一旦、拠点へ戻った。
近くの空き地でさっそく『石×10』と『土×10』を使い、キャンプファイヤーを作った。やっぱり、三秒で完成した。ここからどうやら『木材×10』も必要のようだな。当然か。
[キャンプファイヤー][Lv.1]
石×10、土×10で設置可能。
火をつける場合、
木材×10を消費する。
暖を取ったり、調理に使える。
モンスターの忌避効果もある。
持続時間:10分
薪をくべていく。火は勝手に燃焼を始めた。便利すぎか! キャンプファイヤーのレベルが低いから、持続時間が短い。早めに肉を焼かなければ。
「ラスティさんがいれば生活に困りませんね……」
ぽかんと炎を見つめるスコルは、すっかり俺を認めてくれていた。確かに、この能力も使いこなせてきている。もっと上手く出来れば無人島攻略も時間の問題だろう。
「まあな。それより、肉を焼くぞ」
アイテムとしてゲットした『イノシシの肉』を取り出し、串状にした木の棒へぶっ刺した。それを丁度いい距離に置き、焼いて行く。
本来なら鉄板とかあるといいんだが、今のところそんなモンはないので直火でいく。バチバチとジュジュウと音を立てる肉。すでに肉汁を垂らして美味そうな匂いが漂っていた。
「こ、これは……ステーキですか! すっごく美味しそうですね、ラスティさん……! あぁもう直ぐに食べたいですぅ」
近くでヨダレを垂らしているスコル。まだ半生だ。そのまま食べるとお腹を壊すぞ。だが、これはたまらんっ。もうかぶりつきたいっ。
早く焼けろ、早く焼けろ、早く焼けろ。
じゅぅぅぅぅぅ……っと、良い焼き加減になったので、俺はスコルに肉の刺さった棒を渡す。さあ、ついに実食だ。
「「いただきまぁぁぁあすっ!!」」
焼きたてなのでアツアツだ。
舌を火傷しないよう、フーフーして少し冷ましたところで俺は肉にかぶりついた。その刹那で舌に広がる圧倒的な肉汁。味付けなんて一切していないんだが、めちゃくちゃ濃厚な味わいで、美味かった。
「うまああああああああああ……!」
「う~~~んん、美味しい……!」
俺もスコルも同じ感想。
ここまで上手く焼けるとはな、俺って天才か。てか、イノシシ肉ってこんな美味いものなのか。俺の育成係であった執事のアルフレッドによれば、イノシシ肉は獣臭くて不味いと酷評していたのを覚えている。だが、これは……まるで正反対の絶品。美味。味にうるさいの俺が言うのだから間違いない。
こんな美味いモンが食えるのなら、俺は一生、無人島暮らしでもいいや!
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