当たり前みたいに過ごせる?俺がおかしいのか?
そんなことをぐるぐる考えるうちに、なんともいえない感情が顔へ出ていたらしい。オーストラリアが駆け寄って話しかけてきた。
「ねえニュージー、さっきからすごい凝視してきてるけど……
ボクの、そんなに変…かな?」
不安そうに、そして少し照れくさそうにこちらを覗き込んでくる。その間も俺は耳から目を離せない。
「いや、変とかじゃなく…はっ!!」
気づいてしまった…………この状況!!!
多分オズにはそういう趣味があって、みんなは触れづらくて無言なんだな!?!?そうだったならこいつの照れくさそうな表情にも説明がつく!
今思うとひどい決めつけだが、その時は真相に気づいてしまった気分だったため、なるべく普通そうに、さらーっと答えた。
「いや、全然いいと思うよっ⤴︎?あ、そのえっと…個性的…っていうか、うん…俺は否定しないよ!」
少し声が裏返ってしまったが気にせず続けた。…我ながら酷い答弁…。
よくわからない返事をされたオーストラリアはキョトンとし、しばらくして何かに気付いたのか顔を赤くする。普段は青い肌がゆでだこのようだ。
「なっ…!何考えてるの!?
成長期だからに決まってるでしょ!!そういうんじゃないっ!!」
漫画ならふんっ!と効果音がついてしまいそうな顔で怒ってくる。だが、俺は成長期だから、というワードにひっかかって状況をうまく飲み込めない。
つまり、成長期…思春期だからしかたないでしょってこと?最後の言葉も逆張りみたいな?う、うーん?よく分からないな…
「つ、つまりオズは思春期の変態コスプレイヤーってこと?」
「はあっ!?」
混乱のあまり、自分でも理解できないような言葉を口走ってしまう。ぁあ、口開かなきゃよかった…!!オズも…なんか恥ずかしそうにしているし…。
そしてこんな会話に注目が集まらないはずもなく、ちらほらとこちらに人が集まってきた。
最初に話に入ってきたのはまだあどけなさの残るお姉ちゃん、フィジーだった。ツバルの手を引いて近づいてくる。
「ニュージー兄さん…!あははっ、人のこと変態コスプレイヤー呼ばわりは流石にどうかと思うよ…!?笑」
半笑いで言ってくるところにまた違和感を感じる。こっちは真剣なのに!
「そうだよニュージーお兄ちゃん!オーストお兄ちゃんが面白い反応をするからって、あんまりいじめちゃあだめだよ!」
こら!と手を握ってきたのはツバル。兄ちゃんいじめてる訳じゃないんだけどな…?
意味を理解しようと3人の言葉を自分の中でもう一度よく噛んでみたのだが、訳が分からない。訳が分からなさすぎたのでついに聞いてみようと決意した。
「コスプレ以外で、どうやったらその格好になるって言うんだよ?」
捻り出した一言。もうこれ以外なかったんだ、許してくれ!
だが、そんな願いも虚しく部屋中の兄弟から「ええ?」という目を向けられる。あぁ、やめて…兄ちゃんをそんな目で見ないでくれ…。
なんだか、1人だけ異質な存在であるかのように思えてくる。
「…本気で言ってる?」
さっきまでとは打って変わって、オーストラリアの顔には困惑の色が強くでている。
この言葉をオブラートに包まなければ頭大丈夫?だろう、と思うくらいの表情だ。
だが、その頭がおかしいと思われるような発言をした張本人は至って真剣なのだ。
「お兄ちゃん、大きくなるときに普通とは違う成長のしかたをする人もいるって習ったでしょ?」
まだ小さな妹に指摘されてしまう。だけども、その指摘さえも理解しきれない。
習った?幼馴染がケモ耳を生やす現象を?くそ、全く身に覚えがない!
さっきまでざわざわしていた居間はすっかり静かになっていた。背中に冷たい汗が流れる。もちろん全然意味がわからないからだ。
本気で分かっていなさそうな俺を見て、部屋中の兄弟が目を見合わせた。そしてパプアニューギニアがぼそっと言う。
「あー…疲れてんじゃね?休んだら?」
頭をぽりぽりかいて、気まずそうに。
そしてこの一言を筆頭に、「そうだね、きっと寝不足だよ!」とか「大丈夫?」だとか哀れみの言葉が部屋中から飛んできた。
やめてくれ、兄ちゃんのライフはもうゼロだ…っ!
(これは余談だけど「兄さんついに羊になっちゃったかあ…」って一言、聞こえてっからな!?どさくさに紛れて言ったやつ誰だよ!)
そんなこんなで同情されていると、大ホールの方から職員のベル先生が顔を出した。
「はーいみなさん、朝ごはんですよ!」
明るく入ってきた先生だったが、この異様な空気を見て「えっ!?何があったのさ、!?」と驚いていた。
ごめん、それ俺のせい…。
そんなことがあって、数時間後が今だ。
何が何だか分からんので整理すると、どうやら成長期には普通の成長のしかたをする人と動物や物のように成長する人がいるらしい。そして、そのことは今まで散々教えられてきたそうだ。
だか俺は全く覚えていない!!一体どういうことだってばよ…
つづく
今回のおまけ
一枚目がオーストラリアとニュージーランド、2枚目がフィジーです( ´•∀•`)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
#おそ松さん
ゆゆゆゆ
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コメント
2件
ぶっっっ文章力えぐく無いですか!?!? 絵柄も大好きです彩度高いのべりきゅ…😇🫰💞 これは可愛くて尊4しますわ…💕
ああ、もうめちゃくちゃ笑いました……!(笑) ニュージーがひとりだけ「ケモ耳!?」って常識の壁にぶち当たってるのが面白すぎます。「思春期の変態コスプレイヤー」って、確かに混乱するとそういう発想になるよな〜って妙に納得しちゃいました。 でもオーストラリアが「成長期だから!」って照れながら怒るところ、めちゃくちゃ可愛いですね……。この世界ではケモ耳が成長過程の一種って設定がまた絶妙で、続きが気になります!