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聖次
514
霜月夢徒
380
11
初めて翔に甘え、抱かれた夜の事がどうにも忘れられない。
ただ優しく、でも着実に快楽の沼に引き摺り込んで甘く溶かされる。
あの穏やかな手つきとか唇の感触が忘れられずまたして欲しいという欲求がぐつぐつと込み上げてくる。
それが翔のセックスだ。
忘れられないほどの快楽を相手の脳に刻みつけて向こうから気持ちよかったからまたして欲しいとねだってくるように誘導する。
危ない薬のようなものなのだ。
現に今、お手洗いという個室かつ密室であの時の快楽を求めて自身を慰めている。
きっと顔にも出ていたのだろう、仕事を終えてふらふらと歩いていたら気配を殺す術に置いては頭ひとつ抜けた翔がぬるっと現れた。
翔
んっふふ…♡
一惺…?
一惺
?!
翔
あの時のこと、忘れられないの?
言ってくれればまたシてあげるよ…♡
一惺
今はいい…!
翔
ふぅん…
その気になったら言ってね?
一惺
なんなんだよ…
ちくしょう…
翔の事を考えては自身を慰める日々が続いた。
俺は翔の事をそういう目で見たくないし見ようとも思わないのに。
恋では無い、ただの執着である事がとにかく苦しかった。
翔もその事を分かっていてしつこく煽ってきてイライラする。
一惺
お前、いい加減にしろよ。
しつこい。
翔
夜は素直なのに…
どうして?
ッ……!!
バディを組んでから初めて翔にビンタをしてしまった。
いや、バディ関係を結ぶ前に1戦交えた時にもしなかったから本当に初めてだった。
この時の俺は冷静じゃなかった。
好きな人にああいう拒絶をされるのを翔は1番嫌がる事を分かりきっていたのに。
拒絶されれば、存分にその身に快楽という深い傷跡を残されるのも知らずに俺は翔を思いっきり拒絶した挙句手を挙げてしまった。
翔
そう…それが一惺の気持ちなんだ。
一惺
それの何が悪い…!
翔
知ってるよね、僕が好きな人に拒絶される事を何よりも嫌ってること。
一惺はさぁ…
僕の事何も分かってない。
だから教えてあげる。
一惺
な、やめろ、離せ!!
翔
嫌に決まってるでしょ?
手荒な方法で壊されたい?
一惺
へ、やれるもんならやってみな。
翔
あっそ…
それは話に乗るって事で良いのね。
普段誰も寄り付かない仮眠室とも監禁部屋とも取れる場所に連れ込まれた。
意外にもシャワー室も完備である。
この場所は組織の通常の組員は入れず必ず幹部の身分証明書を通さなければ入れない。
それくらいには管理が厳重な部屋だ。
さらに機密情報もたんまり入った部屋なので防音。
翔
これはお仕置きだから、やめろって言われても辞めないからね?
一惺
上等だっての。
服をさらさら〜っと脱いで脱がされあっという間にお互いが無防備なシャツ1枚の姿になり、翔らは髪を解いてラフな格好になる。
一惺
今日は甘える気なんか
ないからなぁっ…////?!
翔
そんなこと言わないでよ〜
羽の付け根を触られる気分はどう?
一惺
最悪だ…!
翔
性感帯の間違いじゃなくて?
吸血鬼ってのは、個体差あれど羽が生えたり尻尾が生えたりなど目に見える人外らしい特徴が肉体に生じ、生えた付け根が異様に敏感になってしまう。
翔
呼吸、荒くなってるよ?
気持ちいいの?
一惺
よくなってても、言わないわっ…!
翔
そう、じゃあアプローチ変えなきゃね。
付け根の表面を撫でられていたが、今度は付け根の裏側に手を突っ込まれてまさぐられる。
ここは新しい羽が出てくる場所で一際敏感なのでそこを手先の器用な翔に触られたらひとたまりもない事はわかっていた。
一惺
ほんっとに、やめろ…!
おわったらたたじゃおかないからなっ…!
翔
強気なの、嫌いじゃないけど…
僕の事興奮させたいだけじゃない?
一惺
勝手に興奮してろ変態…!
翔は怪しげなドス黒い笑みを浮かべると急にキスをした。
彼奴のキスのテクニックは分かりきっていたが今回お仕置きという名目なので全くやめて貰えず、酸欠による気絶寸前だった。
一惺
ひゃめ、ろ…!!
んぶ、んんっ……!!!
翔
ん、んん…♡
ぷはっ…♡
翔
ま、じで、やめろ、よ…!
んんっ…!
翔
ん…やだっ♡
キス責めは終わらず、時間の感覚も意識も狂ってきたところで辞めて貰えた。
翔
ふふ、意地張ってないで素直になったら?
これを打たれたくないならね♡
そう言ってチラつかされたのは危なげな何かが入った注射器だった。
一惺
な、なにが…
翔
君が素直になる薬だよ♡
詳しいこと言ったら暴れられそうだもの。
一惺
……(ガチ睨み)
翔
ふふ、じゃあプレゼントね♡
一惺
ッ……!!
気配の無い一撃だった。
今回は即効性の何かで性感帯の何から何まで熱く発散してもらわなければ倒れてしまいそうだった。
薬がすぐ回ってしまい身体を起こしておくのも辛くなってベッドに倒れ込んだ。
翔
媚薬の他に少量の鎮静薬と弛緩剤をね。
効き目はそんなに長くないけど。
一惺
ッ……////
だめだ、頭がぼーっとする。
翔のいつもなら分かる難しく単語達が全く頭に入ってこない。
自身の快感を抑えることで精一杯。
翔
わぁ、どこも苦しそう…♡
まずはここからだね?
一惺の胸の突起に触れた。
目をぎゅっと瞑り警戒する一惺が可愛くて虐めたくなってしまった。
指でつまんだり、咥えて舌でしゃぶったり。
身体をビクビクさせる所が愛おしい。
翔
ねぇ、イかせてほしい?
一惺
……?
ッ…(コク)
翔
僕の事思いっきりビンタしたのはもう良いけどこんなにも拒絶されたら、同意が無かったら悲しくて君のこと縛り上げてレイプしてたかも。
ほら、イッたね?
それも空イき…
突然の気持ち良さが身体を襲い、意識もままならなくなってきた。
翔
んーちょっとお薬強かったか。
ごめんね。
今、こっちでイかせて抜いてあげる。
そうじゃなきゃお互い楽しめないもの。
ほとんど意識の無い状態でイかされ、目が覚めると弱い快感がずっと迫っていた。
一惺
な、にを…////
翔
薬が効きすぎちゃったからイかせて薬を抜いていただけだよ?
一惺
なぁ、翔…
翔
?、どうしたの?
一惺
わ、悪かった…
翔
!!
一惺
俺が心の弱さゆえ素直になれない上に翔に八つ当たりするなんて…
ッ…!
本音をポロッと零した一惺が愛おしくてぎゅっと抱き締めた。
翔
んふふ、良いの。
だって一番大切な時期に親の愛情を受けられなかったんだもの。
お師匠様がいたとはいえね。
素直になるって事を知らないまま成長しちゃったんだね…
だから、甘えるって感覚を知らない。
未知なるものに恐怖を感じ戸惑うのは人ととして当然の反応さ。
一惺
(温かい…)
翔
ほら、大丈夫だよ。
気持ちをずっと張り詰めたままじゃ壊れちゃうもの。
ほんのりオレンジとミントの香りがする翔に抱きしめてもらうと張り詰めていた全てが柔らかくなって溶けていく。
翔
大丈夫、今からでも遅くないよ。
安心して僕に身を預けて?
入念で丁寧な愛撫に心や身体はどんどん溶けて行った。
耳元で囁かれる甘くて優しい声が心地よくて、丁寧に愛情を注いでもらうのが初めてで戸惑いもあったけど抗おうと思えなかった。
一惺
(安心する…)
翔
ふふ、泣くほど安心してるんだ♡
弱音を吐き出すのって大事だからね?
抱きしめられて、優しい扱いをされるのは自分の人生の中でも少ない体験な為に未知の感覚として身体は弛緩していた。
押し倒されて、ただ安心させるためだけの穏やかな時間だった。
翔
んふふ、さて、抱いていい?
一惺
ああ。
翔
ふふ、どこまで入るかなぁ…♡
解さなきゃね?
一惺
いい。
そんなの飛ばしてくれ。
翔
え…?
いいの?一惺。
一惺
優しくされるのも、悪くねぇって事だ…!
分かれよ…////!
翔
はいはい、ごめんね。
じゃあ挿れるよ?
一惺
んんっ…////
くぁ…////!
翔
やっぱり痛いでしょ、まだ半分も入ってないんだけど。
一惺
いい、そのままシてほしい。
翔
経験豊富とはいえ、全然遊んで無いんだね。
一惺
失礼な物言いだな。
翔
ごめんってぇ…
でも…
(耳元)
とっても気持ちいい…♡
ぎゅう…って締め付けてくる…♡
辛かったら言ってね?
そうして始まった俺自身が望んだ愛のある本番は今までに無いくらい気持ちよかった。
俺はただ快感に耐えながら喘ぐのを我慢するので精一杯であまりよく翔の顔を見なかった。
ただ、翔はよく周りから言われる捕食者の顔というのを初めて見た気がする。
恍惚で、でも目はほんのりキマっていて。
翔
あぁ…♡
しあわせ…♡
気持ちいい?
一惺
きもち、いい…////
翔
そうっ…♡
よかったぁ…♡
僕、そろそろイッちゃいそぉ…♡
生中出ししていい?
一惺
す、すきにしろ…////
翔
そう、じゃあ…♡
出すねっ♡
一惺
んぐっ…////
あ゛ぁっ…////
翔
ふふ…♡
いっぱい出ちゃった…♡
これで、一惺の薬、抜けたかな…?
一惺
あぁ、だいぶ抜けた。
翔
そっか、よかった…♡
じゃあ今度は僕の事抱いて♡
一惺
……は?
翔
ふふ、僕はどっちのポジションでも君を甘やかして愛してあげるよ♡
ほら、今にも…襲ってきそうな顔してる♡
一惺
俺が…そんな…
翔
だって…
僕も…そういう欲求があるもん…♡
愛されたい、めちゃくちゃにされたいって♡
んっ…♡
一惺
んっ…////
翔
ぷはっ…♡
ねぇ、だめ?
いっぱいとろとろにしてほしいの…♡
一惺
その…
翔
ん?♡
一惺
ハメ…撮り…させて欲しい。
翔
んふふ、いーよ♡
撮った動画何に使うの?
一惺
……秘密。
翔
ま、十中八九…
蕩けた僕をダシに1人えっちするんでしょ?
ふふ、本物が目の前にいるのに?
予定さえ合えば何時でも付き合ってあげるのになぁ…♡
一惺
…翔…!
翔
やぁんっ♡
大胆っ♡
一惺
覚悟出来てんだろうな…?
翔
ふふ、もちろん…♡
あ゛ん゛っ♡♡
そんなにがっついて♡
一惺
だめか?
翔
だめじゃないよ♡
ただ、好きな人に傷跡を作って貰えるのが何よりも嬉しいの♡
ッ……?!♡
一惺
なぁ、自分で作った薬を自分で試したのか?
これを打たれたら、結構やばかったけど。
翔
そ、そうだね…♡
何が入ってるか教えちゃったもんね…♡
翔はいつだって警戒を怠らないし立ち振る舞いや礼儀を何よりも大切にして相手を警戒させない何かを持っているのだが、その分人に対して心を開くのには長い時間が必要である。
現に、俺も翔とバディ関係になるまでは距離感が掴めずお互い避けていたくらいだから。
結局上司に無理やりバディ関係を結ばされた事でお互いが相手の意外な一面を知り今に至る。
考えのメカニズムが似ていたりWinWinな感じだった。
まぁ、こんなにベタベタに懐かれる所までは予想出来なかったが。
いわゆるギャップ?という物でバディ関係を結んでも温度感は変わらないと思っていたのにある事をきっかけに懐かれたのだ。
そのきっかけとは俺がヘマをして翔共々、相手組織に捕まりそういう趣味を持った人間達が集まる場所で嫌な紹介をされながら翔を抱いたからである。
その件に関しては上司自ら現れその会場ごと破壊してくれたから良かったものの、助けが来なかったらと思うとゾッとする。
それで気持ちよかったし優しかったと懐かれ俺も自身のミスが招いたピンチだったので甘んじて受け入れる結果になった。
一惺
ん、ほら翔、キスして貰いたいだろ?
舌…出してくれないか?
翔
んぁ……♡
ッ…♡
言われるまま舌を出し、甘噛みされると分かりやすく腰を震わせて快感を逃がそうともがき始めた。
一惺
(逃がすかっての…!)
翔
んんっ…♡
〜〜〜〜〜ッ♡♡!!!
翔は本当にずるい。
好きな人のことならありとあらゆることを知ろうとしてそのまま弱点を突く材料にしてしまうのだから。
そして好きな人の前ではひとつに溶け合うことを目的としたセックスをしたがる。
翔
んん…♡
ぷはぁ…♡
一惺…こんなに溜め込んでたの?
一惺
どういう意味だ?
翔
1人か僕とする時以外、はっさんしてないんでしょ?
だから…いつもこんなに濃密なのかなって♡
一惺
…そうかもな。
俺は普段あまり発散しないし。
んで翔、まだ前戯するか?
翔
本番したいならシていいよ♡
一惺
ん、わかった。
解す必要は…無さそうだな。
手がベトベトする…
まぁそんなの気にする必要無いがな。
翔
んぁっ♡
きたぁっ♡♡
一惺
………
翔は、結構シてるのな。
翔
性欲強い方って自認してるもの♡
恥ずかしながらね♡
一惺
恥じてないだろ。
翔
えーバレちゃった?
好きな人を想いながら1人えっちするのその時だけは幸せなんだけどぉ…
終わったあとは片付けとかで一気に現実に引き戻されちゃう…
一惺
まぁそれがソロプレイの最大のネックだな。
翔
ま、そういことっ♡
はやくはじめてほしいな?
一回目はいつも通りの普通のセックスをした。
まぁ一回で終われば俺もこんなに苦労してないのだが、翔を満足させるには多大な時間がかかる。
何度も何度も絶頂させてあげないとこの綺麗な顔で切なそうな顔をするからだ。
傍から見れば女性の顔立ちをした翔の寂しげな顔はどうも庇護欲をくすぐられる。
翔
ふぇ…////
ぬいちゃうの?
ッあ゛♡♡!
一惺
……翔も、奥、好きだったよな?
翔
うんっ♡
すきぃっ♡♡
ふぇ、まって、そんな、そとからはっ…♡
一惺
ダメじゃねぇだろ、欲しいんだろ?
俺には素直になれとか言うのに自分は素直になれないのか?
翔
ま、まって…♡?
こころのじゅんびが…♡
一惺
だめ。
翔
あ゛ぁ゛〜〜〜〜〜ッッ♡♡♡
一惺
気持ちいいな?
その後は翔が満足するまで何度も何度も抱いて抱き潰した。
翔の目にはうっすらハートが浮かぶくらいには満足して貰えたらしい。
翔
んふふ、縮んで深まったね?
僕らの心の距離♡
一惺
まさかそれを見越して煽ったのか?
翔
んーそれもあるかも?
一惺
濁すな。
翔
そうだなぁ…一惺が最近冷たいから。
一惺
それは悪かった。
翔
好きな人になら…
ずーっと犯されてもいい♡
好きすぎて監禁されても僕は受け入れるよ♡
一惺
わ、わーった、わーった(汗)
それくらい俺とかミドリの事好いてんだな。
翔
うんっ♡
一惺
ほら、シャワー浴びに行こうぜ?
運んでやるから。
コメント
1件
読了したよ〜!✨ 第29話、めちゃくちゃ熱かった…!!🔥 一惺がようやく素直になって「悪かった」って謝ったシーン、泣きそうになったよ…😭 翔の「僕に身を預けて?」っていう優しい受け入れ方が本当に尊すぎる…! 二人の心の距離が縮まっていくのがひしひし伝わってきて、読んでて胸がぎゅってなった💕 そして「ハメ撮りさせて」って言い出す一惺の成長(?)にもびっくり! 笑 お互いに素直になれる関係が築けてきたんだね…💖 最後の「縮んで深まった」心の距離っていう表現がすごくエモくて好きだよ🌟 うーしゃんさんの描くバディもの、毎回心揺さぶられる…!! 次話も楽しみにしてるね🌸