テラーノベル
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次の日――
朝の見回りで看護師が涼ちゃんの部屋に入ると、
ベッドの上の血だらけのシーツに一瞬動きを止めた。
それでも看護師は、何も言わずに静かに新しいシーツへと交換し始める。
その間、涼ちゃんはまったく表情を動かさず、
遠くの一点をじっと見つめているだけだった。
やがて、ベッドも涼ちゃんの手もきれいになっても、
その瞳にはもう何の光も浮かんでいない。
𓏸𓏸は、何日経っても来なかった。
季節も曜日も分からなくなるほど、毎日が同じように通り過ぎていく。
涼ちゃんの心には、
ぽっかりと大きな穴が空いてしまったようだった。
何も感じず、何も求めず、ただ――空っぽのまま。
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