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金曜日、良仔は帰宅後、服のリフォームをしていた。彼女は物資を捨てられない。母親が滅多に良仔の欲しい物を買ってくれなかったせいも有るが、いまだに中学生サイズなので、10年以上も前の物が着られる。リフォームと言うと、全く別物に変化した様に考えられるが、単に気晴らしでシャツに、子供服の可愛いらしかったチェックの部分等を裾につける程度で有る。そうやって消費しているので子供時代の服は余り無くなった。クラブの服に着替えても童顔が不似合いな感じを醸し出していた。「若い」とは少し違う。しかし一向に意に介さない。
(適当に派手な感じにリフォーム出来ないかな)ドレスに挑戦するつもりだった。そこへ母親が入って来た。「あんた遅く帰って来る日が多いけど、会社忙しいの?」良仔は、思い切って話してしまおうと思った。「会社辞めて、昼間はレストランで皿洗いやって、夜は週に3日クラブの経理をやってる。」母親はのけ反って驚いた。「な、なんですって⁉!」「だから水商売!!」「あんた大丈夫?そんな年寄りがやる様な事をやって!!私はあんたを最高学府まで出したんだよ!」父親は10年前に病死した。「お父さんに申し訳ないと思わないの⁉」母親は叫びながら泣き出さんばかりで有る。「うるさい!お母さんなんかアタシが何で辞めたのか聞きもしないで、いつも体裁ばっかりじゃ無い!」「当たり前でしょ!結婚前の娘がみっともない!サッサと辞めてちゃんとした所に就職しなさい!」「やめない! 皿洗いはともかく、クラブの方は、お母さんがパートで1月に稼ぐ給料の3倍は一晩で使っていく人がいるんだから!なにさ、いつも体裁とチマチマしたことばっかり言って。」「おだまり!水商売はそういう所何だよ、まっとうにやってる人間の何が悪い⁉」「別に泥棒した金で遊んで無いよ!」母親は黙ったが、「兎に角、止めなさい!」と言い、部屋を出ていった。