太宰「…此処ら辺がカフェだったっけ」
月が輝く夜に一人街を歩く少年がいた。
太宰「夜だから音が無くて分かりずらい」
太宰「…あ」
近くに騒いでいる声が聞こえる店があった
太宰「此処は…」
カランッ
店の人「いらっしゃいませ!」
店の人「お好きな席へどうぞ!」
太宰は入り口に近い一番手前の席に座った
其処には太宰の名を知る人物が座っていた
種田「君は…」
太宰「まぁまぁまぁまぁ」
種田「何故君が此処に居る」
太宰「ポートマフィアを辞めたんです」
種田「ポートマフィアを…」
太宰「転職先を知りませんか」
種田「特務課を希望かな」
太宰「其方の方は辞退します」
太宰「私は今、目が見えなくてね」
種田「…それは本当か」
太宰「はい」
種田「では何が希望かね」
太宰「人助けが出来る処」
種田「…心当たりが無い訳でも無い」
太宰「教えて下さいな」
種田「然し君の経歴は汚れ過ぎている」
種田「ニ年程地下に潜る必要があるぞ」
太宰「それでも構いません」
種田「…【武装探偵社】を知っておるか」
太宰「知っていますよ」
種田「灰色の厄介事を引き受け解決する」
種田「其処の社長は心ある男でな」
種田「君の希望に沿うかもしれん」
太宰「【人を救う仕事】ができますか」
_二年後
福沢「種田長官の紹介は君か」
太宰「はい」
太宰「太宰治の言います」
福沢「私の名は福沢諭吉だ」
太宰「宜しくお願いします」
福沢「先ずは筆記試験をやって貰う」
太宰「あの、私目が見えないんです」
福沢「そうなのか」
福沢「では、筆記はしなくて良い」
太宰「ありがとうございます」
福沢「今から太宰の上司を紹介する」
太宰『上司…か』
太宰『新鮮だな』
福沢「入って来い」
国木田「失礼します」
国木田「…誰ですか」
福沢「新人だ」
太宰「太宰治と言います」
太宰「宜しくお願いします」
国木田「お前が新人か」
国木田「俺の名は国木田独歩」
国木田「宜しく頼む」
福沢「太宰、隣の部屋へ行っててくれ」
太宰「分かりました」
ガチャン
福沢「…国木田」
国木田「はい」
福沢「太宰の経歴を見たか」
国木田「未だです」
福沢「そうか…ではコレを見ろ」
国木田「…!?」
福沢「太宰の経歴を徹底的に調べ上げたがどんなに調べても白紙だ」
国木田「こんな事あり得るのでしょうか」
福沢「普通はあり得ない」
福沢「国木田」
福沢「私の言いたい事はわかるか」
国木田「はい」
福沢「太宰がスパイの場合クビにしろ」
国木田「はい」
福沢「待たせたな」
太宰「大丈夫です」
国木田「おい、新人」
国木田「今から早速任務へ向かう」
国木田「準備をしろ」
太宰「あの、私目が見えないけど」
太宰「任務して良いんですか?」
福沢「出来る事だけやって来い」
太宰「分かりしました」
国木田「お前目が見えないんだよな」
太宰「うん」
国木田「…なのに何故歩けている」
太宰「一回見た事ある道は覚えてるから」
国木田「凄いな」
太宰「そんな事ないよ」
_任務後
国木田「お前やはり凄いな」
太宰「そう?」
国木田「目が見えないのに計画を立てて」
国木田「しかも全て上手く行った」
太宰「計画の立案は得意だから」
国木田『怪しい所はないな』
ガチャン
国木田「只今戻りました」
乱歩「おかえりぃ」
国木田「帰っていたんですね」
乱歩「今回の事件も簡単だったから」
国木田「流石です」
乱歩「其処の新人」
太宰「はい」
乱歩「名前は」
太宰「太宰治です」
乱歩「ねぇ太宰」
乱歩「前職は?」
太宰「…はい?」
乱歩「…やっぱ良いや!」
太宰「…..」
乱歩「太宰、目が見えないんでしょ?」
太宰「はい」
乱歩「何か困った事あったら言ってね」
太宰「ありがとうございます」
国木田「今日は帰って良いぞ」
太宰「良いの?」
国木田「初出勤だったしな」
国木田「明日は朝8時に探偵社へ来い」
太宰「分かった」
国木田「社員となったお前には社員寮がある、今から場所を教えるから着いて来い」
太宰「分かった」
太宰「ねぇ、国木田くん」
国木田「上司には敬語を使え」
国木田「何だ」
太宰「乱歩さんの異能力って何?」
国木田「…..」
国木田「実は異能力者では無いのだ」
太宰「そうなんだ」
国木田「でも、乱歩さんの才能」
国木田「超推理と言うものが存在する」
太宰「それはどんな才能なの」
国木田「その言葉のままだ」
国木田「推理をして事件を解決する」
国木田「あの人に見抜けないものはない」
太宰「…どんな秘密でも?」
国木田「あぁ」
太宰『あの時私の前職バレたかな』
国木田「此処だ」
太宰「此処アパート?」
国木田「よく分かるな」
国木田「今日は早く寝て明日に備えろ」
太宰「分かったよ」
国木田「遅刻はするなよ」
太宰「りょ〜かい」
太宰「今日は疲れたな」
太宰「…目が見えないって不便だな」
太宰「中也、何してるんだろう」
太宰「私の事探してるかな」
太宰「それはないか…笑」
太宰「織田作、」
太宰「私は上手くやっていけるだろうか」
太宰「自分は探偵社で」
太宰「人を救う事が出来るだろうか」
太宰「其方は元気にやっているかい?」
太宰「…一人は寂しい」
_◯◯ヶ月後
国木田「社長」
福沢「何だ」
国木田「太宰の事なんですが」
福沢「太宰がどうした」
国木田「この◯ヶ月間何も問題はありませんでした」
福沢「そうか」
国木田「信用しても良いのでしょうか」
福沢「太宰が入社してから◯◯ヶ月だ」
福沢「そして入社試験に合格している」
福沢「もう信用しても良いのではないか」
国木田「そうですね」
福沢「太宰を頼んだぞ」
国木田「はい」
_◯◯ヶ月後
太宰「国木田く〜ん」
太宰「やる気出な〜い」
国木田「サボってないでやれ!」
太宰「あ!」
太宰「私、今から入水してくるねぇ」
国木田「おい!太宰!」
ガチャン
国木田「…はぁ」
太宰「此処ら辺に川があるはず〜」
太宰「この音は!」
太宰「入水♪入水♪」
ジャプンッ
敦『僕の名前は中島敦』
敦『今僕は餓死寸前です…!』
敦「お腹減ったぁ」
敦「このままじゃ死んじゃうよ」
敦「…次通りかかった人を襲う?」
敦「でもそんな事僕には…」
敦「…でもやらないと僕が死ぬ」
敦「…襲おう」
敦「次通りかかった人を襲うんだ」
敦「!」
ぶぅぅぅぅん
敦「…流石にこれは無理だ」
敦「空腹じゃ追いつけない」
敦「次!」
1234・1234・1234
敦「…トレーニング中の軍警が」
敦「財布を持っているとは思えない」
敦「今度こそッ」
其処には川に流されている太宰がいた
敦「…これは流石にノーカンでしょ」
ブクブクブク
敦「ノ、ノーカンにさせて下さい」
ブクブクブク
敦「ノ、ノーカンに…!」
敦「…ッえい!」
ジャプンッ
敦「はぁ、はぁ、はぁ、」
太宰「!」
敦「川に流されてましたけど」
敦「大丈夫ですか?」
太宰「助かったか…」
太宰「チェ!」
敦「チェ!?」
敦『今チェって言ったかこの人』
太宰「君かい?」
太宰「私の入水を邪魔したのは」
敦「僕はただ助けようとしただけで…」
敦「…え?入水!?」
太宰「知らんかね、入水…自殺だよ」
敦「じ、自殺ッ!?」
太宰「そう!」
太宰「私は自殺をしようとしていたんだ」
太宰「それなのに君が余計な事を」
敦『えぇ、今なんか僕怒られてる?』
太宰「とは言え、人に迷惑を掛けない」
太宰「クリーンな自殺が私の心情だ」
太宰「だのに君に迷惑を掛けた時点で」
太宰「それは此方の落ち度…」
太宰「何かお詫びでも、」
ギュルルルルッ
太宰「…空腹なのかい?少年」
敦「実は此処数日何も食べてなくて」
ギュルルルルッ
太宰「奇遇だな」
太宰「実は私もだ」
敦「それじゃあ!」
太宰「因みに財布は流されたようだ」
敦「えぇ」
敦「そんなぁ!」
国木田「こんな所におったか唐変木!」
敦「?」
太宰「おぉ」
太宰「国木田く〜ん、ご苦労様〜」
国木田「何がご苦労様だ」
国木田「苦労は全てお前の所為だ」
国木田「此の自殺マニア!」
国木田「お前はどれだけ俺の計画を乱せば気が済むんだ!」
太宰「あ、そうだ!」
太宰「良い事を思い付いた」
太宰「彼は私の同僚なのだ」
太宰「彼に奢って貰えば良い」
国木田「人の話を聞けよ!」
太宰「君、名前は?」
敦「中島…敦ですけど」
太宰「では着いて来給え敦くん」
太宰「何が食べたい」
敦「あの…出来れば」
太宰「なぁに、遠慮は要らないよ」
敦「茶漬けが食べたいです」
太宰「…..」
太宰「ふ、ふふふ」
太宰「あはははは!」
太宰「餓死寸前の少年が茶漬けを所望か」
太宰「いいよぉ!」
太宰「国木田くんに30杯位奢らせよう!」
国木田「俺の金で太っ腹になるな!」
国木田「太宰!」
敦「太宰?」
太宰「あぁ、私の名だよ」
太宰「私の名は太宰」
太宰「太宰治だ」
これは目の見えない青年が
武装探偵社へ導かれる迄の道筋。
そして一人の少年と目の見えない青年が
出会い、共に戦い、生きていく、
そんなお話_
完
どうでしたか?
後半はアニメのセリフばかりですみません💦途中で◯◯ヶ月とか書いてあったと思うんですけど適当に付けてしまったので間違っている可能性がありますのでご了承下さい💦
あと、最近投稿頻度が遅くなってしまい申し訳ないです💦
もうすぐで2024年になりますね…!
実感が全く無いですw
来年から受験生なんだなぁ、て思うと
怖くてたまりません…w
インフルエンザやコロナウィルスには十分気をつけて下さい!
残り半月、頑張りましょう!
今更ですがこのストーリーはリクエストであった太宰さんがポートマフィアを抜けて探偵社に入った時のストーリーです!
ここまで見てくださりありがとうございます!感謝しかありません!みなさんのおかげで完結する事ができました!
❤️押してくれると嬉しいです!コメントもしてくれると嬉しすぎて泣きますw
また新ストーリー投稿するので見てくれると嬉しいです!!
では、またいつか!
コメント
23件
ヤバい、今日だけで雲☁️さんの作品3つくらい読んだ、大好きです❗ これからも頑張って下さい❗
好き過ぎる、応援してるぞ!無理せずに