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【9】
「ボヌール、こちらへ」
「は、はい…」
あの後シエルは本当にボヌールを公爵邸へ持ち帰った
「ガジェット、いますか」
「坊っちゃまに旦那様!お帰りなさいませ……そちらのお嬢さんは」
「アルベルトの客人です
ここで預かることになりメイド見習いとして働くことになりました
メイドとしては明日からとして…ガジェットとりあえず風呂に入れてください」
「はい、畏まりました」
「こちらはガジェット、この公爵邸のメイド長です」
「ぼ、ボヌールです…」
「ではあとは任せます」
「はい、」
シエルはガジェット…メイド長にボヌールを引き渡し2人は風呂へ向かっていた
「貴方はどこから来たの?」
「この国ではなく…遠いところから…」
「なるほど、アルベルト様のご客人と言っっておりましたが」
「ただ、オークションで買われただけです」
「…そうですか…あの方はとても優しいですね」
「……あの、…私…ここで何をすれば…いいんですか…?」
「?何と言えば…坊ちゃんから何かと聞きしておりませんか?」
「…そのメイド見習いと、…」
「えぇ、私もあの場で聞きました…メイド見習としてここに住み込みで働きます」
「その、…メイドというのは…なんですか…?」
「そちらのお国ではなかったのですか?」
「…はい…メイドというのは聞いた事なくて…」
「あら、そうですね…メイドというのは主様の身の回りのお世話を致します
ここでの主は坊ちゃんと旦那様です。お二人のお食事やお二人のシーツ交換などを行います」
「…なるほど。」
「まぁ文化の違いもあるようなので丁寧にお教え致します」
「…よ、よろしくお願いします…」
「さ、まずはその汚い汚れやらなんやらを落としましょうね」
「まぁ!汚れを落としたらとっても綺麗ねぇ!」
「……」
「さっきまで来てたお洋服は他のメイドに選択させてるけど…今着るものがないのよね…
支給品の服も予備を今切らしちゃってて……」
「失礼致します、メイド長」
「あら、どうかしましたか?」
「坊ちゃんが、支給品が届くまで奥様の部屋のものを着させていいと…」
「あら…一応旦那様にもお声がけしといてください」
「かしこまりました、では失礼いたしました」
「…?…奥様…はどんな方なんですか…?」
「嗚呼、奥様はとても優しい方でした…優しく聡明な…」
「…?」
「さっ!綺麗になりましたからあとは綺麗に風邪をひかないように拭きあげて…着替えたら坊ちゃんと旦那様に改めてご挨拶に行きますからね」
「…はい、」
「坊ちゃん、旦那様、ボヌール様をお連れ致しました」
ガジェットが扉の外から声をかけると中から入るよう指示が入り、ガジェットは扉を開けると2人は食事をしている最中だった
「お食事中申し訳ごさいません」
「いえ、大丈夫です」
「ガジェット、その子の怪我や病気などは何もないか?」
「お医者様に見てもらい、特に体に異常はないそうです
健康優良児だそうです」
「それは良かったよ、さてボヌール」
「は、…はい…」
「メイドの服が出来上がり次第、すぐに住み込みでここで働いてもらう
それがアルベルト殿下が出された命令だ
我々はそれを守らなければならない…もし君になにかあった場合、我々の首が飛びかねない…君はこの国の第一皇太子殿下が買い取った人間だということをしっかり自覚しなさい
悪人にとって君はとてつもなく利用価値がある
ここまで言ってることはわかるかい?」
「は、はい…」
「すまないが基本的には君を外には出せない。
1人でも屋敷の敷地内でも出ないこと、屋敷の外に行きたいなら私か息子にちゃんと声をかけなさい
いいね」
「は、はい…」
「とりあえず今日は休みなさい、色々あって疲れただろう」
「あ、父上、殿下から伝書鳩が飛んできまして…」
「なんだ?」
「…ボヌールの健康など、確認事項が終わり次第王宮に連れてこいと…」
「…殿下には困ったものです……」
「まぁ、ですので明日は私と一緒に王宮へ行きますよ」
「は、はい…」
「すまんな、今日のうちにルース殿の元へ行かなければならなくてな…」
「また、魔獣ですか?」
「嗚呼、今年は魔獣の発生率が異様に高いしなんでか例年よりも凶暴性を持ってる」
「…」
「まぁそれも結界の外の話だけどな
お前たちはあまり気にするな」
「気にはなりますよ、特にアルベルトが」
「…殿下のことは、止めれなかったら止めれなかったで早めに連絡してこい……」
「はい、もちろんそのつもりです」
「止める努力はしてくれ」
「アルベルトが僕の静止を聞くわけがないでしょう」
「…そうだった…」
「とりあえず、明日朝から行くのでガジェット任せます」
「かしこまりました」
「下がって大丈夫ですよ」
「今日はここで寝なさい、部屋がまだ決まっていませんから
私と相部屋です」
「あ、ありがとうございます…ガジェット様…」
「私のことはメイド長と呼んでください」
「は、はい…」
「さっ、今日は色々あって疲れたでしょう
お布団に入って寝なさい」
「はい、…今日はありがとうございました…」
「私と言うよりも、坊ちゃん達と殿下へお礼をいいなさい」
「はい…」
「ではおやすみなさい、ボヌール」
「はい、おやすみなさい」
「…」
【…ふーん、こいつがアルベルトが買った奴隷か…】
翌日の朝となり、ボヌールとシエルは準備をして王宮へと向かっていた
「……」
「……」
「…ボヌール」
「は、はい」
「馬車の中とはいえ、端でガチガチに固まってたら王宮へ着いた時動けなくなりますよ」
「…す、…すみ、ません…」
「…まぁいいです…」
バタンと馬車の扉が締まり、出迎えたのはマラ1人だけだった
「あれ、アルベルトは?」
「今国王陛下と王妃殿下へ昨日のことを改めて報告中、アルベルトが戻るまで敷地内から出さなければ好きにさせといていいってよ」
「なるほど、らしいですよ」
【え〜、この子がアルベルトのオキニ?】
【まだ違うだろ】
【こら騒がない】
【ははは!!小僧はこの女がタイプなのか!】
【ルヴォン、勝手に触れちゃダメですよ
貴方は荒いんですから】
【わかってる】
【…あっれ〜もしかしてこの子俺らのこと見えてるねぇ〜!?】
【え?】
「え?」
【隠しているのに見えているのか?】
【稀にいるんだよね〜、どういうことかはよく分かんないけど、姿消してる俺らを認識しちゃう子】
【あら】
【へぇ〜〜……君名前は?】
「………」
【デュンケルハイト、やめておけ
どうせ見えてない】
【いいや、この子は見えてるよ〜
だって俺ちんと目が合ったもんね〜?なぁ?ボヌールちゃん】
「!」
【あ、ほら…なんで名前知ってるかって?
俺ちんの瞳は人間やらドワーフやら色んな種族の真名が見えちゃうんだよね
けど俺ちんが見てから名前言うとソイツは服従の対象になっちゃうから、名乗って欲しかったんだよね〜】
「!」
「ボヌール?どうかしました?ぼーっとして」
「あっ、の」
【シィ〜〜…”声を出すなよ”ボヌールちゃん】
「ッ、…!?」
ボヌールは口をパクパクとさせて青ざめていく
【デュンケルハイト!人の子をいじめるな!】
【え〜?いじめてないんだけど〜、
ねぇ〜ボヌールちゃん】
デュンケルハイトがボヌールの顔を触ろうとした瞬間にボヌールは目をつぶった
が、誰かに触れられることはなかった為目を開けるとそこには魔法障壁が展開されてデュンケルハイトの手は弾かれた
【!】
『デュンケルハイト、離れろ』
【…遅かったなぁ〜!待ちくたびれたぜアルベルト】
デュンケルハイトはボヌールから離れて中から出てきたアルベルトへ抱きついた
【おい、デュンケルハイト、一応そいつは俺の契約主だ】
『ミエルココンの言う通りだ、邪魔だ離れろ』
【え〜〜】
『離れろ、まずなんで精霊王がいるんですか…
しかも全員集合って…』
「「えっ」」
『なんだ、シエルとマラは気づいてなかったのか』
「知りませんでした…」
「申し訳ありません」
『いいよ、まさかボヌールが見えてるとは思わなかったな』
「……」
『あ、別に怒ってるわけじゃねぇよ』
「…あ、あの…」
『?なんだ?』
「だ、黙ってて…ごめん、なさい…」
『いいって、俺も聞いとくべきだったな』
「…」
「それで、殿下
陛下はなんと?」
『あ〜、自分で面倒見るならいいってよ』
「…アルベルト、一応この子は人です
そんなペットのようなことを…」
『俺じゃない
父上に言ってくれ』
「ご冗談を」
『はは!悪いな、で?精霊王達はなんの用?』
【俺ちんは〜その子を見に来た〜】
『お前には聞いてない』
【え〜アルベルト冷た〜】
『で?他の方は?』
【みんな同じ理由よ
アルベルトがどんな女の子を連れてきたのかしらと思ってね】
【うんうん】
『アンタらは俺の保護者か!』
【気にはするさ
一応一国の第一皇太子であり俺の契約主だ】
『卒業までのな』
【嗚呼】
『まぁいいや、ボヌール、紹介するよ
俺の使い魔の水の精霊王のミエルココンだ』
【人の子よろしく頼む】
「よ、よろしくお願いします…!」
『そんで、この短髪で赤髪の人が、火の精霊王のヴィルヘルムリヒトだ』
【好きなように呼んでいただければ】
『で、この俺にウザイくらいくっついてるのが』
【デュンケルハイトだよ〜♡よろしくね
愛しい子】
『で、最後に』
【我は風の精霊王のルヴォンだ、嬢ちゃんよろしくな】
【アルベルトのようにがさつに扱うなよ
女性なんだ、さらに繊細だぞ】
【わかっておる!】
【…ねぇ〜ボヌールちゃん】
「は、はい」
【君、だいぶ短命な子だね?】
「…」
『デュンケルハイトどういう意味だ』
【俺の目は相手の真名がわかるように色々なことが分かっちゃうんだよね〜
この前のアルベルトのミドルネームもそれと同じようにね〜
この子…というより、この子の血筋がだいぶ短命だね〜
君のお婆さんの、またその前のお婆さんもだいたい40歳前後で死んでる
君のお母さんも同じくね】
「ッ…」
【先祖達も何かしらの事故や災害、色々な原因だけどね
でも君は少し長生きのようだね
あのままアルベルトに買われてなかったら君、翌年には死んでたよ】
「!…」
『デュンケルハイト、そこまでだ
脅すな』
【…チェ〜つまんねぇの…でもアルベルト
君の成したいことがあるなら、この子は邪魔だよ】
『俺は欲張りだからな、こいつも欲しいし成したいことも成してみせる
それがこの俺アルベルト・グレーダス
この国の皇太子だ』
【…はは♡そういう所だーいすき】
『ということで、君ら帰りなよ
ここにいられても邪魔なんだけど』
【あ、あのアルベルトがついに反抗期…!?】
【デュンケルハイト、どうしてくれる】
【え〜…これ俺ちんのせい??】
【お前のせいだな】
【うっそん〜…】
『…さっ、ボヌール、ここを案内するのと俺のお茶してくれないかい?』
「え、は、はい」
『そう緊張するな、別に取って食おうとは思ってない』
「思ってたら大問題だ」
『それもそうだな』
【……ボヌール…ボヌールか〜…】
【なんだデュンケルハイト】
【今更だけどどっかで聞いたことある名前なんだよなぁ……なんだっけなぁ〜…】
【それりゃあ幸福や幸運って意味ですから
聞いていてもおかしくはないでしょうに】
【…それだけじゃない気ぃもするけど…まぁいいや】
『で、こっちが訓練場だよ』
「アルベルト、訓練場まで案内しなくとも…」
『まぁ一応頭には入れて置いて欲しいだけだ』
「あ、ありがとうございます」
『…お、叔父貴!!』
「?…嗚呼、アルベルトか、……」
「こ、こんにちは…」
「こらぁぁ!!!!アルベルト!!!女の子を訓練場なんかむさ苦しいところに連れてくるなぁ!!!」
怒声と共にゴチンっと言う音が訓練場に響いた
『ったぁ〜!!!!何さ!殴んなくてもいいじゃん!!!?』
「お前は言葉で言っても理解しないからな!」
『ひっでぇ!』
「あと普通に危ねぇだろが!!!」
『普通に案内してただけだわ!』
「そーかよ!」
『…っと…もうひとつ用事があったんだった…グレンの様子はどうだよ』
「嗚呼、アイツ素手で闘うにしても剣にしても筋がだいぶいいぞ」
『お、そりゃあ良かったなぁ…で?あいつはどこにいんの?』
「筋はいいとは言ったが、本人は素手がいいと言うんでな
サルヴァトーレ公爵とラルクアン公爵が別個で見てるよ」
『ほぇ〜…え、グレン殺されてない?』
「大丈夫だよ
最初こそ殺されそうになってたが、今はちゃんとあいつらもある程度今のグレンの実力に合わせて力を出してる」
『そりゃあ良かったよ』
「嗚呼、試験の日の姿を見てるから、警戒して本気で言ったら半殺しにしちまったってラルクアン公爵が」
『……あの人は手加減を覚えた方がいいと思うんだけど…』
「それはそうだな…今年もあいつのせいで何人辞めて怪我させてると思ってんだよ…」
『ははは!!待って!もう辞めたの!?』
「嗚呼!そうだよ!!!!サルヴァトーレ公爵とラルクアン公爵が実践で手を結んだら厄介この上ない……!
それに、手加減を知らないから、ある程度の実力者でも平気で潰される」
『だろうなぁ』
「今年はこれでも残った方だ」
『なるほど』
「お、噂をすれば…」
『久しぶりですね、サルヴァトーレ公爵、ラルクアン公爵』
「この国の一番星に挨拶申し上げます」
『…その挨拶受け入れる』
「ありがたきお言葉です」
『…で、面白がってないで、いつも通りにしてくれないか、ラルクアン公爵、サルヴァトーレ公爵』
「私は至って真面目ですよ、面白がってるのはコイツです」
「ひでぇなぁ〜サモーナ」
「黙れバカ」
『で?グレンの方は?』
「あーその事か、アイツなら今地下で転がってるよ」
『おい』
「ちょ、待って待ってくださいよ!
ちゃんと手加減したし転がせたのは俺じゃなくてこっち!」
「………つい熱くなって、加減を間違えました…」
『そ、なら久々に俺と遊んでよ2人とも』
「「…」」
「…俺らでいいんですか?殿下」
「ここに王弟殿下もいらっしゃるのに…」
『嗚呼、今日はルース叔父貴とじゃなくて2人と遊びたいんだ』
「……まっ、我々は断れる立場じゃねぇんで、喜んでお受け致します
アルベルト・グレーダス皇太子殿下」
『はは!そう来なくちゃなぁ?シュバルツ・ラルクアン公爵』
「どっちからやりますか?」
『両方だ』
「こりゃあ…」
「…魔法はありでいいんですね」
『嗚呼、もちろん俺も魔法は使うさ』
「そういうことではなく、私とコイツが組むということは…!」
『嗚呼、全部ありだ』
「……」
「殿下自身が言ってんだ、いいだろうよ
それと、コテンパンに負けて拗ねんなよアルベルト」
『はは!もうそんな歳じゃないよ』
【手を貸すか?アルベルト】
『大丈夫だ、もし手を貸して欲しかったら呼ぶよ』
【そうか】
【ふふ、ミエルココン、フラれてんの〜】
【フラれていない】
【強がんなって〜】
『シエル、マラ、ボヌールを何があって守れよ』
「もちろん、この方は皇太子殿下の客人…怪我はさせません」
『頼むぞ』
「で?アルベルト」
『?』
「なんで急にやりたくなったんだよ」
『ああ、しばらく稽古出来なさそうだから一旦やり納め?』
「はは!なんだ魔獣退治の事バレてんのか」
『そりゃあそうだよ
異様に訓練場の空気がピリついてるし、ルース叔父さんもいつもよりゲンコツ痛かったからね』
「はは!ルース!なんか言われてんぞ〜」
「黙って準備もできないのか…!」
『はは、俺はもういいよ』
「「俺らもOKです」」
「にしてもアルベルト、良かったのか?」
『?』
「俺らが組んじまってよ」
『…フフッ…大丈夫だ、何となく…今なら勝てそうなんだ』
「「「!」」」
「…おい、サモーナ…」
「なんだ」
「…手加減、すんなよ…!」
「誰に言っている」
「嗚呼、」
「2人とも本気で望んでいいが殺すなよ」
「「はい」」
『……』
「ルールは武闘大会に則り相手を失神又は戦意喪失すなわち降伏した時点で降伏した側の負けとし、また失神した場合10カウント以内に立ち上がらなければ負けとする
あくまで失神までだ、相手に致命傷または殺すようなことがあれば…爵位等関係なく粛清することを頭に入れておけ」
『…』
「「…」」
「両者このルールでいいな?」
『「「嗚呼!」」』
「では両者構えろ」
ルースが声をかけるとアルベルトとラルクアン公爵は剣を抜き、サルヴァトーレ公爵は手を前にかざした
「…」(さっきのアルベルトの違和感が気のせいでないのなら…)
「…」(恐らく初手で潰しに来る…だから…)
声と同時にサルヴァトーレ公爵は魔法を放ち、すごい衝撃音と共に揺れていた
「…手応えは?」
「…ない」
「お前が珍しいじゃ〜ん……」
土煙が晴れると…そこにはガチガチに固められていた魔法障壁があった
『…今のは火球(ファイヤーボール)と…風の矢(ウィンド・アロー)の組み合わせかな…?』
「ご名答でございます殿下」
『いやさすが公爵…無詠唱での攻撃…さすがに油断しましたよ』
「…その歳で魔法障壁を無詠唱で完璧に展開している殿下には敵いません」
『はは、謙遜が過ぎると良くないぞ』
「それお互いでは?」
『はは、そうかもな…でも俺はまだ魔法は詠唱がないと不安でな…
シエル!』
「はい」
『魔法障壁は範囲どれくらい展開できる?』
「…今の魔力だと…よくて半径2kmです」
『はは!それでも群を抜いてるだろ、なぁ?サルヴァトーレ公爵』
「ええ、我が息子ながら感銘いたします」
『ならシエル、ボヌールをちゃんと守れよ
ミエルココンもな』
「いや何をやるかにもよる!!」
『”蒼き水の波紋 我が足元に広がり 針を成せ”』
【ハァ…】
【…】
【神妙な顔をしてるな?デュンケルハント】
【…いや?少しね…アルベルトの魔力がおかしい】
【は?】
「おいおいおいおい!アルベルト!待て待て!この辺一帯凍らせる気か!?」
『”氷針獄”』
「サモーナ!!」
「わかってる!!!」
「え、…」
「…ハァハァハァっ…!」
「…シエル、無事か〜?」
「…ギリッ、ギリ…なんと、か…」
シエルの魔法障壁は訓練場…アルベルト達周りを囲うような魔法障壁が展開されていた
「アルベルトの奴威力考えねぇで…水の応用魔法…しかも…難易度高いやつ…を…」
「…それも精霊王や妖精の力なしで…18でやってのけた…」
「バケモンすぎんだろ…」
『で?ルース叔父さんやサルヴァトーレ公爵、ラルクアン公爵は無事のようだな?』
「えぇ、何とかね…!」
「流石に焦ったぜ?アルベルト」
『ふふ、そう来なくっちゃ
さぁどんどん防いでくれよサルヴァトーレ公爵現当主
“大気を凍てつけ 氷の刃になりて 貫け”』
「おいおいおいおい!魔力といい!全部父親似だ!!!」
「…防ぎ切れないのはどうにかしろよ、シュバルツ」
「わかってるよ!!」
アルベルが詠唱すると空中の空気が凍り、氷柱が何本もでき、全て鋭く、サルヴァトーレ公爵達へ向いていた
『”氷烈風塵”(リュシレーン)』
アルベルトはそう呟くと氷柱はすごい速さでサルヴァトーレ公爵達の方へ向かった
サルヴァトーレ公爵は大きく魔法障壁を展開させずに攻撃を受け切れる程度の大きさの魔法障壁を展開させ、防いでいた
『頑張れよサルヴァトーレ』
「ええ!そうしますよ!」
大きく魔法障壁を展開してしまうと比例し魔力の消費も大きくなってしまい、魔力切れを起こすことになってしまう
「もー!!アルベルト物騒だ〜!!」
『はは、一応闘いだもの、手加減はいらないでしょう?』
「え〜!くれよ!!!」
『って言いつつ攻撃見事に避けて、防いでる人に言われたかねぇなあ』
「おっとバレたか」
『さすがにね、王国騎士団の一番隊隊長のラルクアン公爵がただ逃げ回るなんてね』
「あれま」
『来なよ、シュバルツ・ラルクアン公爵』
「きゃ〜アルベルト殿下かっこいい〜!でも…
口の利き方には気をつけろよクソガキ」
『!』
「俺が行くんじゃない…お前が来るんだよ」
『はは!!!! ラルクアン公爵!!やっぱあんた最高だ!!』
「そりゃあ良かったよ…!」(さっきの違和感勘違いじゃねぇな…!)
そう思っていたラルクアン公爵は剣は構えていた、だが、目の前のアルベルトが突如目の前から消えた
「!」
『上…だ!!』
「はは!」
ガキンッと鋼と鋼があたり、火花が少し飛んだ
「はは、あのクソガキがここまで成長とはなぁ!」
『ッ…』
「ほらさっきまでの強気はどうした!!」
『!』
ラルクアン公爵は剣でアルベルトを押し返す
「…なるほどなぁ、急に高く飛んだのは脚の飛翔(ウィング)か…」
『嗚呼』
「使えるようになっているとは驚きましたよ殿下」
『嗚呼、誰にも教わらずに練習するのは大変だったよ
グレンとルース叔父さんが戦うって聞いた時に使ってきたけどその時は気づいてなかったぽいなぁ?』
「その時は気にしてなかったなぁ」
「近くにいるのだと」
『ふはは…!そうか』
「ではこちらからも反撃しますよ」
『ふふ、流石に氷魔法を使うと冷えるな』
「ええ、そうですね」
『フフっ俺が暖めてやるよ…!”森羅万象 有象無象を無と還れ 来たれ”』
【!ハハッ…!エルピスみたいな魔法使ってるなぁ!!…やっぱお前は…!】
【デュンケルハント、見惚れてる場合か
これこそお前に適任な場面だろ?】
【そーだね!!
ここの人間もアルベルト自身も危ないからね〜】
「「シエル/マラ!!」」
サルヴァトーレ公爵とラルクアン公爵すぐに、子供たちの方へ走り出しルースも、子供たちを護ろうと魔法障壁を大きく展開した
そして精霊王達も人間達の上から魔法障壁を展開した
ファイアブレスは龍の息吹とも言われるほどの高火力であり、アルベルトは詠唱を少し省略しているために威力は元の3分の2になるが、それでもアルベルトを中心に半径1kmを吹き飛ばす程の威力を持つ
そして詠唱してしまえばそれは術者本人でも止められない
『…”ファイアブレス”』
炎がアルベルトを囲みまるで龍が天へ登り、地上に降りてくる
【駄目だよ〜アルベルト】
パンッとアルベルトの肩に手を置かれた瞬間
魔法は”無くなった”
『!…デュンケルハント』
【ふふ、アルベルト、君は本当に面白いね〜
でも、今のは駄目だよアルベルト
“精霊の子守唄”】
そう言いながら逆さに浮き、トンッと額に指を当てるとアルベルトはそのまま気を失ってしまった
続
1,154
ruruha
1,082
ぬいぬい
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第9話読み終えたよ〜! ボヌールちゃん、公爵邸に迎えられて、なんだかほっとしたような、でも緊張してる感じがすごく伝わってきた。精霊王たちが一気に出てきて、特にデュンケルハイトの「短命だね」発言は…読んでて心臓がぎゅってなった🥀 でもアルベルトが「欲張りだからな」って言い切った場面、すごくかっこよかった…!あの覚悟、ちゃんと伝わったよ。 訓練場のバトルシーンもめっちゃ迫力あって、思わず没頭しちゃった。続き、すごく気になる…!